- Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003261798
感想・レビュー・書評
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少年時代の一過性の病的な好奇心を知らない人は数少ないのではないだろうか。他人の少年時代については知る由もないが、少なくとも自分にはそういう、自我が確立していない頃に感じた「何か」があった。その「何か」がこの小説では細密に刻まれていた。自分を重ねて考えることが出来る、いい小説だった。
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トルストイの第二作目、自伝小説。
処女作の『幼年時代』と一緒に購入したのですが、それが仇となった。間違えてこちらを『幼年時代』と思い込んで先に読んでしまった。『少年時代』だと気づいたのは巻末の解説を読んでいる途中。どうりで幼年というには歳を重ねすぎていたり、しっくりいかない部分が多いわけだ。
自伝小説ということもあってか、期待していたほどの満足は得られなかった。それでもやはり、トルストイの描写は――叙景も叙情も、僕の好みにぴったりとはまる。まだ彼の作品は五作しか読んでいないが、他の作品も読んでいこうと思う。 -
幼年時代の続編。主人公の心情、経験は一般的に思春期に誰もが通る道であり、そんな事考えてた時もあったなぁ〜なんて思いながら読んだ。しかしながら小説というか物語としては、失礼ながらお粗末だと思う。
多種多様な登場人物が出てくるが、その全ての人物と言ってもいいぐらい、まるで生かされていない。主人公以外の人物の個性が全く伝わらない。もったいない。特に兄貴。キャラ的にもいいし、もっと使い所あるだろって思った。 -
少年時代の軌跡が濃やかに描かれたトルストイの自伝的小説。
さきに幼年時代を読めばよかった!!
偉そうな大人との対立や異性に対する興味の芽生え、純粋的な友情のはじまりがすこし理屈っぽく述べられているのだけれど、勉強嫌いの主人公の挙動が、なやましく描かれているのが楽しい。
トルストイは少年時代を描くのに苦しんだそうだけれど、その苦悩の跡さえもなんだか愛すべきもののように感じられます。