狂牛病: 人類への警鐘 (岩波新書 新赤版 759)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004307594

作品紹介・あらすじ

最近、日本でも発生が確認され大きな衝撃を与えた狂牛病、そしてそれが人間に感染したと考えられる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病は、死にいたる病ということで、ヨーロッパの人々を恐怖につきおとした。狂牛病はなぜおこったのか?現地取材や研究者へのインタビューをふまえて、その社会経済的な影響、現代文明における意味を考える。

感想・レビュー・書評

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  • これも久々に読み返しました。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/245808

  • 学生時代

  • 狂牛病のメカニズムと背景、影響について、コンパクトにまとめた本。
    著者は科学者ではなくジャーナリスト。読みやすい一方、おそらく突っ込んだことを知りたい場合は参考文献にあたる方がよいだろう。
    狂牛病は、1984年に初めて発見され、1998年から急に増加。日本では2001年に事例が発見された。取り込まれたプリオンが体内のタンパク質を変異させることで生じる。ただしヒトの体内では本来変異が起きにくく、このため潜伏期間が非常に長くなる。
    発生拡大の要因は反芻動物の組織から作られた肉骨粉を、同じ反芻動物の飼料として使ったこと。背景には畜産の現場における効率性重視がある。イギリス・ブレア政権の農業軽視による現場の人手不足等。
    また危険部位を食べる習慣の有無(ex.フランスでは脳を食べる)、屠畜の方法の違い(ex.イギリス・クウエニブル村では流水洗浄を行わない小規模屠畜が中心)といった要因も影響していた。

  • 2001年刊行。著者は明治大学客員教授。

  • [ 内容 ]
    最近、日本でも発生が確認され大きな衝撃を与えた狂牛病、そしてそれが人間に感染したと考えられる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病は、死にいたる病ということで、ヨーロッパの人々を恐怖につきおとした。
    狂牛病はなぜおこったのか?
    現地取材や研究者へのインタビューをふまえて、その社会経済的な影響、現代文明における意味を考える。

    [ 目次 ]
    第1章 恐怖の始まり
    第2章 狂牛病とは?
    第3章 大混乱のイギリス
    第4章 不安はヨーロッパ大陸へ
    第5章 クレアさんの死
    第6章 クウエニブル村の悲劇
    第7章 大丈夫か?現代の食
    第8章 揺れるヨーロッパ農業
    第9章 狂牛病・日本上陸の衝撃
    第10章 人類への警鐘

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    [ 参考となる書評 ]

  • ここ最近、不幸なことに口蹄疫、鳥インフルエンザが話題となってしまいました。

    しかし約10年前、口蹄疫や鳥インフルエンザと同等以上の衝撃を与えた伝染病がありました。

    たった10年で、人はあの衝撃を忘れてしまうものです。

    狂牛病や口蹄疫をはじめとした家畜の伝染病は過去のことではありません。

    国民一人一人がこのことを忘れずに、問題意識を持ち続けることが重要なのかもしれません。

  • 狂牛病についての知識があまりなかった自分にとって、狂牛病の経緯・社会背景を知ることができた。また人間に感染し、変異型のクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)をもたらすことの恐ろしさを認識した。狂牛病が世界的な社会問題となる所以を理解できた。狂牛病は「異常プリオン蛋白質」が原因と考えられているようである。本書で多く引用されている「死の病原体プリオン」(リチャード・ローズ)も、今後読み進めていきたいと思った。

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著者プロフィール

東北大学文学部卒業後、昭和34年NHKに入る。昭和49年解説委員室解説委員、平成13年解説員を退職。現在、明治大学農学部客員教授。

「2002年 『問われる食の安全性』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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