蝸牛考 (岩波文庫 青 138-7)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003313879

感想・レビュー・書評

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    ── 柳田 國男《蝸牛考 19800516 岩波文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003313879
     
     Yanagida, Kunio 民俗学 18750731 兵庫 19620808 87 /貴族院書記官
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%CC%F8%C5%C4+%D4%A2%C3%CB
     
    (20230506)
     

  • 全国の「かたつむり」の言い方について、そしてその広がり方として推測されることについてをまとめた本。
    当時の言語地理学の先駆けみたいな感じだったのかな、これ。
    「方言周圏論」については巻末の柴田先生による解説にもある通り、本編では定義については述べられていない。なので、解説まで読んでやっと内容が通る感じ。

  • 方言の広がりを観察することで、国語のありかたを考え、国語教育の参考とする点は非常に納得できた。
    なかでも、「言葉は歳をとる。」というのが新しく、はたとさせられた。
    が、この本、なかなかの曲者でした。
    内容に執念を感じるし、ありがたい内容でなのだけど、論文の古典版のよう。読むに辛くまとまりがない。「校長先生のお話」のように感じた。

  • 大学時代、授業で方言周圏論についてやった時に先生がこの本について言及していて、いずれ読んでみようと思っていた1冊。

    購入してから何度か読み始めては積んで、を繰り返していたが今回ようやく読み終えることができた。

    方言周圏論についてもっと知りたいと思って読み始めたけれど、詳しく書かれているどころか方言周圏論という言葉すら本文中にはなくてちょっと期待外れだった。

    解説には、初めて方言周圏論について言及した本だけれど「方言周圏論」という言葉は使われていない、というようなことが書かれていたから見落としたわけでもない模様。

    少し物足りなさはあるけれど、この本を読まなかったら「かたつむり」にこれ程たくさんの方言があるだなんて思いもしなかったので、読んで良かったとは思う。

  • 蝸牛に焦点を当て、方言の移り変わりと地域差から国語を紐解こうとした
    柳田国男の著書です。

    改訂版の序で述べているところを見ると、
    方言周圏説を説くために書かれた本ではありません。
    古来の日本を推察するため、方言(特に蝸牛)に焦点を当てて考察を行ったものです。

    インターネットが普及している現在からはなかなか考えの及ばない、
    口頭による言語の波及を見ることが出来る本でした。

    今でさえ、住んでいる場所によって名称が違うことは多々あります。
    私の周囲では幼少期における手遊びの名称の違いが話題に上りました。
    蝸牛に限らず、日常の中のちょっとした差異を手繰っていくことが
    とても面白く感じられる様になった本でした。

  • 遠く離れた東北と九州に同じ方言があることの理由を、京の都に生まれた言葉が水面の波紋が広がるように同心円状に波及したため古い言葉ほど京都から離れたところに方言として残っているという「方言周圏論」が書かれた本です。
    (もっとも改定版ですので柳田自身が、当たり前のことで法則でも何でもないと書いています)

    でもって、言葉だけでなく文化も同じで、地方の民俗を研究することは古い文化を知ることで重要だと。

    方言周圏論はいまだに「どや顔」で語られたり蝸牛(かたつむり、でんでんむし、マイマイ)以外の言葉を使ってTV番組になったりしますね。

    いまでしたらインターネットを使ってYahoo!知恵袋とかで呼びかければ一晩で集まってしまう情報も柳田の当時は新幹線もありませんし、さぞ大変だったことと思いながら読みました。

    方言周圏論を超える面白い原則論が語られるわけではないのでちょっと肩透かしをくらった読後感でした。

  • 日本語の面白さを教えてくれる本。
    ただの「かたつむり」がこんなに面白いなんて読むまで考えられなかった!

  • 読んでいて蝸牛を「ツンデレ」とか「ツンツンデレデレ」とか呼ぶ地方もあるかと思ったがないようだ。

  • 扱っているのが方言なので音源が欲しいと思うのは欲張りだけれど「蝸牛」という、たったひとつの物を表す単語の方言だけでここまで話が広がるのはやはり面白く、ワクワクします。あくまでこれはほんの一例であり、言葉の伝播・変化に関してこの考察を全てに当てはめる事はできないし、してはいけないのは著者の言うとおり。昭和初期だからこそ、ギリギリ間に合った研究といえるかもしれません。今やっても、ここまでの成果は得られないはず。人の感性によって生まれ、人々の感覚によって変化し、消えていく。やはり言葉は生きた道具だと感じました。

  • 買い直し。

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著者プロフィール

柳田 國男:(1875~1962)兵庫県に生まれる。幼少年期より文学的才能に恵まれ、短歌、抒情詩を発表。東京帝国大学を卒業後、農商務省、貴族院勤務を経て、朝日新聞社に入社。勤務の傍ら全国各地を旅行し、民俗学への関心を深める。1909年、日本初の民俗誌『後狩詞記』を発表、以後『遠野物語』から晩年の『海上の道』に至るまで多大な業績を遺す。


「2024年 『柳田國男全集 別巻2 補遺』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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