脱原子力社会へ――電力をグリーン化する (岩波新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004313281

感想・レビュー・書評

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  • 最低日本では,原子力発電はできるだけ早く廃止すべきだと思う。
    国民の大部分も,そう思っているのではないだろうか。
    それにも関わらず,日本の政府は,原子力発電を輸出し,国内でも運転を続けようとするのか。
    それは,原発を続けたい人々が権力,資金力を持っており,頭を使って積極的に活動しているからだと思う。
    一方,反原発の人々は,マスコミでも目立っているか,具体的で長期的な戦略,政策が足りないと思う。

    この本は,脱原子力社会への具体的な政策,作業,活動の案が良くまとめられている。
    特に,著者の専門の「環境社会学」の視点から,国際的な取り組み,日本の地方の活動の歴史がまとめられている。

  • pp.7 止める、冷やす、閉じ込めるの破綻→東電福島第1原発。そもそも地震大国と原子力大国とはそもそも両立しがたい。
    ・原子力発電の問題のような、外部反対者との間の軽装課題かつ政治的重大な争点の場合→組織外からの社会的圧力が無い限り政策転換は実現しない。

    ・原発を巡る構図
    →過疎地域にエネルギー負担を押しつける
    →電源地には電源三法による交付金が支給される。
    ・再処理施設・・・直接処理を優先した方がコスト安

    ・日本の原子力発電=将来的に核兵器開発の技術的可能性を将来にわたり担保したいという思惑。(pp.73)
    ・原発事故→将来にわたる経済コストを考える。

    ・再生可能エネルギー=電力系統が唯一のネック(電圧の維持など)
    ・「地域の一体性や内発的アイデア、新進の気性、地元出身者と地域外からの新住者、支援者との有機的な組み合わせに、再生可能エネルギーによる地域づくりの成功例に共通した秘訣がある」(pp.156)

著者プロフィール

1954年、山形県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。社会学博士。東北大学大学院文学研究科教授などを経て、現在は尚絅学院大学大学院特任教授、東北大学名誉教授。専門は環境社会学、社会運動論、社会変動論。おもな著書に、『脱原子力社会の選択』(新曜社、1996年、増補版2011年)、『脱原子力社会へ』(岩波新書、2011年)、『新版 社会学』(共著、有斐閣、2019年)『社会運動の現在』(編著、有斐閣、2020年)などがある。

「2021年 『環境社会学入門 持続可能な未来をつくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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