- Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006031855
感想・レビュー・書評
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「ご冗談でしょう、ファインマンさん」と同じく、本人へのインタビューや、大学での講演録音の書き起こしが元。この人にまつわる本はどれもおもしろい、というか読みやすい。こなれた日本語であって、かつ本人の語り口が何となく文章に現れている(気がする。)まちがいなく翻訳者の仕事のたまものでもあるけれど、それ以上に本人の説明センスのおかげだな、とも思えた。
・1. 簡単なことを / 2. 難しいことを / 3. 簡単か難しいかはまだ誰もわかっていないことを
・a. 聴き手がわかりやすいように話す / b. 聴き手には難しく話す
と分けると、2-a や 3-a にものすごく長けていることがわかる。普通は、準備不足だったり、油断したりでもう全部 b へ‥つまり 2-b と 3-b はもちろん 1-b でさえやってしまう。例えば、セミナーで同じ内容を話すときも、最初はこれができない。自分ではわかりやすく選んだつもりの言葉が、聴き手によっては届かない。同じ内容を何度かこなしてようやく a になる。
特に「2 未来の計算機」には本人直筆のスライドが挿絵で加わって、思考の中身が絵で伝わっておもしろかった。「4 底の方にはまだ十二分の余地がある」では電子顕微鏡の(当時の)限界や将来の進化を的確に論じている。「6 チャレンジャー号 事故少数派報告」で示されている分析力や取材力で、当時の産業界でも見逃していた原因にたどりついた、ということがわかる。学術の世界だけで生きていた人と思っていたので、この章は特に新鮮だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
天才物理学者のインタビュー集。
「困りますファインマンさん」の解説にあった
ファインマンさんベストエッセイの改題。
解説で削除されたのが残念と書かれていた
スペースシャトルチャレンジャー号の
調査記録が収録されているが、
だいたい「困ります」に書いていたことを
堅い文章で書いたような印象で、
個人的には期待はずれだった。
それよりもファインマンさんの
宗教に対する見解が載っており、
それが大変おもしろかった。
それによると疑問を持つことは
科学を勉強する上で不可欠だが、
それと信仰を両立させることは難しい。
だが、宗教の道徳性は神を信じなくても、
学んだ道徳はその人に根付くというもので、
必ずしも宗教を否定してはいなかったのかな。 -
「科学とは何か」について簡潔に書かれた本。
* 100%の真理など存在しないということ
* より正しそう(正しそうな確率が高い)仮説が現在の説である
* ある説を経験(実験)によって確かめるのが科学
* 言い換えれば、人間の経験の一般化でもある
* 自然という神秘のまだ一部しか分かっていない
* 科学における「疑う」ことの重要性
* 因果関係を解明するのは科学だが、価値判断は科学の範囲外
* 数学はパターンの記述
コンピュータとかの話も面白かったから、
もう少し物理学に関する知識があれば。
ちょっと勉強してみようかな。 -
ファインマンという天才的物理学者の側面、つまりユーモア溢れる逸話にしぼった本。
理系が苦手な僕でも難しくないです。
哲学等の科学的とは言えない学問に対するファインマンの辛辣な批評が面白い!