- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004202721
作品紹介・あらすじ
ヤマメと並ぶ渓流の王者、イワナ。この「幻の魚」の生物としての位置については、これまで長いあいだ激しい論争が続いてきたが、著者は北海道の山野に彼らを追い、その分布や生活史を明らかにして、ついにその実像をつきとめた。大自然の中での孤独な苦闘と興味深い発見を語り、魚たちがくりひろげる野性のドラマへと読者をいざなう。
感想・レビュー・書評
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父から託された本をまた一冊読み終わった。
北海道におけるイワナとオショロコマ、及びサケ科近縁種がどのように分布し、なぜその分布になったかの考察を記した書。
結論に至る終盤の追い込みが、読んでいるだけでも胸躍る。読み応え充分でした。
現在の状況も気になるので、文献を当たってみようと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
内容も勉強になった(自分の専攻にはたぶん役立たない)が、謎解き文体が参考になる。たとえば、序章。ここの記述は、ちょっと渓流魚に詳しい人からすれば、実はそれほど謎じゃないんだが、かならず「これこれはこうである。これは一見矛盾である。なぜこんな不可思議なことが起きるのか?」と、渓流魚にまったく予備知識がない人が食いつけるような仕掛けを随所に用意している ――渓流魚に知識がない人がそもそもこの本を手に取るかは「謎」だが。まさに「謎を追う」という書名にふさわしい。
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一緒にしたら失礼なんだけど、夏休みの自由研究が楽しかったことを思い出した。日常生活でふと触れた不思議を追いかける情熱と楽しさは、大人も子供もないね。渓流釣りをするものとして馴染み深いオショロコマとアメマスが主役というのも嬉しい。次に釣ったらサイズばっかり気にしないで、じっくりと観察させてもらおう。
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赤い斑点と白い斑点のイワナがいるのは、なぜか。その疑問からイワナの謎を追う話がはじまります。
ふだん何気なく見ている川も科学的に分析すると新たな発見が生まれることを感じます。
北海道を舞台にした壮大なオショロコマ(赤斑点)とアメマス(白斑点)の世界。 -
[ 内容 ]
ヤマメと並ぶ渓流の王者、イワナ。
この「幻の魚」の生物としての位置については、これまで長いあいだ激しい論争が続いてきたが、著者は北海道の山野に彼らを追い、その分布や生活史を明らかにして、ついにその実像をつきとめた。
大自然の中での孤独な苦闘と興味深い発見を語り、魚たちがくりひろげる野性のドラマへと読者をいざなう。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
新書本の醍醐味は、しばしばこうした掘り出し物の素晴らしい本に思いもかけず出会えることだ。本書は、単なるイワナの話にとどまらず、フィールドワークとは何か、学問的誠実とは何か、種とは何か、分類学とは何か、進化とは何か、など実に色々なことを考えさせ、気付かせてくれる本である。本全体の構成も、まるで一つの物語のようによく練られており、内容も非常に充実している。しかもそれら全てが、魚の素人でも、特にイワナに関心がない人でも十分に楽しめるものとなっている。学問に関わりを持つ、全ての学生、研究者、あるいはこれらを目指す者全ての人によんでほしい一冊である。
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学術的にも意外にまだまだ未知のことが多い魚なんですね。
だからこそ、釣り人にとっても魅力的な魚なんですよね。