愛の妖精: プチット・ファデット (岩波文庫 赤 535-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003253519

感想・レビュー・書評

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  • ジョルジュ・サンドは男装の麗人と言われ、男の名前を名乗ったり男性的なイメージが強いけれど、本質はかなり女っぽいんじゃないかと思う。

    確かに自身をモデルにしたと言われるヒロインのファデットは、身なりに構わず、木登りしたりするお転婆で、色が黒くて男の子のようだ。けれど女らしい一面も併せ持つ。

    ファデットは普通の女の子と比べると理屈っぽいかもしれない。サンドの文章も説明的でくどい。そしてセリフが長い!橋田ドラマ並みのセリフの長さに…辟易

    この話は出てくる人が比較的みないい人で、妬みややっかみの感情のぶつかりはあるものの、穏やかなストーリー展開。1つひっかかるのが双子の兄シルヴィネのキャラ。悪い子ではないけど、弟に過剰な思い入れがあって、何かとヤキモチを妬く。自分の思い通りにならないと熱を出して寝込む。どやしつけたいようなキャラなんだけど、最後は3人の中で一番成長する。というか、シルヴィネがいなければ、この物語は凡庸過ぎてつまらなかっただろう。

    これは二月革命が起きた頃の作品で、サンドは前書きで、こんな不安定な時だからこそ、毒のない安心して読めるものを世に送り出したいと述べている。今のこの時期にも同じ事が言えそうに思う。

  • おっさんにはこそばゆい題名だけど、読んでみて評価が高いのも納得。文字数はすごい多いけど、気にせず読めて。不思議な魅力を持った登場人物たち。長々語るのは、昔の劇画っぽくもあり。
    しかし何百年も前から男女関係やら親やら人間関係やら、そういうのは変わらないもので、しかもどこの国でも変わらないものだなー、と。
    やたら”だぜ”とか使うのは訳者の時代なんだろうか。この辺は今風に直しても良いかなー、なんて思ったりも。

  • 柚木麻子さんの「名作なんか、こわくない」を読んで、本作を手に取りました。とても古い作品だけど面白かった!双子の男の子たちとじゃじゃ馬娘。すべての少女マンガの原点ではないかとも思える作品。

    • 1531933番目の読書家さん
      ちょっと翻訳が昔っぽいのが私も気になります。
      10代の時から大好きな一冊で何年も経って読み返しても、やっぱりドキドキしてしまう物語です。
      映...
      ちょっと翻訳が昔っぽいのが私も気になります。
      10代の時から大好きな一冊で何年も経って読み返しても、やっぱりドキドキしてしまう物語です。
      映画化されたなんて話は聞きませんか?映像で見てみたいとずっと思っていますが・・・
      2021/04/09
    • maearさん
      そうですね、映像化されたら見てみたいです。勝手に脳内キャスティングしてしまいます。
      そうですね、映像化されたら見てみたいです。勝手に脳内キャスティングしてしまいます。
      2021/04/09
  • 男装のスゴモテ女子、ショパンの恋人、フェミニストの走り、ジョルジュ・サンド。今度の宝塚の花組公演の登場人物を調べているうちに俄然彼女に興味が沸き、著書を図書館で借りてきました。
    大昔の翻訳ものということで読みづらいかなと思ったけどそんなことはなく、海外の少女小説という感じで予想外に読みやすかった。そもそもが児童向けに描いた本なのかな?児童書版でも出版されてます。

    ストーリーは、田舎の村に育った美貌の双子兄弟の弟ランドリーと、その村では鼻つまみ者とされていた女の子ファデットの恋を中心に、それぞれが成長して大人になって行く様を描いた物語。
    ファデットは最初は身なりも構わず意地悪ばかりする粗野な女の子で「こおろぎ」なんて呼ばれて皆に嫌われてるんだけど、ストーリが進むにつれ、一本気の通った実に賢くて可愛い女の子だとわかってきます。そんなファデットにどんどん惹かれていくランドリー、そして弟のことが大好きすぎてどっぷり依存してしまっている兄のシルヴィネ…というちょっと変わった三角関係。
    ファデットはサンド自身がモデルと言われており、周りにどう思われようと自分の思うままに生きるファデットの芯の強さは、サンド自身の強さなんだろうな。と思ったり。
    サンドの人となりはかなり興味深いので、本人の関連本も読んでみたい。

  • 見た目で人を判断してはいけない。きれいに、少し切なく、終わる。

  • 女性なのにジョルジュ(ジョージ)って、ハイカラな人やねんなあー、と思てたら、ペンネームだったのね。話→田舎にて思春期の若者の話。「大人になる」という曖昧な表現ですが、実際に年頃になって恋愛をしてしまうと、皆が手を繋いで仲良しー、という訳にもいかず、秘密を共有するように、二人きりで過ごしたくなるのでございます。やっぱ一皮剥けるよね。今まで夢中になってた遊びが馬鹿らしくなったり、今まで照れくさくて素直になれなかったのが、平気になったり。なんかーそういうーとおいーししゅんきのーかんかくーを思い起こさせました。

  • 恋をする前からファディットは元から正しく、心身深い素晴らしい少女だったんだよ。見なりを気にしないだけであってね。

  • 自分の子どもには是非読ませたい。

  •  心の美しさに揺るぎない価値を置く、道徳的にストレートな作品です。ザ海外古典です。妬み、嫉み等、心の汚い部分を作中の人物にもたせているので、どの人物の心情心理を読んでも、刺さるものがあります。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/707327

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