- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004312802
作品紹介・あらすじ
グーテンベルク革命から五世紀。電子の端末が膨大なコンテンツから美しい「ページ」を開くこの時代、あなたにとって「本」とはいったい何か。それはいかに変貌するのか。書店・古書店・図書館・取次・装丁・編集、そして練達の書き手・読み手の位置から、鋭いアンテナの持ち主たちが応える-本の過去と未来を俯瞰する三七のエッセイ。
感想・レビュー・書評
-
『あなたにとって「本」とは一体何か、それはいかに変貌するのか。
本の過去と未来を俯瞰する37人のエッセイ。』
「本」と「これから」というワードが登場する本を何冊か読んできたが、様々な分野に渡る37人の視点はなかなか興味深かった。
ひと口に「本」と言っても一人ずつ違うものであり、エッセイの切り口も当然違う。
それを楽しむ本であるとも言える。
文章を寄せている方たちはみな「本」の世代に属するひとたちだ。
傾向としては「それでも本は残るだろう」というものが殆ど。
あれこれ逡巡しながらも「残ってほしい」と熱望する方、あるいはきっぱりと断定して「残すべきだ」という方も。そしてまた、「残すよう努力しよう」という声もある。
誰もが皆、本を愛してるのがひしひしと伝わってくる。
奥付けを見たら2010年とある。
思えばこの頃からこの種の本は出始めたのだろうか。
どんな年だったのかと調べてみると「電子書籍年」とあった。
ああそう言えば・・と、「iPad」の発売で浮かれていた表参道界隈の光景を思い出した。
そうか、もう10年も経ったのか。
それでこの本でも、電子書籍と紙の書物との比較が散見されるわけだ。
2010年以降に生まれ、電子書籍のみで育った子たちは果たしてどんな「本」の想い出を持つのだろう。
必要な情報を瞬時にして引き出すことに長けてはいるが、変化と劣化が早いのがデジタル情報だ。長期間の保管に耐えるのは木簡や竹筒に墨で書かれた文字。
それを千年経っても読むことが出来る。これはすごいことだ。
上野千鶴子さんはそれでこう言われる。
「デジタル情報もアナログ情報もとうぶん併存し続けるだろう。
書物はなくならない。今度は『伝統工芸品』として」
長田弘さんの「本を読む。ゆっくり読む。」
出久根達郎さんの「追放本てんまつ」
萩野正昭さん「出版という井戸を掘る」が、読み物として印象に残った。
中野三敏さんの「和本リテラシーの回復のために」は、何度も頷きながら読んだ。
余談になるが、この本で最初に登場するのは「吉野朔美」さんだ。
16年の春に訃報を聞いた時、コミックを回し読みしていた頃の友人にメールした。
顔合わせして思い出に浸ることこそ出来なかったが「吉野朔美さんをおくる日」と称して、ひと晩中その作品を読みふけって過ごしたのを思い出す。
これもまた、紙の本における忘れがたい出来事だ。 -
珍しく文学的な書名である。電子ブックの登場で「本は、これから……どうなるのか?」いろんなタイプの書き手、読み手、書店、古書店、図書館、取り次ぎ、装丁、編集の位置からの短文を37そろえている。
以下、私が線を引いたところ(抄)である。
池澤夏樹
われわれは本を読みすぎるのだ。その大半は読み捨て、読み流し。かつて新井白石のような優れた知識人が生涯に読んだ本の何十倍もの量をわれわれはただ消費している。
紙という重さのある素材を失ったために文筆の営みはすっかり軽くなり、量産が可能になった分だけ製品はぺらぺらのものばかりになった。そもそも人類の智の総量が変わるはずないのだからインターネットによって生産を加速すれば中身は薄まる理屈だ。
→まさにその通り。私はおそらく、江戸の知識人よりも多く本を読んでいると思うが、その中味は到底彼らに追いつかない。それどころか、こんな文章を書いて、「中味を薄める」お手伝いをしているというわけだ。
しかし、世代は変わるのだ。新しいがジェットは若年層を突破口に社会に浸透する。今の子供たちはもう固定式の電話をほとんど使わない。韓国とシンガポールではあと二年もすれば教科書が電子端末に変わるという。
実を言えば、今の段階で電子ブックなどよりずっと恩恵をこうむっているのはこのインターネットによる古書のシステムだ。かつては欲しい本を探して神田の古書店の棚を尋ね歩いたものだが、今はたいていの本は即座に手に入る。古書というものの概念が変わってしまった。それはまた、手元の本を惜しげもなく放出できるということだ。必要ならばまた買えばいい。日本中の本全体が一種の共有財産と化してきた。
池内了
記録媒体としての電子書籍(やたら記憶が得意なシリコン頭にうってつけである)、自分のあたまを鍛えるための紙の本(考え想像するカーボン頭に最も相応しい)という棲み分けができそうである。
岩楯幸雄(幸福書房社長)
でも、五年後にはどうなっているのでしょう。新宿・渋谷に超大型店が出店し、大型店通しの潰しあいが始まっています。それぞれが一人勝ちを狙っているのでしょうが、それは無理でしょう。電子書籍の影響を近い将来全部の店が公平に受けるのだとすれば、ダメージは大型店が一番大きいはずです。多くの借金や高い家賃を負担しているはずだからです。アメリカでは大型店の廃業が始まっているそうです。そう、5年後はどうなっているのか分からないのです。老人大国の日本で若い人が営む小さな本屋が、もしかしたら一番必要とされる時代がやってくるかもしれません。健闘を祈ります。
→私はおそらく、三年後には電子書籍を手にしていると思います。新し物好きですから。けれども、一方では老人が陽だまりの中、、20年積んだままにしている中江兆民全集や植木枝盛全集、マルエン全集などを読むことや、何度も読んだあの本やこの本を読むことを夢見ているというわけです。本屋の未来、この社長の言うとおり、これからは個性的な本屋さんの時代かもしれません。私ならば、こんな本を並べるのだけどなあ、というのはあるのだけど、誰か雇ってくれないかしら。-
なおなおさん、おはようございます。
コメントありがとうございます。
私も、脱線ついでに!
おお、県立図書館の福袋!
2021年の正月、4日...なおなおさん、おはようございます。
コメントありがとうございます。
私も、脱線ついでに!
おお、県立図書館の福袋!
2021年の正月、4日が仕事の初めでなかったので貰いに行きました。ちょっと遅れて30分後に行ったら、もう数えるぐらいしか残っていなくて、それを借りました。袋の方は自分のモノになるので、現在毎日ありがたく使わせてもらっています。
その感想は、2021年1月14.15日に「コミュ力ゼロからの新社会人入門」「仕事が速くてミスがない人は机に何も置かない」でアップしています。なんと、全国版のテレビで紹介されたんですね。あの日は私もテレビクルーにインタビューされたんだけど、使ってくれなかった模様。2022/07/18 -
kuma0504さん、こんにちは。
kuma0504さんも福袋イベントに参加していたとはっ!利用者さんの生の声を聞いた気分です(過去のレビ...kuma0504さん、こんにちは。
kuma0504さんも福袋イベントに参加していたとはっ!利用者さんの生の声を聞いた気分です(過去のレビューを確認しました)。
プレゼントとして袋はいただけるのですね。いいな〜。
岡山県立図書館は、NHK「有吉のお金発見」という番組で知ったのでした(放映は今年の春)。
図書館のレファレンスサービス、書庫、福袋イベントの紹介や、雑誌スポンサー制度を設けているという話だったと記憶しております。
行ってみたいなと思う図書館になりました(岡山県自体行ったことないです(T_T))2022/07/18 -
2022/07/18
-
-
今から9年前、2010年の新書です。ちょうどiPadが発売されたり、kindleの新モデルが出たりして、どうも「電子書籍元年」と言われた年のようです。で、いよいよ今年に入って「紙の本、ピークの半分に」というニュースが報道されています。まさに、この本で予想されていることは予想されているように起こっているんですね。ただ、電子出版物の市場全体に占める割合は20%ぐらいなので、次にニュースになるのは、きっと電子の売り上げが紙の売り上げを超えた時なのでしょう。本書にも登場する代々木上原の幸福書房もちょうど一年前閉店したりして、本を取り巻く環境は加速度的に厳しくなっているようです。だからこそ?なのか、本についての本、本屋についての本、読書についての本は、めちゃくちゃ目につくようになっている気がします。そう本の世界の中での絆はどんどん太くなってきているように思え、「本を愛する人」と「本は関係ない人」の二極化を感じさせます。今までは読書中間層的な人々が話題の書籍や雑誌を書くことで成立していたシステムがこわれちゃったのではないでしょうか?この二極化は本に限らず、ファッションや車など生活全般で起こっていることと同じで、だとすると「本を愛する人」が払うコストはもっともっと上がっていきそうな気がします。9年前に、そんな「本を愛する人」たちの多様な、でも似たような短文をまとめた本です。なにしろ「本の、これから」ではなく「本は、これから」というテーマからして、「まだまだ頑張るぞ!」的なエールになっちゃっているのは、岩波書店だから?
-
電子書籍の登場によって
これから本はどう変わっていくのか。
老舗の岩波書店が各界の著名人に問いかけた。
まぁ、賛否両論。
まだ普及が始まったばかりですしね。
物珍しさに手を出した人がどれだけ定着するか。
識者の意見もいろいろで
真っ向から反対する人、賛成の人、
どちらも上手に使えばいいんじゃない?という人も。
5年後にこの本を読み直したとき
どうなっているでしょうね。
↑と、10年前に感想を残していました(笑)
電子書籍は確実に普及したけど
本がなくなるかといえば、意外とそうでもない。
実用書は電子のほうが
必要な部分のチェックや検索が気軽にできそう。
でもまだ自分は、小説は紙で読みたいな。
読む場所や時間の確保の問題などもあって
両者の棲み分けができてきたような気もします。 -
2010年、電子書籍元年だったのか。
今のところ、紙が主流。
デバイスを持ってないからノートパソコンで読もうと思うと疲れる。 -
どうして誰も読書の「恥ずかしさ」に触れなかったのだろう?年取った書き手はどこかしら選民気取って鼻につくし、出版業界周辺の素人さんは自慢話をさりげなさを装って出してくるし、当の業界は開き直ったり、デジタルにおもねってみたり。重ねて言いたい。読書がある種自慰的行為であって、あまり人様の前で偉そうに語ることではない、ということを少しでも言ってくれる筆者がいればよかったのに。
-
電子書籍対紙の本。議論はつきません。
-
様々な分野で活躍してる方々が、これからの本や電子書籍について語っています。ここに書いてあることをしっかり参考にしつつこれからの本や電子書籍について、自分で見定めていかなくてはいけないと思います。
-
電子書籍の登場によって、本はこれからどうなっていくのか。池澤夏樹氏によって編纂された37のエッセイ。作家、装丁家、写真家、大学教授、企業の取締役など、様々な分野で活躍する人たちの本に対する考え方を知ることができる。電子書籍は今後確実にシェアを伸ばす。でも、紙の本はきっと無くならない。両者の棲み分けが大事。自分はまだ電子書籍は未体験、ゆくゆくは、実用書・自己啓発本・軽い小説は電子で、古典や本当に好きな本は紙で、という棲み分けができたら良いなと思った。
-
「本は、これから」
をテーマにした37人のエッセイ。
「これから」の部分には、当然、電子書籍と紙の本の関係性についても含まれるし、それが大きなウェイトを占める。
電子書籍の話については(当たり前ながら)それぞれ温度差がある。
自分も以前、電子書籍を読んでみたが、その時、初めて気がついたのは
「全体のどの辺りを読んでいるか、感覚的に分からないと読みにくい」
という事。
デジタル時計よりアナログ時計の方が感覚的に時間を掴みやすい、というのと同じような感じ。
電子書籍に積極的な人も消極的な人もこのような点については何も言わないので、自分だけの考えかと思っていたが、本書の中で、内田樹が全く同じ事を言っていた。
また、池澤夏樹の「(紙の)本の最後の拠り所は”重さ”かもしれない」という言葉(帯にも書いてある)に思わずうなずいてしまった。
当初、自分は電子書籍には消極的だったのだが、本書にエッセイを書いた多くの人が
「紙だろうが、電子書籍の形だろうが、本を読む、という行為が変わる事はない」
と言っていることにハッとした。
本書の中で使われていたが
「不易流行」
という言葉が印象に残る。
松尾芭蕉の言葉で
「いつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも、
新しく変化を重ねているものをも取り入れていくこと。
また、新味を求めて変化を重ねていく流行性こそが不易の本質であること」
という意味。
自分に合った媒体を使えばいいだけのこと。
ただ、一方がべらぼうに高くなったり、無くなったりすることさえなければいいのだ。
本書は「電子書籍と紙の本の将来について」という点だけでなく、「あなたにとって本はどういったものか」ということをそれぞれ述べている、という面もある。
本は、ある人にとっては、情報収集の道具であるかもしれないが、別の人にとつては、思索の世界へ誘ってくれる案内役であるかもしれない。
要するに、本は紙に文字などを印刷したもの、というだけのものではない。
電子書籍に、その「重み」が持てるだろうか。
だが、電子書籍でなければできない事も多いだろう。
電子書籍が本のマネをしようとしている点に留まれば、おそらく紙の本の方が有利。
ただし、電子書籍が本とは違う「何か」を志向しはじめた時に初めて真価が発揮されると思う。
本と電子書籍は対立するものではなく、ある面では、お互いに補完するものであろうし、別の面では対立しようがないほど全く違うものになっていくような気がする。
ところで自分は、電子書籍は、おそらくしばらくは読まないだろう。
ちなみに前に買った電子書籍も、未だに最後まで読めていない。
どうもマニアックな本にばかり買う傾向があるようで、欲しくても電子書籍の方がない事が多いのだ。
それ以前に本を買うのは古本が中心なので、当面、電子書籍の出番はなさそうだ。 -
2010/11発行
『電子書籍と本』について考える為に読んだ。
読み始めて最初は、いろんな立場の人が電子書籍に対して深い見識から述べる良本かと思ったけど
結局あとがきにもあるように、本がどうしようもなく好きな人たちが意見している。
一つ一つの意見にはっとさせられる部分はある物の、総じて元来の議論の枠から新鮮な意見と感じる部分はなかったような。
池澤夏樹ファンの人には、彼独自の空気感はみっちり感じるので良いかも。-
「本がどうしようもなく好きな人たちが」居なくなったら、街から本屋は無くなってしまうのかなぁ?
ひょっとしたら、貧乏人は電子本に向かい、お金持...「本がどうしようもなく好きな人たちが」居なくなったら、街から本屋は無くなってしまうのかなぁ?
ひょっとしたら、貧乏人は電子本に向かい、お金持ちは1冊から本にするオンデマンドのお世話になって、昔の貴族のように豪華な装丁を施したりして。。。2012/03/01
-
-
約40人の学問や企業などで名を馳せている有名人の方々の、本にまつわるこれからの日本、または世界について書かれた作品がまとめられた豪華すぎる本です!
-
「豪華すぎる本です! 」
ホント、本屋で手に取ったら吉野朔実の名前があったので、即購入、、、奥付をみたら2010年11月。と言うコトは、もう...「豪華すぎる本です! 」
ホント、本屋で手に取ったら吉野朔実の名前があったので、即購入、、、奥付をみたら2010年11月。と言うコトは、もう1年半も職場のデスクに置いたまま。いつでも読めると思うとダメだなぁ~
早く読まなきゃ!2012/07/07
-
-
題名の意図は、「本はまだまだこれからだぜ!!」ではなく、「本はこれから、どうなっちゃうの・・・?」である。2010年は電子書籍元年と言われているらしい。けれども、今や読書の習慣をもつ人は希少なので、こういう問題意識をもつ人はあまりいないように思われる。大部分の人にとっては、本がどうなろうと、そんなことはどうでもいいのかもしれない。
書物が電子化されることに危機感を抱いているのは出版社や書店の経営者くらいのもので、私のような一ユーザーとしては、むしろ歓迎すべきことだと思っている。というのも、読書人口の減少に伴って、出版社は本を濫造しているからだ。紙だって貴重な資源である。一方で、ネット上にはジャンクな情報が氾濫している。書籍化するに足だけのコンテンツのみが書籍化されれば充分なのだ。また、町の本屋さんが消えていくことを嘆く人がいるけれども、そんなものは要らない。各地域の中核都市に、あらゆるジャンルの本を備えた超大型店が一つあれば済む話だ。
実際のところ、電子化されるべき領域では、すでに電子化されている。学術的な論文は、もはやほとんど冊子の形で出版されることはない。百科事典の類も不要だろう。新聞も、そのコストを考えれば、紙に印刷して配布するメリットはないと思う。つまるところ、自分の知りたい情報だけを得るのには、インターネットのほうが圧倒的に向いているのである。
けれども、紙の本を読むという作業は、それとは根本的に異なっている。読書の醍醐味は、読んでみないと、自分がどこに連れて行かれるかが分からないことである。読書は、身体性を伴う行為なのだ。紙の書物は、全体の位置を俯瞰的に知ることができ、読了したときには達成感が伴うのに対して、電子書籍なるものは、茫漠と広がる情報の海の中の1ピースに過ぎない。電子図書は、「読み終えた私」への小刻みな接近感を読者にもたらすことができない──この内田樹の指摘は、言い得て妙である。だから私は、決して電子書籍は読まないし、それが本の主流な形態になることもないだろうと思う。
中野三敏の文章が面白かった。書物は、これまでに二度の革命を経験している。一度目は写本から版本へ、二度目は版本から活版への移行である。驚くべきことに、明治以前の写本・木版本のうち、活字化されているのは1%ほどに過ぎないという。また、そのような書物は、楷書体の漢文著作以外はすべて、変体仮名と草書体漢字という「くずし字」で書かれている。現在、くずし字を読むことのできる「和本リテラシー」をもつ人は、日本に3千人ほどしかいない。これらの書物をすべてスキャンして電子化するプロジェクトが進行しているのかどうかは知らないが、活字化されていない書物に対しては、電子化は福音なのだ。 -
豪華ラインナップ37人の本に関するエッセイ。サブタイトルをつけるなら「電子書籍はリアルの本を殺すか?」でしょう。
2010年本書が出たころといえば、キンドルと ipad の登場により 本に関する業界が大騒ぎしだした時。さすがに、多くの人が「本」はもうだめなのか?と思いはじめ、では、本を偏愛する?知識人に語ってもらいましょう。と出された本です。
正直なところ電子書籍はつかえるようになって、まだ出始めの過渡期といえる。この段階で語られる内容は、ある程度予想がつく。
デジタルなのかリアルなのか。
リアルの本に親しんできたものとしては、ノスタルジーにも似た感傷に陥る。ほんの手触りや匂い、本を買いにいったときの気持ちや、そのとき見た風景など。これらがダウンロード購入などのデジタルでは味わえないという。
これは一面事実なのだが、本を情報を伝えるものと捉えるならば、本との接触の仕方が変わってきた、変わる、ということでしかないのでことさら問題ではない。
電子書籍はリアルの本を殺さない。むしろ多様な表現法が駆使されることで補強するものでさえありそうだ。
本に関係する37人がどのようなスタンスをとっているか比較してみると面白い。 -
「本は、これからどうなるのか」というテーマで、編者の池澤夏樹他36名の著名人の文章。
いつの間にかほとんど見なくなったレコード盤にカセットテープ、ビデオテープ。これからはCDやDVDも消えて行くのかもしれない。紙の本も電子書籍へと移行するのだろうか? 50年、100年後を見届けられないのが残念。
私は紙の本が好きだけど、iPadでも読んでみたい(地図や写真がすぐに見られる旅行記とか)。 -
三十七人の描く「本」の将来像。私の場合は、活字の本にいつまでもしがみついているような気がする。
吉野朔実さん
亡くなられていたのですね…
知りませんでした
昔たくさんの作品を読んでいたのでついコメントしてしまいました
ジュリ...
吉野朔実さん
亡くなられていたのですね…
知りませんでした
昔たくさんの作品を読んでいたのでついコメントしてしまいました
ジュリエットの卵とか大好きでした!
コメントありがとうございます。
そうなのです。16年の4月だったかな、亡くなられました。
まだまだたく...
コメントありがとうございます。
そうなのです。16年の4月だったかな、亡くなられました。
まだまだたくさんの作品を読みたかっただけに、とても残念です。
私は「月下の一群」「少年は荒野をめざす」「ジュリエットの卵」を持っています。
ジュリエット・・は、ラストが衝撃でしたよね。どれも素敵な作品たちでした。