人はなぜ太るのか: 肥満を科学する (岩波新書 新赤版 1056)
- 岩波書店 (2006年12月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480031587
感想・レビュー・書評
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いつ、なぜ買ったのか分からない本が書棚に、デスクに積んである。この本もその一つ。何がきっかけで購入したのか思いだせない。
非常にクールなよい本である。肥満について分かっていることと分からないことの境界線が上手に引いてあり、静かな文体も好感を持てる。こういう本を医学者は書くべきだ「こうすれば痩せられる」類いの煽り本をプロは書くべきではない、、、と僕は思う。
BMIでなぜ身長を二乗するのかなど、普段使っていてもよく理解できていなかったこともはっきりしてきた。データと記憶の整理ができる。
痩せたい人が本書を読んでも痩せられるかは不明である。だが、痩せたい人が「こうすれば痩せられる」本を読んでも痩せない可能性が高い、ということは本書を読めば理解できるはずだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どうして太るのか 科学的に書かれていました。
けれど どちらかというと 論文ぽくって
読みにくかったです。
あれはだめだけど これは良い が
その人によって それが当てはまらない事もある。
とかって 書かれると うーむ。。。って なっちゃいました。
悪くないけど あまり印象に残らなかった。 -
メルカリ売却
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【書誌情報】
著者:岡田正彦
通し番号 新赤版 1056
ジャンル 自然科学
刊行日 2006/12/20
ISBN 9784004310563
Cコード 0247
体裁 新書・並製・カバー・224頁
在庫 品切れ
メタボリック症候群の報道に見られるように,肥満は単に美容上だけの問題でなく,健康にも悪いことが大きく取り上げられている.では,肥満はどんな病気につながるのか.どこまで太れば,「肥満」といえるのか.健康的にやせるには,どうしたらいいのか.最新の疫学調査のデータをもとに,肥満をめぐる疑問を一挙に解決する.
〈https://www.iwanami.co.jp/book/b268875.html〉
【図表一覧】
図1-1 筋肉はたんぱく質でてきている 12
表1-1 20種類のアミノ酸 14
表1-2 糖分のいろいろ 16
図1-2 (なし)
図1-3 セルロースの形 18
表1-3 食品に含まれる脂肪酸 21
図1-4 中性脂肪の形 23
図1-5 栄養素,エネルギー,肥満の関係 24
図1-6 脂肪酸の形と二重結合 26
図1-7 白色脂肪細胞の顕微鏡写真 30
表1-4 グリセミック指数 32
表1-5 食品の分類 37
図1-8 人が太らないための仕組み 51
図2-1 BMIの意味 58
表2-1 BMI簡易換算表 59
図2-2 肥満と血圧の関係 78
図2-3 肥満と脈波伝播速度の関係 81
図2-4 心臓の筋肉が血液をうけとるための血管 83
図2-5 肥満による心電図の変化 83
図2-6 血管の表面を眼でみると 84
図2-7 血管の中をみる 86
表3-1 日本人における動脈硬化症の危険因子 89
図3-1 心電図にみる減量の効果 106
図3-2 肥満と死亡率の関係 114
表4-1 いろいろな動作の運動強度 121
図4-1 (なし)
図4-2 器具を使ったトレーニング 132
表4-2 仕事別消費カロリー 139
表4-3 コレステロールの多い食品ベストテン 150
図4-3 減量にともなう水分の変化 153
表4-4 アメリカで認可されている肥満治療用の医薬薬 182
図4-4 正しくやせるための総合作戦 188
図5-1 17歳のBMI 192
【目次】
目次 [i-v]
プロローグ なぜやせられないのか――肥満をめぐる疑問あれこれ 001
正しいダイエット法は?
水を飲んでも太る?
運動しているのになぜやせない?
太るのは体質?
理想体重?
悪いのは皮下脂肪?
太ると糖尿病に?
第1章 肥満の仕組み 009
1 栄養のもと 010
カロリーで比較
遺伝子がつくる体の仕組み
たんぱく質は残らない
消化酵素もたんぱく質
炭水化物のもとは糖分
ぶどう糖はエネルギーに
血糖値を保つ
やはり脂肪が問題
中性脂肪のパワー
三大栄養素のまとめ
2 肥満と食事 025
脂肪酸の功罪
過酸化
脂肪のたまる場所
血糖値を上げない食品
太る食品とは?
男女の違い
肥満の秘密
ハンバーガーは太るか
3 肥満は遺伝するか 043
二五個の卵
太り方にも個人差
極端な人々
日本人に多いタイプ
謎の物質レプチン
夢のやせ薬か
摂食中枢
もう一つの謎の物質
第2章 肥満をはかる 052
1 理想の体重とは? 056
理想的でない理想体重
BMI(Body Mass Index)
BMIの理想値とは?
さまざまな指標
体脂肪率とは?
グッドアイデア
あてにならない体脂肪率
ヒップとウエスト
ハイテク肥満指数
超音波で肥満診断
正しい体重のはかり方
2 肥満の影響をはかる 074
自律神経の働き
血圧は家ではかろう
心臟の余裕
血管にかかるストレス
心臟の酸素不足
血管の表面をみる
血管の中をのぞく
第3章 肥満はなぜ健康に悪いか 087
1 メタボリックシンドロームとは? 088
危険な因子
あなどれない腹部の脂肪
日本の基準
インシュリン抵抗性
因果関係の証明は難しい
2 肥満によっておこる病気 097
糖尿病の二つのタイプ
子どもの肥満と糖尿病
糖尿病の大規模調査
動脈硬化症
肥満による心不全は女性に多い
肥満は原因か結果か
心電図でわかる心臓の負担
急にふえた脂肪肝
息がとまる話
再生しない軟骨
骨をおる
長生きと肥満の関係
意外な結果
ヒップ周囲長の測定は意味なし
第4章 健康的にやせるには? 117
1 運動療法 118
歩くスピード
運動強度
安全な運動の仕方
体力の限界を知る
趣味と運動の違い
ジョギングの極意
無難な水泳
運動だけではやせない
たるんだお腹
運動処方箋
注意すべきこと
健康チェック
2 食事療法 138
食事の処方箋
一日の摂取量の目安
パンとご飯
間食
お酒の飲み方
脂肪の多い食品とは?
コレステロールをどう考えるか
牛乳の功罪
水で太る
ダイエットの効果
成功の秘訣
リバウンド
やせすぎ
難しい治療
食べずにはいられない
やせるポイント
3 医学にたよる 164
ダイエット・ピル
食欲をおとす薬
かぜ薬でもやせるが……
あのアスピリンも
中国製やせ薬
危ないハーブ
甲状腺ホルモン
成長ホルモン
黄体ホルモン
さまざまな発想
ダイエット・サプリ
これから期待される薬
薬を使った方がよい場合
日本で売られている食欲抑制剤
手術でやせる
民間療法あれこれ
正しくやせるための総合作戦
エピローグ ちょっぴりやせたい人へのアドバイス 191
太る年頃
力をぬかない
エレベータやエスカレータに乗らない
食事のスタイル
偏食をしない
緊張感
無理にやせなくてもいい人
肥満者の人権
社会の取り組み
参考文献 [205]
あとがき(岡田正彦) [207-208] -
ビール腹は俗説だったのだぁ。
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読み終わりました。
本当は最近翻訳されたほぼ同タイトルの別の本が読みたかったんですが、自腹で買うにはちょっと高いし、図書館にもないのでこっちを読んでみました。
結局知りたいタイトルの答えについては、血糖値を上げるグリセミック指数(GI)の高い食品を避けるってくらいしか言ってない気がするけど。
テレビか何かで既知でしたが、アルコール自体はカロリー源として体に残らないのでダイエットのために酒を止める必要はないようですよ。 -
著者は、予防医学の立場から肥満について研究する科学者である。肥満に関する必要かつ興味深い情報を、淡々と飾り気なく、手際よく提供してくれている。ダイエット本はたくさんあるが、そんな中で信頼できる本の見本のような感じがする。特に、肥満についてはわからないことが多いということを、様々な研究結果を示しながら説いていく前半部分(第1章~第3章)がおもしろかった。今まで様々なダイエット情報に踊らされた人ほどおもしろく読めるのではないかと思う。
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さすが岩波書店。他のダイエット本とは一線を画し、肥満を医学的見地からフラットに述べられている。太る仕組みで引かれたグリセミック指数は参考になるなー。メタボ(リックシンドローム)=おデブという印象は誤っており、糖尿病につながる代謝異常が本意であることに目から鱗。肥満から脱するための方法は、運動と食事という地道な方法が最善と判る説明。やせ薬・やせサプリの危うさにも言及していて良い。