孫悟空の誕生 サルの民話学と「西遊記」 (岩波現代文庫 文芸 50)

  • 岩波書店 (2002年3月15日発売)
3.59
  • (4)
  • (4)
  • (8)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 54
感想 : 8
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (330ページ) / ISBN・EAN: 9784006020507

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

物語の成立過程を深く探求するこの一冊は、『西遊記』のキャラクターや地名がどのように形成されたのかを多様な資料から明らかにしています。特に孫悟空に関する解説は多面的で、彼のキャラクターが「好色のサル」や...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 西遊記の成立過程を様様な資料から引き出した一冊。
    キャラクターや地名などの成立の過程は非常に興味深く面白かった。
    ただ冗長な箇所もあり眠気を誘う箇所もあった。

  • いつの間に岩波に引越ししたんだろ?

  • 中国明代の白話(口語)小説『西遊記』の主役・孫悟空の起源を、数々の伝説や伝承を引きつつ解説した書。「神通広大にして変幻自在なる仙猿」「岩に閉じ込められたのち改心し、求法者として取経の旅に赴く」孫悟空をはじめとする『西遊記』の諸々のモチーフのルーツを、数多くの資料・伝承を渉猟して考察する。
    本書は、岩波文庫版『西遊記』訳者による『西遊記』の解説本であり、1987年に福武書店より刊行された同名書の改訂版である。明代に現在の形が完成した『西遊記』であるが、実際にはそれ以前から『西遊記』の物語は語られており、また物語中のエピソードやキャラクター、モチーフには由来となる物語や伝承が存在する。本書で主題となる孫悟空を例にとって見れば、明代以前の『西遊記』物語では「通天大聖を号し兄弟姉妹や妻を有する」「天を騒がしたり岩に封じ込められたりすることもなく、白衣秀才の姿で三蔵一行の前に姿を現す」といった(今日の悟空像とはかなり異なる)ものがあり、さらにその前段階として様々な猿にまつわる伝説・伝承がある、という具合である。著者はこうした『西遊記』物語中の諸要素の起源を数多くの文献・資料を引きつつ紹介し、中国国内はおろかインド・中東にまで及ぶ幾多の伝説を『西遊記』という一大作品に結実せしむる「伝承のエネルギー」について解説するのである。
    岩波文庫版『西遊記』訳者にして中国文化研究者としても知られる著者が記した本書は、『西遊記』の成立史を伝承の系譜から追う異色の解説本である。『西遊記』中のモチーフのルーツとして挙げられる数々の伝説は追っていくだけでも楽しく、中国の伝承世界の広範さと奥深さを感じさせてくれるだろう。個人的に一番驚いたのは、孫悟空の号として知られる「斉天大聖」の起源が全く別の猿の怪異譚(『陳巡検梅嶺失妻記』にて登場する白猿の妖怪・申陽公の号)であるという話であった。

  • 結構奥が深い話であった。

  •  中野美代子教授の西遊記関連図書を読んだり、読み返したりしている。
     本書では『西遊記』のキャラクターが成立してゆく過程が解き明かされてゆく。孫悟空に限っても「好色のサル」「閉じこめられるサル」「求法のサル」等々。
     第3章「『西遊記』の地理学」で、通天河は実在し、揚子江の上流だったことを知る。
     孫悟空のモデルは『ラーマーヤナ』のハヌマーンだと巷間よく言われ、あげくハヌマンラングールが悟空の容姿だなどと暴論まで聞こえてくる。中野教授は否定的で、もっぱら空を飛ぶ属性に注目しているようだ。

  • 9/13 読了。
    福武文庫版。

  • 西遊記好きならこの辺りはよむべし。読みやすいので、とても。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

1933年生まれ.
1956年,北海道大学文学部中国文学科卒業.
北海道大学文学部助教授.
主 著:
砂漠に埋もれた文字—パスパ文字のはなし (塙書房,1971)
海燕(長編小説) (潮出版社,1973)
中国人の思考様式—小説の世界から (講談社,1974)
カニバリズム論 (潮出版社,1975)
悪魔のいない文学—中国の小説と絵画 (朝日新聞社,1977)


「1979年 『辺境の風景 日本と中国の国境意識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中野美代子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×