- Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004302865
作品紹介・あらすじ
最強の武権政府=江戸幕府はなぜ天皇制を廃止しなかったのか?秀吉から家康にいたる統一政権成立期の朝幕関係を克明にあとづけるなかに、ダイナミックな歴史像と様々な興味深い論点が浮かび上がる。足利義満の皇位簒奪計画の解明からはじまって、「天皇制はなぜ続いたのか」という課題に挑んできた著者の集大成がここに示される。
感想・レビュー・書評
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要するに軍事政権である武士たちが天皇(朝廷)を撲滅しなかった理由を知りたくて入手。
武士たちにとって、統治の正統性の”お墨付き”を得るために天皇(朝廷)の存在が何かと便利であったようだと私は解釈した。なんとなくわかった気分になれたので、第1章だけを読んで終了。
機会があれば、高木昭作『将軍権力と天皇』も読んでみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
天皇制はなぜ続いているのか? 一読した限りでは、国内の政治動向からはなくなる力はうまれない。世継ぎ問題が大きく関わるか。
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秀吉も家康も、賎ヶ岳や関ヶ原で勝利したら、天下が転がり込んできたのではなく、群雄割拠は続いており、一歩間違えれば、信長が死んだ時のように、戦国の世に戻ってしまうリスクが潜んでおり、天皇の権威や官位をうまく取り込んで、実に慎重に、将棋を指すように少しずつリスクを排除して安定政権を築いて行った事実が、自分には新鮮だった。
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日本史の概略を知っている欧米人の中には日本の「皇帝」の特徴を詳しく知りたがる人がいる。
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書名の通り、武士と天皇の関係性についての考察です。
武士という存在が歴史の表舞台に登場するようになって以降、影の薄くなってしまった天皇ですが、その存在は消滅することなく、現在も続いています。
なぜ、天皇は存続できたのか?
なぜ、誰も天皇になり替わろうとしなかった(できなかった)のか?
それらの疑問に対する筆者なりの答えが本書になります。
やや古めかつ固めではありますが、上記のような疑問を持つ方にはおすすめしたい本です。 -
中世~近世における武家と天皇という、二大勢力の関係性についての論考。対立したり融和したり利用したり裏をかいたりと、双方微妙な関係が様々に解説されるが、文章がちと難解。
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著者は天皇権威のメカニズムを明らかにする過程で,秀吉が将軍になれなかったわけについても触れている。秀吉は源氏の流れを汲まないから,という俗説は否定され,真の理由が明らかにされる。歴史ファンは必読である。
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戦国の武家王者と天皇との関係について、記したもの。
足利時代に武家が先導、戦国時代に天皇側にゆるやかに戻り、正親町〜後水尾での相克を丁寧に記す。