ジプシーを訪ねて (岩波新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004312918

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  • ジプシー紀元の音楽を愛する者の一人として選んだジプシー入門1冊目。インド・アーリア語族紀元説は言語によるだけでなく、今はゲノム解読でも確かめられているらしい。
    彼らが西進し、アラブ圏(ナッワールのベリーダンス)、バルカン、中欧、スペイン(フラメンコ)、イギリスや北欧などを漂流。文字を残さない彼らのことを、文字を持つものが記録し、ある者は音楽を生み出す。かつて彼らが辿りつかなかった東の涯の国にも彼らの子孫は音楽家として訪れる。

  • 新書ながら、熱い! ジプシー(ロマ)の勉強の一冊目として本棚に置いておきたい入門書。

  • 「ベリーダンス」でなぜ「ジプシー」の踊りが踊られるか知りたくて読んだ本。研究史、概論がわかってよかった。

  • イタリアで出会った物腰柔らかな在伊日本人が、ジプシーという単語にすごく眉をひそめたのが、なんとなく心に引っかかっていた…ところ、書店で目に入ったので衝動買い。

    冒頭は、マルケスの百年の孤独でのジプシーの存在感や、最大の支援NGOはジョージソロスが作ったことなどに触れ、欧州でいかにジプシーが拡散しているかを紹介する。それは非常に面白そう、と思ったところで本編が始まるが、あとはひたすら各地のジプシーの取材記録。タイトルからわかっていたものの、とにかく現地の生活風景が続くので、歴史好きとしては少し退屈に。でも、該当するジプシーの音楽を聞きながら読むと、なかなか楽しい。

    読み終わってみて感じたのは、欧州社会が移民に慣れているということは、つまり差別し排除することにも慣れている、ということ。多分当たり前のことなんだろうけど、自分には無い感覚で、気づいていなかった。そういう気づいていない常識や感覚って、たくさんあるんだろうなー、と思うと何とももどかしい。

  • ジプシーって何だろう、と思い手に取りましたがまだよくわかってないということがわかりました。

  • フィールドワークってこうやってやるのかなーて思った。
    ジプシーっていうとノートルダムの鐘のイメージだったけど、これを読んで変わった。

  • ジャンゴ・ラインハルトを聴いてみよう。

著者プロフィール

せきぐち・よしと Yoshito Sekiguchi
1950年、東京生まれ。3歳より両親とともにプロテスタント教会に通う。19~23歳までアメリカで音楽留学をしつつ、アメリカのキリスト教徒の実態を体験。1979~97年までヨーロッパ(東欧)でキリスト教正教会、カトリック、ユダヤ教などを体験。99年以降、バルカン、中東、アフリカ、アジアへの取材の中、イスラーム、ヒンドゥ、その他アニミズムや民族宗教を体験。日本の宗教事情の特異性を痛感したことが今回の著作につながる。
著書等に、
『ロマ・素描  ジプシー・ミュージックの現場から』(関口義人 著、東京書籍、2003年)、『バルカン音楽ガイド』(関口義人 著、青弓社、2003年)、『ブラスの快楽  世界の管楽器CDガイド600』(関口義人 著、音楽之友社、2005年)、『ジプシー・ミュージックの真実 ロマ・フィールド・レポート』(関口義人 著、青土社、2005年)、『アラブ・ミュージック  その深遠なる魅力に迫る』(関口義人 編、東京堂出版、2008年)、『オリエンタル・ジプシー』(関口義人 著、青土社、2008年)、『ジプシーを訪ねて  岩波新書』(関口義人 著、岩波書店、2011年)、『ベリーダンスの官能  ダンサー33人の軌跡と証言』(関口義人 著、青土社、2012年)、『図説 ジプシー  ふくろうの本』(関口義人 著、河出書房新社、2012年)、『ヒップホップ!  黒い断層と21世紀』(関口義人 著、青弓社、2013年)、『ベリーダンス  伝統と革新のあいだで』(関口義人 著、彩流社、2015年)、『ユダヤ・リテラシーの視界  アブラハムはディズニーランドの夢を見たか』(関口義人 著、現代書館、2015年)、『トルコ音楽の700年 オスマン帝国からイスタンブールの21世紀へ』(関口義人 著、DU BOOKS、2016年)、『越境する音楽家たちの対話  ワールドミュージックとは何だったのか?』(関口義人 著、彩流社、2019年)等がある。

「2022年 『イスラーム化する世界と孤立する日本の宗教』 で使われていた紹介文から引用しています。」

関口義人の作品

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