- Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022502629
感想・レビュー・書評
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サイコロの1の目が出る確率が1/6だということは中学で習う。同様に確からしいなんていう、そこでしかつかわんだろという独特の言い回しで覚えたものだ。
今では常識でも確率論的なものを誰からも教わらず、ゼロからサイコロを振った結果の観察から1/6だということを見出すのは至難の業だ。
サイコロ遊びから確率という数学へ、そして統計を天才たちが見出していく話が前半の6章。
後半は医療、裁判、予測、戦争、存在と現代的なトピックになっていくと同時に応用的な話題が中心になっている。
確率・統計に関する重要トピックが各時代の天才たちによってどのように解き明かされていったのか、社会的な背景もわかって面白かった。
本文中にも各概念について説明はされているけど、確率の説明を目的にした本ではないので各トピックについてあらかじめある程度知っていないとつらいかなと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
130928 中央図書館
数学は最低限に抑えつつ、歴史のエピソードの中で確率的な考え方が背景にあったものを、いろいろと紹介している。ナポレオンや朝鮮戦争も然り。もちろん気象予報や犯罪捜査も。
コンピュータの性能はアップしても、不確実な世界に知足手は、「二次元画像の認知以上に複雑な認知には、演繹が通用しない」(タンネンバウム)ので、ベイズ的な確率判断の適用が必要である。 -
『統計学を拓いた異才たち』にも共通しているんだが、近代の科学に対するものの見方にはかなり、やばいとこがある、というのをじんわりと指摘している。家中で数学の私塾をしている、という母と息子が書いた本、だそうだ。彼女と彼が「ふつー知ってる」扱いで書いていることで日本ではあまり知られていないことがかなり含まれていて、そこは??となるが、とばして読んでもそんなに困らないと思う。