増補 日本美術を見る眼 東と西の出会い (岩波現代文庫 文芸 158)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006021580

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  • 現代評論

  • 西洋の「完結性」に対し、日本の「連続性」、
    同様に「もの」と「かた」、
    「発展史」と「並列史」、
    「直線的時間」と「循環的時間」、
    「一元的世界観」と「多元的世界観」、
    生活に対するスタンス(切り離されているか否か)、
    造形と言語の交響があるか否か
    等々、芸術を観る上での大変、重要な幾つかの視点を得た。

    とりわけ、私には、伊勢神宮の例を引きながら、「型の継承」「儀礼の反復」「土地との結びつき」を語られた部分で、あることをめぐって、大きなインスピレーションを感じた。ここから思索の構築ができそうだ。

    得るものが大きいという意味で、★5つなのだが、読後に一抹の寂しさも感じる。それは言葉で芸術を説明されてしまうことの寂しさだろう。

    著者も触れているように、芸術を鑑賞するのに、歴史や文化への理解は欠かせない。万人にあてはまる絶対の美というものは存在しないのかもしれない。

    しかし、それではなぜ「私は」古今東西ジャンルを問わず、美や喜び、驚きを芸術に感じるのだろうか。その神秘を解き明かすために、さらなる「旅」を続けよう。

  • 19世紀の西洋美術の変革に、大きく影響したといわれる、日本美術。
    日本美術の何が西洋の芸術家たちに衝撃を与えたのか?
    日本美術のもつ伝統的な特性を、西洋美術との比較分析を通じて知ることができる。

  • 読みたい本。
    個人的に、この著者への信用度はとても高いです。
    全部を読んでいるわけではないですが、目についたら読んでいきたい。

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著者プロフィール

高階 秀爾(たかしな・しゅうじ):1932年、東京生まれ。東京大学教養学部卒業。1954ー59年、フランス政府招聘留学生として渡仏。国立西洋美術館館長、日本芸術院院長、大原美術館館長を歴任。現在、東京大学名誉教授、日本芸術院院長。専門はルネサンス以降の西洋美術史であるが、日本美術、西洋の文学・精神史についての造詣も深い。長年にわたり、広く日本のさまざまな美術史のシーンを牽引してきた。主著に『ルネッサンスの光と闇』(中公文庫、芸術選奨)、『名画を見る眼』(岩波新書)、『日本人にとって美しさとは何か』『ヨーロッパ近代芸術論』(以上、筑摩書房)、『近代絵画史』(中公新書)など。エドガー・ウィント『芸術の狂気』、ケネス・クラーク『ザ・ヌード』など翻訳も数多く手がける。

「2024年 『エラスムス 闘う人文主義者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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