何が私をこうさせたか――獄中手記 (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店
4.67
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 43
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003812310

作品紹介・あらすじ

関東大震災後、朝鮮人の恋人と共に検束、大逆罪で死刑宣告された金子文子(一九〇三‐二六)。無籍者として育ち、周囲の大人に虐げられ続けながらも、どん底の体験から社会を捉え、「私自身」を生き続けた迫力の自伝を残す。天皇の名による恩赦を受けず、獄中で縊死。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • もっとひどい犯罪をおこすに至るのかと思ったら、苦しい境遇にあってもずっと自分の成長を願う素敵な女性の話だった。朝鮮人の夫との活動についても少しは知りたかった。獄中で亡くなった年齢があまりにも若くいたたまれない。

  • 289.1||Ka

  • ぐいぐいと引き込まれていった。
    今自分のもっている「言葉」や「枠組み」では何とも捉えようの出来ない、そういうザラつきが読後も、体を占拠している。

    金子文子というひとりの「身体」が出会った人々、出来事、そこに潜在する人間社会や歴史の「不義」「不条理」を我々は「見る」わけだが、しかし逆にそうした「人間社会」や「歴史」の「不義」「不条理」を構成する一成員としての「みずから」を「見られる」、そういう反転の起こる作品であった
    ------------
    引用

    間もなく私は、この世から私の存在をかき消されるであろう。しかし一切の現象は現象としては滅しても永遠の実在の中に存続するものと私は思っている。

  • 恩赦を受けないって、、、凄いわ

    岩波書店のPR
    関東大震災後,朝鮮人朴烈と共に検束,大逆罪で死刑宣告された金子文子(1903―26).その獄中手記には,無籍者としての生い立ち,身勝手な両親や,植民地朝鮮で祖母らに受けた虐待が率直に綴られる一方,どんなに虐げられても,「私自身を生きる」ことをあきらめなかった一人の女性の姿がある.天皇の名による恩赦を受けず,獄中で縊死.23歳.(解説=山田昭次)
    https://www.iwanami.co.jp/book/b330651.html

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

金子文子(1903年〜1926年) 
1903年横浜に生まれる。出生届がだされず就学できなかった。父が家を出
て母の妹と同棲、母も男との同居をくり返す。「家財道具を売り、床板をはずして薪にかえた」ほどの貧困な暮しであった。1912年9歳から16歳まで、養女として父方の祖母に迎えられ、朝鮮で生活する。だが、「無籍者」として虐待をうけ食事さえ満足に与えられなかった。朝鮮人のおかみさんから「麦ごはんでよければ」と声をかけられ、「人間の愛」に感動し、日本人が権力を振るい朝鮮人を搾取するさまを目の当たりにする。1919年日本にかえされる直前、3.1独立運動に遭遇する。
1920年17歳で上京。新聞売りや「女給」などで自活しながら苦学する。キリスト教、仏教、社会主義、無政府主義の思想に出会う。22年朴烈と知り合い、雑誌『太い鮮人』を創刊。 23年9月3日、関東大震災の混乱の中逮捕、「治安警察法違反」で予審請求される。26年3月25日、「大逆罪」で死刑判決。のち恩赦により無期懲役に減刑されるが、7月23日獄中にて縊死。「すべての人間は人間であるという、ただ一つの資格によって」「平等」であると確信した文子は、「権力の前に膝を折って生きるよりは、死してあくまで自分の裡に終始」した。23歳であった。

「2006年 『金子文子 わたしはわたし自身を生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヴィクトール・E...
村田 沙耶香
恩田 陸
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする