超デジタル世界 DX,メタバースのゆくえ (岩波新書 新赤版 1956)

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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004319566

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  • 2024/03/02 西垣通 「超デジタル世界」
    デジタル基本書として類書にない傑作。「技術論+哲学」の構成。
    デジタル技術の本は数多あるが、人類古来の社会哲学を踏まえた「デジタル文明論」は初めて。そもそも情報系の学者さんで、著者ほど古今東西の哲学に造詣の深い方は少なくとも日本には居ないと思う。
    戦前の旧制高校にあった「教養主義・知性主義」は、戦後米国風のプラグマティズム=SKILL重視の拝金主義に駆逐された感じ。
    著者は言う、デジタル革命のインパクトの大きさを踏まえると、社会の在り方まで踏み込んだ「本質論の議論」がなければ、日本はデジタル社会への変革は成し遂げられない。多分、枝葉末節の個別システム・サービスで一喜一憂exマイナンバー保険証。
    Ⅰ.DXの本質「オープン」
    日本は立ち後れ「デジタル敗戦」 
    ①オープンソース②オープンデータ③クラウドサービス→コスト削減もあるが
     「ヒエラルキーの破壊」を日本は受け入れられない
    Ⅱ.第三次AIブーム
    「統計statistic」統計誤差を許容 深層学習 ベイズ推定
    レイ・カーツワイル 2045年「シンギュラリティ」
     AIの知能>人間の知能
    ハラリ「ホモ・デウス」黙示録 
    人間至上主義→データ至上主義=アルゴリズム
    Ⅲ.AI倫理 EU 2018年GDPR 2021年AI規制案
    ①政府管理(中国)
    ②民間大手(メタ)
    ③限定的(透明性)
    ④最小限(工場)

  • デジタル化,あるいはその基礎となる情報学を日本のインフラとして根付かせることは,情報そのものの定義から確立する必要があり,意思決定者は情報学のみならず哲学にまで精通すべきであることがよくわかる.シャノンのみならずハイデガーまで網羅して全容を俯瞰しなければ,SNSに代表される情報社会の分断の本質は理解できず,また,日本における情報化社会の有り様の青写真はとても描けない.逆にいえば,情報学の社会への浸透性は,他の学問より高い状況が既に醸成されたということでもあり,余程気を付けないと気が付いたら朱に交わり,赤くなっていそう.

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著者プロフィール

東京経済大学コミュニケーション学部教授/東京大学名誉教授

「2018年 『基礎情報学のフロンティア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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