賃労働と資本 (岩波文庫 白 124-6)

  • 岩波書店
3.42
  • (15)
  • (26)
  • (67)
  • (4)
  • (2)
本棚登録 : 561
感想 : 32
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003412466

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 資本の自己増殖、疎外された労働、賃金の決定など、マルクスの考え方の基本が網羅されている。文体は難しく見える表現(読書初心者なので「けだし」なんて表現初めて見ました……)が随所にあるが、読みやすく、サクサクとページを捲れるのは、それだけ賃労働というテーマが現代社会でも身近であること、マルクスの主張が自分達の感じるものと近いところがあるからだと思う。
    賃労働をする1人の人間として、読んでよかったと思える。この本を読んで真っ先に感じられるのは、「たくさん稼いで幸せになる」という発想に限界があることだ。「今私たちは何のために働いているのか?」ということを容赦なく問いかけ、突き付けられる。アルバイトを始めた学生や、就活・転職活動に悩む人達にぜひ読んでほしい。

  • 労働者は生きる生活の糧の為に、自身の労働力の源泉となる時間を資本家に売る。

    資本家はその労働力を使い、資本を益々増大させ、労働者に生きる糧の為の必要最低限の賃金を与える。

    機械化による分業化によって、より大量の生産物をより安価に生産する競争が起こる。

    それにより、その進むのと同じ程度で労働が簡易化され肉体的にも精神的にも頭脳を働かせることのない単純単調作業によって、誰にでもとってかわれる労働力となる。

    簡易化かつ生産費の減少によって、労賃は益々下落し、格差が拡がる。

  • とてもコンパクトにマルクスの思う賃労働と資本の関係について書いてある。短い冊子なので通読するのに苦労はしない。マルクスにふれるきっかけとしてはわかりやすい方だと思う。

著者プロフィール

カール・マルクス(Karl Marx):1818-83年。ドイツの経済学者・哲学者・革命家。科学的社会主義の創始者。ヘーゲル左派として出発し、エンゲルスとともにドイツ古典哲学を批判的に摂取して弁証法的唯物論、史的唯物論の理論に到達。これを基礎に、イギリス古典経済学およびフランス社会主義の科学的、革命的伝統を継承して科学的社会主義を完成した。また、共産主義者同盟に参加、のち第一インターナショナルを創立した。著書に『資本論』『哲学の貧困』『共産党宣言』など。


「2024年 『資本論 第一巻 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

カール・マルクスの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
遠藤 周作
ヘミングウェイ
三島由紀夫
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×