- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784005007806
作品紹介・あらすじ
筋トレと登山合宿が必須の「体育会系」生物部の過酷な日々。デートとムシ取りの究極の選択。アナゴ採集で船酔いと戦い、アサリ掘りで砂にまみれた大学での研究生活。そして、未知のテレビ業界へ-。生き物とともに成長し、理系魂で困難に立ち向かってきた日々を語る、人気No.1生物オタクアナの「ムシ熱い」青春記。
感想・レビュー・書評
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大好きな生物とともにあり続けた、子ども時代からアナウンサーになるまでのエッセイ。
なにごとも前向きで、こちらも頑張ろうというエネルギーをもらえる本。
アナゴやアサリの研究のイメージだけれど、そこに一直線に進んだわけではなかったのも、意外。
さまざまな出会いや経験を経て、今があるのだと。
本文に「人生、なにがどこで役に立つかなんて、わからない」とあるように、どんな経験もその人の未来につながっていくものだな、と。
生徒たちが自分たちで考え、自分たちで行動し、自分たちで責任を持つ。
ただ暗記する、詰め込むのではなく、みずから学ぶ、ということを実践していて、さすが中高一貫進学校。
完全文系の成績で、理系進学を決めたところも、すごい。
「自分の好きなことを、人に伝えること」が得意なのかも、という筆者の〈好きなこと〉の話。
読んでいてたのしい。
ジュニア新書なので、文章は平易で、子どもから大人までたのしめる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
通勤の電車内でさらりと読めました(電子版)。
理系アナとは知ってましたが東大の海洋学専門だったのですね。
自分の置かれた状況を受け入れて、さりとてあきらめず、自分のできることだけをただまっすぐにやり続けること。
肝に銘じます。 -
アナウンサー枡太一さんによる、自身の幼少期からの生物オタクっぷりを赤裸々に描いた青春記。
友人たちと競い合いながら虫取りをした小学校時代、その延長として入部したらトンデモ体育会系だった生物部、文系脳にも関わらず生物の道に進むために進路転換した高校3年生、海に魅せられた大学時代、そして現在へ。テレビで拝見する姿そのままに、誠実さが伝わる丁寧な文章です。
自然から多くを学び、自分の「好き」にこだわることで乗り越え培ってきた心の強さは、どんな些細な経験ですらも全て現在の自分の糧になっている、というメッセージが真っ直ぐ伝わってきます。
中高生には進路を決めるたくさんのヒントが、大人にとっても自分の踏み歩いてきた道を見つめ直す良いきっかけを与えてくれる1冊。 -
誰でも読みやすい安定の岩波ジュニア新書。
その中でも著者が有名アナウンサーである本書は特に万人向け。
大学時代以降のエピソードも面白いが、やはり中高時代が面白い。特に部活の合宿についてきた両親を諌めた話と、高校近くの公園の地形模型を作った話(そして文化祭が終わるとそれを躊躇無く壊したことも)は、本来の対象である中高生に響くものがあるのではないだろうか。 -
子どものときの「好き」を大切にしましょう。その経験
の一つひとつが人生の糧になります。
枡さんが今、アナウンサーとして大成しているのは、研究魂があったから。
子どもの頃から「〇〇博士」を目指し、幼少期から「好き」を突き詰めていくが、修士のときに周りとの能力の差を感じる。大学院の日々を通して、「自分の好きなことを、人に伝えること」が得意と気づき、「誰かが解き明かしてくるた魅力を広く伝える役割くらいなら、できるかもしれない」と考える。まさに、自分と同じで驚いた。
枡さんの幼少期から現在までが分かる一冊。ジュニア文庫だけど、大人にもおすすめ。 -
小学校から大学院を通して桝太一さんと生き物の交流を描いた一冊。
「ぼくの青春のすべてです。」と銘打っているが、それに恥じることのない濃い内容がそこにはある。
昆虫少年だった少年時代から、麻布中高へ。そこの生物部で前に読んだ原田先生と素晴らしい先輩後輩たちに出会い、文化祭の出し物で講演の樹木分布図をジオラマで作るというトンでも作業を行う。大学では地道にアサリの生長を出し、統計に四苦八苦。
と生物にまみれ、汗水にまみれた青春。
改めて純粋に生き物が好きという非との話を読むと、その熱量に驚く。 -
桝さんの、生物の熱を感じられる一冊!
貝だけじゃなく、生物には魅力がある事を再認識しました。 -
知らない世界なのでとても楽しく読める
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ZIPなどで人気の日本テレビアナウンサー桝太一さんが、ご自身の生物部などの経験を書かれた本。
幼少時代の昆虫好きから、中高一貫の、麻布中学・高校に通われた頃の生物部での話、東大の農学部でアナゴ、アサリの研究をしてきたことなどがとても面白く書かれていました。
昆虫、とくにチョウの採集・研究とか、高校時代、有栖川公園の植生を詳しく調べてジオラマにしたこととか、生物が好きでたまらなかったのだというエピソードがたくさんありました。
もちろん桝さんがものすごく優秀で、能力が高いというのはありますが、好きこそ物の上手なれを体現なさっていたのだと思います。
生物学とは全くジャンルが違うと思われるアナウンサーという職業になられても、生物の研究をしてきた経験が生きているとのこと。
科学系のテーマの番組で桝さんは、実に生き生きなさっているなあと感じます。
オイラより、これから進路を考える中高生向けの本でしょうが、読んでいて桝さんが生物の研究をしてきたエピソード一つ一つがとても面白かったのです。