史記列伝1 (岩波文庫 青214-1)

制作 : 小川環樹 今鷹真 福島吉彦 訳 
  • 岩波書店
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003321416

感想・レビュー・書評

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  • 購入した11年前に一度読んだきりだったので、この度再読した。

    まず、訳者の小川環樹氏が巻頭の「はじめに」の中で、「原文の一字ももらさず翻訳するようにつとめた。」と述べられていることに敬意を表したい。

    本巻には「伯夷列伝 第一」から「春申君列伝 第十八」までが収録されている。
    「伯夷列伝 第一」の慷慨する司馬遷の叫びともいえる件は胸を打つものがあった。また、遷が嘆じるところは我が国の現況に通ずるところがあるように思えてならない。
    「伍子胥列伝 第六」は宮城谷昌光の『呉越春秋 湖底の城』読了直後だったため、場面が生き生きとよみがえり読んでいて胸躍った。
    「仲尼弟子列伝 第七」は孔子とその主な弟子の言行などを収めており『論語』を髣髴する。あの孔子でも弟子へ辛辣な言葉を投げかけていることがあり、そこに人間味を感じ面白い。

    どの列伝も古代中国を彩る人物ばかり、読んでいてい興味は尽きない。
    ただ岩波文庫なので小さな活字、過ぎた意訳、古い言い回しなどで読むのに難儀するのは覚悟してほしい。

  • やはり精読するには時間が必要。
    それは古典ならではか。

    宮城谷の本を読んでいたので、登場人物はほとんど知っていたが、キングダムの主人公李信が出てきたときは震えた。
    だがしかし、オウセンのほうが何枚も上手か。

  • ・すべて意見を述べるにあたり大切な事は、説く相手のほこりとする点を誇張して、恥とする点を全然述べないようにする言い方を心得ることにある。相手が失策だったと気づいていることは、その過失を極言してはいけない。自らを過信する者に対し、事の困難を指摘し水をあびせてはいけない。意図をおしひろめて、さからうことができないようにし、辞と言を排撃することがないようにする。そうしておいてから弁舌と知識を発揮するのだ。これこそ親しまれて疑われることなく、いうべきことを述べつくせるやりかたである(老子・韓非列伝 第三)
    ・世を治めるには道は一つではなく、国につごうよければ、いにしえに法らぬのです。いにしえに反するからとて非とすべきではありませんし、礼に循う者は何も大したことはできないものです(商君列伝 第八)

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