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- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003262283
感想・レビュー・書評
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文学エッセイ風な記録など当時あるはずもなく。牢獄や住人の調査、インタビューを中心に詳細に記録されている。
論文だなこれは。130前はこんなんだったのか。島の生活システムは並みのSFよりも強烈な異世界感満載。しかし、何がきっかけでチェーホフは島へ渡ったのかは本当のところは謎のまま。ますます行ってみたいぞ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
上巻は調査して回った土地ごとの記述だったが、下巻は仕事、女性、子供、健康、脱走(!)など、項目ごとにチェーホフが所見を述べる形式。サハリン島はこの世と地獄の中間みたいな場所だったようだ。いい加減な囚人管理、厳しい罰や労働、貧しい食事、厳しい自然。それなのに人は家族を作り子供が生まれていく。集団生活を営む生き物として、驚くほどしぶとい。粘菌みたいだとさえ感じた。
今の自分の生活の苦楽ってなんなんだろうと思う。自分が単独で幸せだったり不幸だったりすることの意味が分からなくなる。胞子ひとつが地面にくっついても意味がないみたいに。 -
チェーホフのサハリン島滞在記、下巻。
上巻と同様の構成で、淡々と記された事実が多い。対象(この場合はサハリン島に住む人々)に対する視線が、徐々に科学者(医師)らしい目線に変わっているいるような気がする。
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