文芸講話 (岩波文庫 青 231-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (87ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003323120

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  • 「文芸講話」毛沢東 竹内好訳 岩波文庫
    この本を選んだのは単純である。「岩波書店創業百年記念読者が選ぶこの一冊」の冊子において、この本が「薄い岩波文庫」で1番だと紹介していたのである。ちょっと手にとってみた。

    少しは予想していたが、薄いからといってあっと言う間に読めるわけじゃない。87pのパンフを読むのに三ヶ月かかった(ホントは買ってから三年かかっている)。もしかしたら、ページ当たりでは今まででもっとも手強かったかもしれない。

    毛沢東を本格的に読んだことはないし、竹内好もしかり。お二人とも興味深い人物なので、収穫はあったのだが、正直まだよくわからない事が多い。

    文芸問題は同時に思想問題だということもわからないではない。しかし、この文芸を革命の武器として徹底して磨きあげようとする姿勢に、私は怯まざるを得ない。それをこの八路軍内で言えば私は日和見主義と批判されるのかもしれない。しかし、この違和感を私は大事にしたい。

    最初に毛沢東が方向性を出し、20日間の討論ののちに「結論」として、「誰のために」「どう奉仕するか」「党との関係」「統一戦線問題」「文芸批評問題」そして最後に思想問題としてまとめるやり方は、竹内好によれば全ての毛沢東論文に共通しているのだという。そのように「弁証法的に」理論を磨きあげる姿勢は学ばなくてはならないだろう。

    読了あとに哲学者古在由重が、1950年代後半この本をテキストに労働者の学習組織自由大学で何年間も使っていたことを知った。おそらく学生たちは岩波文庫を100円ぐらいで買っていたと思う。当時の青年たちの感想を聞いてみたい。

    この本を読んだだけでは到底無理だが、古在由重は1960年代始めに文化大革命が始まった時に知識人の中で唯一最初からこの革命を根本部分で批判していた。文化大革命の本質が革命ではなく、権力闘争にあることを見抜いていた。それは、解説書ではなくテキストを真摯に読んでいたからだと思う。

    最後のページで魯迅の詩を大絶賛していた。魯迅の作品はまさに融通無碍の作風に思っていたので、どう読めば「革命の武器」になるのか、若干意外だった。
    2013年7月9日読了

  • (1966.07.20読了)(1966.05.23購入)
    *解説目録より*
    1942年5月延安で行われた文芸座談会における毛沢東の講演で、翌年、文章として発表された。中国におけるマルクス主義芸術論の歴史的文献として、その後あらゆる分野における指導理論となった。「文芸は、人民大衆のものである」という基本的方向を、実践的な現実の中で、具体的に論じ、「社会主義リアリズム」について平易に説く。

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