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- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003254233
感想・レビュー・書評
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主に普仏戦争とパリ・コミューンの時代を庶民の暮らしの視点から断片的に書いた短編集。有名な「最後の授業」が収められている。面白いのは「タラスコンの防禦」である。皇帝の軍隊が破れたので、南仏の田舎町タラスコンでも町を守ろうとするが、まず組織したのは合唱隊、町のカフェーなどがゴテゴテとがらくたを集めて、「ウチは占領不能だ」などとぶち上げたり、なんとなくほほえましい。国民兵も組織され、戦場へいく「野ウサギ隊」と町を守る「家ウサギ隊」に分かれるが、「野ウサギ隊」は女の子にチヤホヤされて得意げ。いつまでたっても出陣の命令が来ないから、将軍が軍令部にいってみると、格好をつけていた「野ウサギ隊」の面々が身体の不調やら何やらを訴えて、出陣不能の陳情をしていた話。他にもパリがプロシア軍に包囲されているのに国民兵主催の演劇が行われていたり、まじめに戦争しようとしていない。フランス人は面白い。パリジャンは「政治が好きなのではなく、政治で起こる騒ぎ」が好きなんだそうだ。タラスコンの暢気な雰囲気が気に入ったのかドーデーは後にほら吹きが活躍する「タルタラン」三部作を書いている。赤シャコの話では鳥の視点から狩猟(殺戮)を書いており、宮沢賢治みたいだ。シーボルトに会って日本の百人一首の一部を訳してもらって感動したりしている(盲目の皇帝)。
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1/17入手【08.12.04/図書館】
古書で入手したけど新品だったっす。
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