理系アナ桝太一の 生物部な毎日 (岩波ジュニア新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005007806

感想・レビュー・書評

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  • 生物部でやることはまず筋トレ?!に驚き、その理由に納得。海にいるイメージが強かった桝さんが、最初は虫が好きだったというのが意外だった。

  • 〇岩波ジュニア新書で「学校生活」を読む②

    桝太一『理系アナ桝太一の生物部な毎日』(岩波ジュニア新書、2014)

    ・分 野:「学校生活」×「部活」(文化部)
    ・目 次:
     プロローグ 思い出の島へ
     Ⅰ 生き物との出会い
     Ⅱ チョウ男の日々
     Ⅲ 有栖川班の挑戦、そして理系へ
     Ⅳ アナゴ大学生
     Ⅴ アサリ漬けの修士課程
     Ⅵ 「理系アナ」の試行錯誤と現在地
     エピローグ ふたたび、西表島から

    ・総 評
     本書は、著者である桝太一さんが、自分の中学生から大学院生時代を振り返りながら、その「生き物」に対する熱い思いを語った本です。著者は、日本テレビアナウンサーで、いわゆる「理系アナ」として数々の番組に出演していました。
     著者の熱い語りを聞いて(読んで)いると、生物部に限らず、文化部で活動することの面白さが伝わってきます。この本を読んで面白いなと思った点を、以下の3点でまとめます。
     
    【POINT①】同じ気持ちを持つ仲間たちと「共有」する時間
     著者が中学・高校時代に夢中になっていたのが「チョウ」です。ただ、こうした虫を「気持ち悪い」と思う人もいるでしょう。著者も、そうした言葉を過去に言われたかもしれません。ですが、本書で書かれているのは、同じチョウ好きな部員たちとの楽しい思い出です。言うならば、文化部は共通の趣味を持った人たちの集まりです。そこで「めずらしいもの、新しいものを発見したいという探究心」を持って「その腕を〔部員たちと〕競い合いたくなる」時間こそ、文化部の醍醐味だと言えます。他人の目を気にせず、共通の趣味をもった仲間たちと一緒に、好きなことに熱中する――そうした時間を大切にしてほしいと思います。

    【POINT②】みんなで「作り上げる」喜び
     著者は、生物部に「有栖川班」というグループを作り、学校近くの有栖川公園の植物について調べ、それをジオラマ形式にして文化祭で発表しました。その制作過程は、まさに「山あり谷あり」という感じでコミカルに書かれていますが、その時の様子について「自分たちで考え工夫して進めて、曲がりなりにも結論にまで達することができた」瞬間は「何にも代えられないくらい達成感に満ちたもの」だと述べています。文化部での活動では、自分の好きなものを題材に、何かを「作り上げる」経験をして欲しいと思います。たとえ、精度が低くても、何かを成し遂げた経験は君たちにとって大事な“財産”になるはずです。

    【POINT③】好きなものを極めると「生き方」が変わってくる
     著者は、多くの生き物を観察していく中で「あるがままを受け入れる強さ」を知ったと述べています。即ち、自然の中で「自分の置かれた状況を受け入れて、さりとてあきらめず、自分のできることだけをまっすぐやり続けること」の大事さを生き物たちから教わり、著者も何かに迷った時は、この「強さ」を思い出すようにしているそうです。このように、自分が好きなものを突き詰めていくと、自分なりのポリシーや考え方が生まれてきます。それは、何かに困った時や悩んだ時、自分が立ち戻る「原点」になります。文化部の活動で、こうした「原点」を持つことができれば、それだけ人生は豊かなものになるでしょう。

     本書は、何も難しいことは考えずに、著者が自分の好きなもの(生き物)をひたすら楽しそうに語る姿を見(読み)ながら、自分もこうした学校生活を送ってみたいと憧れる――これが、一番正しい読み方なのでしょう。一度きりの中学校生活なのですから、ぜひ、自分の好きなものを追求してみてください。そうして過ごした時間は、君たちにとって素晴らしい“思い出”となり“経験”になるはずです。文化部という選択肢を前向きに考えてもらえれば嬉しいです。
    (1320字)

  •  麻布中学・高校の走り込みから始まる生物部、アナゴとアサリに青春を捧げた東大時代、新人アナウンサー時代の失敗を研究者の手法で乗り越えるくだり。
     どれも素直に面白くて、中学高校時代に読んで将来に希望を持つ少年少女の姿が目に浮かぶ。

     一方で、麻布中学に通えるくらい親が教育熱心で一定の資産に恵まれた家に生まれたというスタートの良さは、まるで当然のことのように書かれていて(当たり前だが彼にとってはそれがデフォルトで当然なのでしょうがないのだが)、そこに対する視点は、あえてなのか意識してなかったのか全くない。
     大人の目で読んでしまうと、そういう意味で、ちょっと絶望も感じる本である。「進学校に通うレベルの高い生徒だと、『自分で学ぶ』学習ってこんなに成果が出るんだな〜」みたいな醒めた思考が浮かんでしまうのは否めない。

  • 生物部や、生物学の研究者(大学院生)などを体験してきた筆者の半生を通して、生き物がいかに好きかや、生き物から学べることなどがまっすぐ書かれていて、面白かった。

    その人が何か好きなものについて語ってる本というのが好きだなーと改めて思った。


  • 桝さんの誠実で一生懸命でありながら不器用そうななお人柄を、ZIPやDASH海岸でいつも拝見しておりました。マスマス大好きになっちゃいました。
    中高生時代の生物部の体験が面白く、今の中高生にもぜひ読んでもらいたい!
    死んだらどうなるのか…という不安をもっていること、それに対しての考察?も興味深かった。自然にあまり興味のない私も、最後まで一気読みしました。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99669102

  •  麻布中・高・東大・大学院と生きもの博士になりたかった桝アナウンサー。小さな生きものに教えられることや、なぜアナウンサーになったかがわかる青春記です。
    (カウンター担当/五重の塔)平成28年10月の特集「朝読に読みたい!」

  • ご存じTV朝の情報番組「ZIP!」の司会者であり、先日、”好きな男性アナウンサーランキング”で見事4連覇を成し遂げた、日テレ桝太一アナの本です。

    名門 麻布中高生時代の生物部で蝶を追いかける毎日、東大時代のアナゴからアサリへと華麗に転身した研究の日々、くすっと笑い、へぇ-っと驚き、すご-っいと感心しつつ読みました。

    TVで見てるだけで、声を聞くだけで、好感度大な桝アナですが、意外な体育会的根性と、地道な根気力、根底にある思慮深さから、今日の活躍はさもありなんと納得でした。

    図書館スタッフ(東生駒):ほっこり

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    帝塚山大学図書館OPAC
    https://lib.tezukayama-u.ac.jp/opac/volume/803113

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