増補 日本美術を見る眼 東と西の出会い (岩波現代文庫 文芸 158)
- 岩波書店 (2009年12月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006021580
感想・レビュー・書評
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現代評論
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西洋の「完結性」に対し、日本の「連続性」、
同様に「もの」と「かた」、
「発展史」と「並列史」、
「直線的時間」と「循環的時間」、
「一元的世界観」と「多元的世界観」、
生活に対するスタンス(切り離されているか否か)、
造形と言語の交響があるか否か
等々、芸術を観る上での大変、重要な幾つかの視点を得た。
とりわけ、私には、伊勢神宮の例を引きながら、「型の継承」「儀礼の反復」「土地との結びつき」を語られた部分で、あることをめぐって、大きなインスピレーションを感じた。ここから思索の構築ができそうだ。
得るものが大きいという意味で、★5つなのだが、読後に一抹の寂しさも感じる。それは言葉で芸術を説明されてしまうことの寂しさだろう。
著者も触れているように、芸術を鑑賞するのに、歴史や文化への理解は欠かせない。万人にあてはまる絶対の美というものは存在しないのかもしれない。
しかし、それではなぜ「私は」古今東西ジャンルを問わず、美や喜び、驚きを芸術に感じるのだろうか。その神秘を解き明かすために、さらなる「旅」を続けよう。 -
19世紀の西洋美術の変革に、大きく影響したといわれる、日本美術。
日本美術の何が西洋の芸術家たちに衝撃を与えたのか?
日本美術のもつ伝統的な特性を、西洋美術との比較分析を通じて知ることができる。 -
読みたい本。
個人的に、この著者への信用度はとても高いです。
全部を読んでいるわけではないですが、目についたら読んでいきたい。