- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004310884
作品紹介・あらすじ
真珠湾攻撃の直後に竣工し「世界最大・最強」といわれた大和。だが、この巨艦はレイテ沖海戦などを経て沖縄へ向かう途中、わずか二時間余りの戦闘で撃沈された。約三〇〇〇人の乗組員の内、生還者は三〇〇人足らず。著者は生存する二三人からその凄惨きわまる体験を取材、大和の航跡と戦争の実相、生存者や遺族の願いを伝える。
感想・レビュー・書評
-
生還者証言は貴重。2007年の本だから成し得た。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者:栗原俊雄(1947-、東京都、ジャーナリスト)
-
初めて沖縄を旅行するので、お供に手にとった書。
行きの飛行機の中でほぼ読んでしまった。
沖縄に沈んだ戦艦大和を思いながら旅程を進むことにする。 -
『ぼくらの頭脳の鍛え方』
文庫&新書百冊(立花隆選)106
あの戦争 -
戦艦大和乗組員、生存者23名のインタビューからなる本です。戦争の非常さ、悲惨さを痛感しました。このような記録はとても貴重なことです。
-
「大和」入門書として良書。副題の通り生還者の証言から大和の一生を描いている。ただ、もっと詳しいことを知りたい人には物足りんかも。
特攻なのに二階級特進がないのは何故か、の記述(推測)あり。 -
静岡本館開架5F新書 081/I95SD/S1088
-
[ 内容 ]
真珠湾攻撃の直後に竣工し「世界最大・最強」といわれた大和。
だが、この巨艦はレイテ沖海戦などを経て沖縄へ向かう途中、わずか二時間余りの戦闘で撃沈された。
約三〇〇〇人の乗組員の内、生還者は三〇〇人足らず。
著者は生存する二三人からその凄惨きわまる体験を取材、大和の航跡と戦争の実相、生存者や遺族の願いを伝える。
[ 目次 ]
序章 誕生
第1章 初陣
第2章 海戦
第3章 出撃
第4章 沈没
第5章 生還
第6章 責任
第7章 遺族
第8章 戦後
第9章 真相
第10章 未来
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
超ド級の大和型戦艦1番艦である「大和」は、同型艦「武蔵」とともに、世界最大の戦艦として世に知られている。
本書はその「大和」を概説するルポである。
まず最初の3分の1ほどで「大和」建造の背景、ミッドウェーから沖縄特攻に至るまでの戦歴などが簡潔に紹介されている。
戦艦「大和」を語るという場合、そのほとんどは、天一号作戦と呼称される悲愴な沖縄特攻作戦と撃沈についである。
そしてご多分に漏れず、本書も存命している生還乗組員へのインタビューを通して、その模様を点描している。
ちなみに、他の戦史ドキュメンタリーと大きく違うのは、著者は戦艦「大和」を通して、反戦・反軍国主義の反省を行おうとしている点であろう。
その部分については読者の好みの点もあるだろうが、生還者の証言を率直にまとめているというよりはある種の誘導があるように感じる部分もあった。
個人的には、戦艦「大和」という巨大兵器を通して、日露戦争以来の大艦巨砲主義、「海軍の休日」と言われた戦間期の建艦構想などを描写し、アジア最大の海上兵力として君臨した帝国海軍の終幕を論じて欲しかったが、まだ若いジャーナリストにそれを求めるのは酷かもしれない。(もちろん本人もそんなことを書こうとは思わないだろうが)
戦艦「大和」については、既に古典となった吉田満の『戦艦大和ノ最期』、辺見じゅんの『男たちの大和』(註:断じてあの軽薄な映画ではない。原作の小説である)という素晴らしい戦記小説がある。
本書は、それら以上の感動を与えてくれるものではないが、入門書と思って読む分には結構だし、ほとんどいなくなってしまった生存者の声を聞き取ろうとする姿勢は立派なものだと思う。
最後に、本書の中で紹介されている生還者がひそかに書き写していた元海軍少佐の詩を引用しておきたい。
海よ、語ってくれ
若者が生命を捨て
守ろうとしたものが何であったかを
海よ叫んでくれ
今もなお海底深くから
己れの生命の価値を問い続け
眠っているいるもののあることを