生き方の不平等――お互いさまの社会に向けて (岩波新書) (岩波新書 新赤版 1245)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004312451

感想・レビュー・書評

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  • ざっと流れと終章のポイントを整理しておく。

    一章は子どもたちの不平等、二章は若者のあいだでの不平等、三章は女性と男性それぞれの働き方、四章は高齢者たちのあいだの不平等、5章は「お互いさま」という理念が示されている。

    終章の提言のみここに記しておくと、
    「お互いさまの社会制度として、再分配政策をいま一度見直し、社会制度の中心的な制度として整備すること。」
    「若年層、壮年の現役層を中心に、子育て支援、就労支援などを通して社会が生活保障機能を提供することのメリットを実感してもらうこと。」
    「第三の論点は、就労を通した参加型社会の形成である。」
    興味深かったのは丸山真男の「他者感覚」という言葉で、「自らが他者にはなりえず、他者でない自分が他者の立場を理解することの限界を認識することをも意味する他者感覚」と定義される。

  • 生き方の不平等。人生のうちでどれだけ主体的な選択決定をすることができるか、世代別の貧困に関する考察といったテーマだった。

    収集された数値データの傾向から言えること、またさらに深くデータの裏側まで読み通そうとする姿勢、方法は参考になる。

  • 格差を考えるうえで、今まであまり考えてなかった子どもの立場から見た視点が面白い

  • 社会学者の筆者が、多くのデータを示しながら、子ども、若者、男女、高齢者という中での実際の実情を報告している。最後に提言の章がある。

    最後がお互い様であるという無難というか当たり前の結論であって、そこが物足りない。所謂データ分析はできるが、それをまとめる思想が少し欠けているような感じかな?

  • [ 内容 ]
    いまの日本社会で実際に選択できる「生き方」には、収入やジェンダー、年齢によって著しい不平等があるのではないか。
    子ども、若者、勤労者、高齢者というライフステージごとに、その実態と原因について、数々のデータをもとに考察。
    生き方の不平等をなくしていく道を「お互いさまの社会」の創出に見出してゆく。

    [ 目次 ]
    序章 不平等を語る
    第1章 ゆりかごが決める人の一生―子どもたちの不平等
    第2章 たまたまの勝ち組、たまたまの負け組―若者たちの格差
    第3章 稼ぐ人・世話をする人の分かれ道―女の働き方・男の働き方
    第4章 蓄積された不条理―高齢者たちの格差
    終章 お互いさまの社会に向けて

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    [ 参考となる書評 ]

  • 子供の貧困の件、もっと世に広まったらいいのに。

  • フローからストックへの課税シフトなどの提言が頭に残った。

  • ライフステージや性別などの属性が、貧困やそのリスクとどう関わっているのか、わかりやすくまとまっており、現在の日本を理解するためには、一助になる本。

  • 誰もが読めるように書いたせいか,思いついたことを書き連ねているといった感じ.若年層に関しては,教育に関して述べるべきであったと思うが,触れられていない.

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著者プロフィール

東京大学大学院人文社会系研究科教授

「2021年 『少子高齢社会の階層構造3 人生後期の階層構造』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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