- Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003860298
作品紹介・あらすじ
現象に内在する精神とは? 精神のエコロジーとは? 科学と哲学をつなぐ基底的な知の探究を続けたベイトソンの集大成。その生涯にわたる思索の足取りをたどる。上巻はメタローグ・人類学篇。頭をほぐす父娘の対話から、隠喩と類比を信頼する思考の方法、集団間の緊張を高める「分裂生成」の型とそれを回避する「プラトー」の概念まで。
感想・レビュー・書評
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10月新着
東京大学医学図書館の所蔵情報
https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2003650242詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一言で言うと専門バカにならないための処方箋といったところ。そのために様々な学際領域を横断してそれらに通用する思考方法、システム工学的考察を構築する過程が描かれている。読み進めていくことでベイトソンの思考の歩みを追体験できる。関係性を重視せよ、関係によってつながれる個別項に囚われてはならないといったところが重要な論点だと思われる。
分裂生成、プラトーなど重要なキーワードが登場する。ここではその詳細には触れないが、注意深く読み進めていけば誰にでも理解できるように説明されていると思った。最初にメタローグという形で大雑把に主張したいことを描いているのも好感できる。 -
ベイトソンは難しいという固定観念が強固にあったが、「やさしいベイトソン」を読んで、もしかして読めるかも?と思って、挑戦。
文庫本になったので、中古の高い本を買わなくても良くなったし。
上巻の冒頭は、娘との対話を通じて、ベイトソンの思想を伝えつつ、だんだんずれていく感じ、循環する感じもあり、決して、父が娘に伝える〇〇学にはならないところが良い。
そして、後半はまずは人類学者としての代表的な論考が紹介される。最初の「文化接触と分裂生成」は、ほぼ何を言っているか分からず、やっぱベイトソン苦手と思うのだが、その後の講演や論文、エッセイは思ったより読みやすい。
現時点は、疑問符がたつ論考もあるのだが、ここで読むべきことは、彼の議論の内容というより、思考プロセスの方。要るにこれはシステム思考というか、サイバネティクスではないか。
人類学的なフィールドワークを積み重ねつつ、何らかのコンセプトを見出すとそこから俯瞰的に全体を見て、目に見えないダイナミクス、システムを発見していくような感じ。
ギアツなどの解釈学的な人類学では、勝手に一般化、理論化しているという批判も多分あるだろう。そして、私もそうだと思う。
が、それでもワクワクするのは、ベイトソンの思考が見えてくるからだ。なんだか、自分と似たタイプの人かもしれないと思い始めている。
さて、中巻は、精神医療的な世界、いわゆるダブル・バインド論の登場だ。楽しみだ。 -
389.04||B27
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なんとなくわかったような気持ちになったのと、新しいことを始めるヒントになったのは最初の娘と父の対話の部分だけで、あとはあえなく撃沈。ちょっと何言ってるのかわからない。