ポピュラー音楽の世紀 (岩波新書 新赤版 636)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004306368

作品紹介・あらすじ

ジャズ、ルンバ、ボサノーヴァ、レゲエ。空前の出来事が相次いだ20世紀は、これらの音楽が生まれ地球上に広まったポピュラー音楽の時代だ。世界各地で、音楽と人々・社会・時代の関係が、まさに多種多様に展開されてきた。人々のパワーが生命あふれる音楽を、どのように創造し、伝播していったか。エキサイティングな音。

感想・レビュー・書評

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  • 各国の音楽の歴史がまとめられている。正直なところ情報が多すぎて、吸収しきれない。

    ジャズの土台となった音楽的な直接要因は、ブラスバンド、ラグタイム、ブルースの3つで、ハーモニーなどヨーロッパ音楽の理論も入り込んだ。

    サンバは、田舎からリオの郊外に来た黒人工場労働者が行っていたどんちゃん騒ぎの民俗芸能のようなものだったものが、ポピュラー音楽に転換したもの。
    タンゴは、キューバから伝わったアバネーラに、アフリカ系の祭りの踊りなどが混じり合って生まれたダンスに合うように作られたもの。 20世紀にドイツから伝わったバンドネオンが導入され、歯切れのいいビートに乗せて演奏されるようになった。

    ソウルは、モータウンに代表される滑らかで耳障りのいいのが売り物の1960年代以降の黒人音楽。
    ジャマイカのレゲエは、ニューオリンズあたりからのラジオの電波に接しているうちに、リズムアンドブルースを自分たち流に手直しして歌うようになったもの。
    サルサは、プエルト・リコからの移民たちの音楽。
    ヒップ・ホップは、リズムアンドブルースの模倣から出発したジャマイカ黒人文化に、黒人音楽の方が逆影響されたもの。

  • ミュージックマガジンの元編集長 中村とうようさんによる、20世紀のポピュラー音楽をまとめられたもの。ブルース、ジャズ、ラテン音楽、ボサノバ、アジア音楽等の世界のポピュラー音楽のシーンおよびその遷移が分かりやすく書かれており、音楽の知見を広げられた。著者はクラシック音楽等の西欧世界の音楽が好みではないようなので、その点は理解した上で読んだ方が良いかも。
    この書籍が書かれた頃は、紹介されていた音源を手に入れるのが大変だったが、今はサブスクリプションで容易にアクセスできるようになったので、時間を作れたら、この本を片手にじっくり聴きたい。
    ミュージックマガジンを愛読していたので、著者の訃報を聞いた時は本当に残念でした。

  • 音楽の聴き方、感性が変わるほどの素晴らしい音楽本です。

    ひと言で言えばアメリカ中心主義、あるいは商業主義による音楽の搾取構造の告発。アメリカの自文化主義によって、アフロアフリカンをはじめ、カリブ海や南米の大衆音楽は常に剽窃される形で商品化され、搾取されてきたことを20世紀末に書いた筆者は本当に偉大な音楽評論家だと思う。欧米以外にも、ロックやジャズ以前にも、ポピュラー音楽は存在していることを、非常にコンパクトな必要最小限の記述でありながらも、歴史や世界各地の匂いのようなものを感じさせながら教えてくれる。

  • 35700

  • 内容が濃く、様々な示唆に富む、良い本。著者の持つ歴史観・音楽観に基づいた一貫したトーンで書かれており、良い意味で、常に背後にある種の主張が感じられ、それが読み物として読みやすい。カバーしてる範囲が広い(20世紀、全世界)ので、書いてある内容をすべて短期間に消化して記憶に残して「読み終わる」ことは不可能であり、座右に置いておいて事あるごとに該当箇所を読み返したくなる一冊。

  • アメリカは最初から音楽はビジネスだった。ポップ音楽もビジネスだから下から上がってきたものではない。
    アメリカのレコード産業のビジネスのやり方は楽譜出版社が試み始めた音楽の商品化のシステムを発展させたもの。
    バンドブーム、80年代。ダンス系、アンダーグラウンド、サブカルチャー

  • 題名からアメリカのポピュラー音楽を解説するものだと思っていたが、あに図らんや南米、中南米、アフリカ、アジアを含め全世界のポピュラー音楽を取り上げている.著者の調査力に驚嘆したが、本書の内容をもっと"ポピュラー"にしていく必要性を痛感した.私の好きなジャズも従来にない新たな視点からの解説があり、楽しく読めた.

  • 地元の図書館で読む。期待以上の出来です。正直、あまり期待していませんでした。ブルース、ジャズもよくわからない僕には、敷居が高いと思っていました。再読の価値があります。

  • 世界のポピュラー音楽について詳細に説明している。
    特に、世界的な影響をあたえたさまざまな地方の音楽についても言及している。

    『ミュージック・マガジン』という雑誌があったことは覚えていません。
    ごめんなさい。

  • (後で書きます)

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