- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004305323
作品紹介・あらすじ
水、風、花、虫などの自然物への深い眼差し。一癖も二癖もある魅力的な人々との交流。ちょっとした遊び心が巻き起こす珍事…。昆虫学者としても活躍する仏文学者が、さりげなく現代社会を風刺し、身辺の事物への慈しみと共感を流麗な文章で綴るエッセイ。
感想・レビュー・書評
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ふむ
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短編のエッセイ集という形式がとられており、気張らずに日曜の昼下がりにでもつらつらと読むのに丁度良いのがこの『書斎のナチュラリスト』。これといったテーマは定められておらず、自然的な内容から社会的な話題まで幅広く書き綴られている。
エッセイということで作者の見聞やお気持ちがツラツラと書かれているわけだが、そんな本、有名人でもなければ読む意義なんて特にないだろう、なんて思っていた。しかしそんなことはない。どこか自分に置き換えながらページをめくってしまうし、そんな自分が面白くも思えてくる。
この本は小説ではないので起承転結の備わったストーリーが繰り広げられているかというとそんなことはないし、実用書・ビジネス書ではないので仕事に役立てられるかというとそんなこともない...... これらに比べたらある意味ムダなのかもしれないが、こういうムダを楽しむのもまた一興なのではないかと思う。
所在:中央館2F : 文庫・新書コーナー
OPAC : https://opac.lib.niigata-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA33203084?caller=xc-search -
1998年2月26日読了。
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たまたま手に取った本で、著者も初めて聞くお名前でした。面白かったです。文章がとてもうまい。自然体。あまり、自然だの虫だの意識せずに多くの人に読んでいただければと思います。
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この著者が羨ましくなった。
奥本氏自身もいわゆる漱石に代表される「文人」への憧れを記しているが、それと相似な感覚を、私がこの著者に対して感じるのである。
花や風といったこの人らしい自然科学的なテーマで始まるエッセイ集だが、中盤では社会派で重めの文章も現れる。そしてラストに吐露される漱石に対する礼賛と趣味人としての酔狂加減がなんとも愉快である。
読了後には「草枕」を読み直したくなった。 -
この人の文章はおもしろいです。昆虫に関する著作が多数あるフランス文学者のエッセイ。
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2冊