意味の深みへ: 東洋哲学の水位 (岩波文庫 青 185-4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003318546

作品紹介・あらすじ

「精神的東洋」をありかを求めて、仏教唯識論、空海密教、老荘思想、イスラーム神秘主義、現代思想のデリダ、ソシュールを自在に論じた著作。著者は、意識の深層領域に拡がる意識、言語の発生源となる場を「コトバ」を名づける。「コトバ」を基軸とする思惟が東洋思想の本質であることが、次々に解明される。井筒に応答したデリダの小論文(丸山圭三郎訳)を併載。(解説=斎藤慶典)

感想・レビュー・書評

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  • コトバが本来持つ力とその便利さ故の危険性を再認識しました。現代人が意識していない言葉の力を、昔の人は体得していました。

    現代人の態度=自分や世界を個別の存在と信じて疑わない
    しかし東洋では、それは表層的意識であり、より深層に真の「自己」を探った

    ・表層意識=世界の事物は固形的物質的個別的

    ・深層意識の手前=固形物の輪郭が溶けはじめ、元型(天使や精霊など)が世界に現れる

    ・深層意識=流動的創造的に結び繋がっている。「縁起」「混沌」「事事無礙法界」「カオス」

    ・深層より更に深く=全ては「無」から生じる。この境地で日常世界を見ると、全ては事物ではなく(無が自己を分節して現れる際の)イベント、プロセスとして映る。

  • 流石にむずすぎだ。

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著者プロフィール

1914年、東京都生まれ。1949年、慶應義塾大学文学部で講義「言語学概論」を開始、他にもギリシャ語、ギリシャ哲学、ロシア文学などの授業を担当した。『アラビア思想史』『神秘哲学』や『コーラン』の翻訳、英文処女著作Language and Magic などを発表。
 1959年から海外に拠点を移しマギル大学やイラン王立哲学アカデミーで研究に従事、エラノス会議などで精力的に講演活動も行った。この時期は英文で研究書の執筆に専念し、God and Man in the Koran, The Concept of Belief in Islamic Theology, Sufism and Taoism などを刊行。
 1979年、日本に帰国してからは、日本語による著作や論文の執筆に勤しみ、『イスラーム文化』『意識と本質』などの代表作を発表した。93年、死去。『井筒俊彦全集』(全12巻、別巻1、2013年-2016年)。

「2019年 『スーフィズムと老荘思想 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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