人はなぜ太るのか: 肥満を科学する (岩波新書 新赤版 1056)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480031587

感想・レビュー・書評

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  • いつ、なぜ買ったのか分からない本が書棚に、デスクに積んである。この本もその一つ。何がきっかけで購入したのか思いだせない。

    非常にクールなよい本である。肥満について分かっていることと分からないことの境界線が上手に引いてあり、静かな文体も好感を持てる。こういう本を医学者は書くべきだ「こうすれば痩せられる」類いの煽り本をプロは書くべきではない、、、と僕は思う。

    BMIでなぜ身長を二乗するのかなど、普段使っていてもよく理解できていなかったこともはっきりしてきた。データと記憶の整理ができる。

    痩せたい人が本書を読んでも痩せられるかは不明である。だが、痩せたい人が「こうすれば痩せられる」本を読んでも痩せない可能性が高い、ということは本書を読めば理解できるはずだ。

  • どうして太るのか 科学的に書かれていました。

    けれど どちらかというと 論文ぽくって 
    読みにくかったです。

    あれはだめだけど これは良い が 
    その人によって それが当てはまらない事もある。
    とかって 書かれると うーむ。。。って なっちゃいました。

    悪くないけど あまり印象に残らなかった。

  • メルカリ売却

  •  活動制限令が続き、外出できずに、家のものをポリポリ食べているうちに少し体重が増えてきました。30代初頭で何度か入院をして以来、健康には気を付けていたつもりですが、人間ですので気も緩みます。

     そういう時には本を読んで反省することにしています。この本に即して言えば、太る仕組みについて改めて復習するとこができ、その結果、自分のどの行為が(まあ間食・食べ過ぎです)がどのようにして体重増加につながるのかを、よりリアルに理解することができます。

     ということで数年前に買った本を再読。難しくないので気楽に読めます。

     本書の特色はとにかく易しいということ。たんぱく質は取りすぎても排出されるけど、炭水化物と脂質は取り過ぎれば体内に溜まる、といった三大栄養素の説明から始まり、BMIの由来やメタボとはなにか等々、肥満にまつわる情報を易しく解説しています。

     個人的に一番役に立ったのはグリセミック指数の説明です。グリセミック指数とは一定時間内で血糖値をどれ位上昇させるかを指数化したものです。この数値が高ければ血糖値は上昇し(血糖値スパイク!)、体内ではインシュリンをより多く消費することになります。食事の時の食べるものの順番を考えると非常に示唆的であります(以前狭心症と診断されて以降、食べ物・食べ方・運動等に気を付けています)。

     また、職種ごとの平均消費カロリーも掲載されており、カロリー制限による体重コントロールにチャレンジする方には、有用な情報であろうかと思いました。ま、私もやってみようと思いつつ5年は先延ばしにしていますが。。。

    ・・・

     ということで、肥満のメカニズムを理解する上では非常に平易に書かれた良い作品だと思います。2005年初版ということで、ちょっと古めではありますが、肥満のメカニズムを概観するのには充分な本だと思いました。

  • 最新の所在はOPACを確認してください。

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00234004

  • 【書誌情報】
    著者:岡田正彦
    通し番号 新赤版 1056
    ジャンル 自然科学
    刊行日 2006/12/20
    ISBN 9784004310563
    Cコード 0247
    体裁 新書・並製・カバー・224頁
    在庫 品切れ

    メタボリック症候群の報道に見られるように,肥満は単に美容上だけの問題でなく,健康にも悪いことが大きく取り上げられている.では,肥満はどんな病気につながるのか.どこまで太れば,「肥満」といえるのか.健康的にやせるには,どうしたらいいのか.最新の疫学調査のデータをもとに,肥満をめぐる疑問を一挙に解決する.
    https://www.iwanami.co.jp/book/b268875.html


    【図表一覧】
    図1-1 筋肉はたんぱく質でてきている 12
    表1-1 20種類のアミノ酸 14
    表1-2 糖分のいろいろ 16
    図1-2 (なし) 
    図1-3 セルロースの形 18
    表1-3 食品に含まれる脂肪酸 21
    図1-4 中性脂肪の形 23
    図1-5 栄養素,エネルギー,肥満の関係 24
    図1-6 脂肪酸の形と二重結合 26
    図1-7 白色脂肪細胞の顕微鏡写真 30
    表1-4 グリセミック指数 32
    表1-5 食品の分類 37
    図1-8 人が太らないための仕組み 51

    図2-1 BMIの意味 58
    表2-1 BMI簡易換算表 59
    図2-2 肥満と血圧の関係 78
    図2-3 肥満と脈波伝播速度の関係 81
    図2-4 心臓の筋肉が血液をうけとるための血管 83
    図2-5 肥満による心電図の変化 83
    図2-6 血管の表面を眼でみると 84
    図2-7 血管の中をみる 86

    表3-1 日本人における動脈硬化症の危険因子 89
    図3-1 心電図にみる減量の効果 106
    図3-2 肥満と死亡率の関係 114

    表4-1 いろいろな動作の運動強度 121
    図4-1 (なし) 
    図4-2 器具を使ったトレーニング 132
    表4-2 仕事別消費カロリー 139
    表4-3 コレステロールの多い食品ベストテン 150
    図4-3 減量にともなう水分の変化 153
    表4-4 アメリカで認可されている肥満治療用の医薬薬 182
    図4-4 正しくやせるための総合作戦 188

    図5-1 17歳のBMI 192



    【目次】
    目次 [i-v]

    プロローグ なぜやせられないのか――肥満をめぐる疑問あれこれ 001
      正しいダイエット法は?
      水を飲んでも太る?
      運動しているのになぜやせない?
      太るのは体質?
      理想体重?
      悪いのは皮下脂肪?
      太ると糖尿病に?


    第1章 肥満の仕組み 009
    1 栄養のもと 010
      カロリーで比較
      遺伝子がつくる体の仕組み
      たんぱく質は残らない
      消化酵素もたんぱく質
      炭水化物のもとは糖分
      ぶどう糖はエネルギーに
      血糖値を保つ
      やはり脂肪が問題
      中性脂肪のパワー
      三大栄養素のまとめ
    2 肥満と食事 025
      脂肪酸の功罪
      過酸化
      脂肪のたまる場所
      血糖値を上げない食品
      太る食品とは?
      男女の違い
      肥満の秘密
      ハンバーガーは太るか
    3 肥満は遺伝するか 043
      二五個の卵
      太り方にも個人差
      極端な人々
      日本人に多いタイプ
      謎の物質レプチン
      夢のやせ薬か
      摂食中枢
      もう一つの謎の物質


    第2章 肥満をはかる 052
    1 理想の体重とは? 056
      理想的でない理想体重
      BMI(Body Mass Index)
      BMIの理想値とは?
      さまざまな指標
      体脂肪率とは?
      グッドアイデア
      あてにならない体脂肪率
      ヒップとウエスト
      ハイテク肥満指数
      超音波で肥満診断
      正しい体重のはかり方
    2 肥満の影響をはかる 074
      自律神経の働き
      血圧は家ではかろう
      心臟の余裕
      血管にかかるストレス
      心臟の酸素不足
      血管の表面をみる
      血管の中をのぞく


    第3章 肥満はなぜ健康に悪いか 087
    1 メタボリックシンドロームとは? 088
      危険な因子
      あなどれない腹部の脂肪
      日本の基準
      インシュリン抵抗性
      因果関係の証明は難しい
    2 肥満によっておこる病気 097
      糖尿病の二つのタイプ
      子どもの肥満と糖尿病
      糖尿病の大規模調査
      動脈硬化症
      肥満による心不全は女性に多い
      肥満は原因か結果か
      心電図でわかる心臓の負担
      急にふえた脂肪肝
      息がとまる話
      再生しない軟骨
      骨をおる
      長生きと肥満の関係
      意外な結果
      ヒップ周囲長の測定は意味なし


    第4章 健康的にやせるには? 117
    1 運動療法 118
      歩くスピード
      運動強度
      安全な運動の仕方
      体力の限界を知る
      趣味と運動の違い
      ジョギングの極意
      無難な水泳
      運動だけではやせない
      たるんだお腹
      運動処方箋
      注意すべきこと
      健康チェック
    2 食事療法 138
      食事の処方箋
      一日の摂取量の目安
      パンとご飯
      間食
      お酒の飲み方
      脂肪の多い食品とは?
      コレステロールをどう考えるか
      牛乳の功罪
      水で太る
      ダイエットの効果
      成功の秘訣
      リバウンド
      やせすぎ
      難しい治療
      食べずにはいられない
      やせるポイント
    3 医学にたよる 164
      ダイエット・ピル
      食欲をおとす薬
      かぜ薬でもやせるが……
      あのアスピリンも
      中国製やせ薬
      危ないハーブ
      甲状腺ホルモン
      成長ホルモン
      黄体ホルモン
      さまざまな発想
      ダイエット・サプリ
      これから期待される薬
      薬を使った方がよい場合
      日本で売られている食欲抑制剤
      手術でやせる
      民間療法あれこれ
      正しくやせるための総合作戦


    エピローグ ちょっぴりやせたい人へのアドバイス 191
      太る年頃
      力をぬかない
      エレベータやエスカレータに乗らない
      食事のスタイル
      偏食をしない
      緊張感
      無理にやせなくてもいい人
      肥満者の人権
      社会の取り組み  


    参考文献 [205]
    あとがき(岡田正彦) [207-208]

  • ビール腹は俗説だったのだぁ。

  • 読み終わりました。
    本当は最近翻訳されたほぼ同タイトルの別の本が読みたかったんですが、自腹で買うにはちょっと高いし、図書館にもないのでこっちを読んでみました。
    結局知りたいタイトルの答えについては、血糖値を上げるグリセミック指数(GI)の高い食品を避けるってくらいしか言ってない気がするけど。
    テレビか何かで既知でしたが、アルコール自体はカロリー源として体に残らないのでダイエットのために酒を止める必要はないようですよ。

  • 著者は、予防医学の立場から肥満について研究する科学者である。肥満に関する必要かつ興味深い情報を、淡々と飾り気なく、手際よく提供してくれている。ダイエット本はたくさんあるが、そんな中で信頼できる本の見本のような感じがする。特に、肥満についてはわからないことが多いということを、様々な研究結果を示しながら説いていく前半部分(第1章~第3章)がおもしろかった。今まで様々なダイエット情報に踊らされた人ほどおもしろく読めるのではないかと思う。

  • さすが岩波書店。他のダイエット本とは一線を画し、肥満を医学的見地からフラットに述べられている。太る仕組みで引かれたグリセミック指数は参考になるなー。メタボ(リックシンドローム)=おデブという印象は誤っており、糖尿病につながる代謝異常が本意であることに目から鱗。肥満から脱するための方法は、運動と食事という地道な方法が最善と判る説明。やせ薬・やせサプリの危うさにも言及していて良い。

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著者プロフィール

新潟大学名誉教授。医学博士。専門は予防医学、長寿科学。
1946年京都府に生まれる。新潟大学医学部卒業。1990年より同大学医学部教授。
米国学会誌IEEE Transactions on Biomedical Engineering共同編集長、学会誌『生体医工学』編集長などを務める。
1981年新潟日報文化賞、2001年臨床病理学研究振興基金「小酒井望賞」受賞。
著書『人はなぜ太るのか』(岩波新書)、『ほどほど養生訓』『放射能と健康被害 20のエビデンス』(日本評論社)、『がん健診の大罪』(新潮社)ほか多数。

「2018年 『血圧の薬はやめてもよいか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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