介護保険は老いを守るか (岩波新書)

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レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004312314

作品紹介・あらすじ

二〇〇〇年四月に始まった介護保険制度は、「介護の社会化」「高齢者の自立支援」を進める画期的なものとして歓迎され、今日、約四〇〇万人が利用している。だが、この間、財源論を盾に改悪が続き、緊急の課題も山積み状態。社会保障審議会の委員として議論に加わってきた著者が、利用者の視点に立って徹底検証と具体的提言を行う。

感想・レビュー・書評

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  • 財源と現場。介護保険制度の歴史が大きく揺れ動いてきたのがよくわかった。誰のための制度か、利用者本位で、そしてそれに携わる方々の適正な報酬が支払われることを求む。
    自らの家庭環境から、両親を在宅介護してもらいたくてもできない状況にあり、制度はあっても人材がいないという現実を体感した。医療と介護の連携と、それを可能にする人材育成、先を見据えた財源投入を期待したい。

  • 【読書105】社会保障審議会介護給付費分科会の委員として議論に参加してきたNPO法人高齢社会をよくする女性の会副理事長の沖藤典子氏の著書。利用者の視点に立った徹底検証と具体的提言。

  • 財源議論が先行した結果、介護を必要とする人々の暮らしが切り捨てられている。

  • ●:引用 ★:感想

    ●介護職員の不足は、施設介護職員の夜勤回数を増やし、きつい労働に拍車をかけ、健康不安などを招いている。そのため、さらに離職が増え、悪循環だ。その結果、空きベッドが多くなり、利用者の不利を招く。特養ホームの待機者は(中略)こうした理由によって入所できない人も多いだろう。
    ●介護保険がスタートして10年、その半分以上の歳月は「適正化」の嵐に翻弄されてきた。関係者は元気を失い、利用者は制度への不信感を抱いた。10年前の、幕がパッとあいたような、あの明るさと希望が取り戻されるよう願ってやまない。
    ●介護保険は老いを守っているのかという検証が必要です。誰もが納得し、高齢者や家族、働く人たちの思いが反映されている制度、つまりは高齢者の尊厳を守るための制度改革に向けて、活発な議論こそが今こそ求められています。
    ★介護保険の利用者も、その従事者も納得出来ない保険制度とは何なのだろう。医療保険と同様に(それが無理なら現行よりもっと簡便に)利用出来るように制度は改善すべきではないか。また、これら現状を訴える本書は誰が読むべきものなのか。利用者も従事者も他人事では無いという意味ではこの現状に声をあげるべきなのだろうが、為政者こそまず本書をを読み何が必要なのか考えるべきではないか。

  • [ 内容 ]
    二〇〇〇年四月に始まった介護保険制度は、「介護の社会化」「高齢者の自立支援」を進める画期的なものとして歓迎され、今日、約四〇〇万人が利用している。
    だが、この間、財源論を盾に改悪が続き、緊急の課題も山積み状態。
    社会保障審議会の委員として議論に加わってきた著者が、利用者の視点に立って徹底検証と具体的提言を行う。

    [ 目次 ]
    第1章 介護保険はなぜ創設されたのか(介護保険サービスの夜明け;高齢社会の到来と新しい事態;介護の社会化;介護保険サービスの推移)
    第2章 介護保険サービスの「適正化」(同居家族と「生活援助」;生活援助利用制限の波紋;なぜ厳しい、外出支援;福祉用具貸与にも「適性化」の嵐;直撃された小規模事業所)
    第3章 解決されるか、介護現場の危機(介護で働く人たちの叫び;介護保険施設の新たな課題;ホームヘルパーは「社会の嫁」か;ケアマネジャーの悩みと責任)
    第4章 迷走した要介護認定(要介護認定とは何か;衝撃の二〇〇九年版テキスト;経過措置と基準緩和)
    第5章 老いを守る介護保険への道(第4期(二〇〇九~一一年度)の介護報酬改定 利用者にとっての介護報酬改定 介護保険一〇年で見えたもの 老いを守る介護保険への道)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 介護保険が開始されたことは、とにかくよかった。
    ただ政策は迷走し、関係者は翻弄された。
    今後、良くなるための試行錯誤なのであれば仕方がないとしても、やはり一刻も早く、現場に即した策が講じられることを願う。

  • 2000/4 介護保険開始
    サザエさん型家族は全体の2割
    2006/4 要支援14870単位 要支援210400単位 要介護116580単位
    要介護2 19480単位 要介護3 26750単位 要介護4 30600単位 要介護5 35830単位
    2005 介護保険制度改正 要支援1,2を対象とする予防給付と要介護1−5の介護給付
    同居家族がいると生活援助サービスはうけられなくなる
    半径500m以内であれば同居とみなす

  • スタートして10年経つ介護保険制度について問題提起されています。当初は「介護の社会化」「高齢者の自立支援」というスローガンを掲げ鳴り物入りで歓迎されていたが、『適正化』の名のもと改悪されています。
    介護保険制度以前を知らない自分にとってはとてもありがたい1冊。介護認定や在宅介護などの事例では身につまされるものがありました。介護保険を利用していながら栄養失調で倒れる方いるとは…。
    衝撃的な事例に気を取られ、制度の変わり目などは一度読んだだけでは理解しきれなかったので、また読み返したいです。

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著者プロフィール

ノンフィクション作家。1938年北海道室蘭市生まれ。北海道大学文学部卒業。1979年『女が職場を去る日』で本格的作家活動に入る。同書はドラマ化もされ話題となる。平成19年度「内閣府・男女共同参画社会づくり功労者表彰」を受賞。平成23年度『介護保険は老いを守るか』(岩波書店)で、第八回生協総研賞特別賞受賞。最新刊は『老いてわかった! 人生の恵み』(海竜社)。

「2018年 『北のあけぼの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

沖藤典子の作品

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