宿神 第一巻

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022510020

作品紹介・あらすじ

保延元年(1135)-北面の武士である佐藤義清(後の西行)と平清盛は、同い年ということもあり妙に馬が合った。2人は怪しげな呪文を唱える呪師の申と妹の鰍に出会う。凶暴な放免たちに襲われた鰍を救うため申が呪を唱えると、あれが気配をあらわしはじめ、窮地を脱する。一年後、鳥羽上皇の中宮・待賢門院璋子に出会った義清は、その美しさに目を奪われた-。人間の根源に挑む著者畢竟の大河伝奇絵巻。

感想・レビュー・書評

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  • 優雅な貴族社会から、荒くれ者の男達が上へ上へとのしあがっていく、歴史の変動期の平安時代末期のこと。
    若き日の西行(佐藤義清)と平清盛、共に北面の武士で同志の二人は、どこまでも青くて真っ直ぐで眩しい。
    平清盛と言えば腹黒いイメージを持っていたので、今回のように真っ直ぐで潔い言動がちょっと意外だった。

    「人の中に棲む鬼が歌を詠ませておるのじゃ」
    若き西行もまた、裡に潜む鬼が騒ぎたて、雲上の女性への叶わぬ恋心に悩み苦しむ。
    普段は冷静沈着な西行の、一人の女性を想う狂おしさが文面から溢れてきて夢中で読んだ。
    歴史的な結果は分かっていても、この後の西行の行く末、北面の武士の「佐藤義清」がどのようにして「西行」となっていくのか、その過程がとても気になる。
    今まではあまり興味のなかった時代だったけれど、ワクワクして面白かった。
    こんなことから平清盛の大河ドラマをきちんと観れば良かった、とちょっと後悔。
    もちろん第ニ巻にも期待大。

  • 歴史小説はほとんど読まないんだけど、たまたま読み始めたこれは面白かった。これくらい緩やかな性生活だったら、お世継ぎ問題も無くなるのにねー。

  • 第一巻、皇を交え好漢二人が織り成す物語は、作者の得意とする所、今回も見事に嵌ってしまいました。
    本を読んで、ワクワクさせられるのは、幸せですね。
    闊歩する登場人物の今後の展開に期待してます。

  • 平安時代末期、清盛と義清の会話から陰陽師の本とかぶり不思議な感覚のまま読み終わる。
    義清の情熱さと、それを上回る冷静さで何ごともそつなくこなし、好青年の印象。この先が楽しみである。

  • 義清かっこいい。

  • 內容雖然有一些作者本身的特殊性,但基本上還是循著平家物語的路線在走,讓人驚豔的部分並不是太多。

  • 若き日の佐藤義清、平清盛の話。
    前情報なしで読むと何の話か(どこへ向かうのか)よく分からなかったのだが、歌人西行(佐藤義清)の一生という感じの話なのか。一つ一つの話は面白いのだけど、少し盛り上がりに欠けるか。勉強にはなるが。

  • 「陰陽師」みたいな感じかと思ったら全然違った。

  • 佐藤義清(のりきよ/後の西行)美少年というか美声年というかとにかく超男前で、もうオールマイティで超絶才能の塊、さらに妖を見る力まであるという。さらに豪快な若者時代の平清盛(西行とは同じ歳)との交流、耽美系漠バージョン『平家物語』というか、平家物語のエピソードも存分に出てくるがこれまた怪しい魅力満々でいい感じのスタートです。ノリは”陰陽師”の安倍晴明と源博雅的な漢の絆的なねぇ、萌えではあります。第一巻、やっぱり平家物語序盤の大エピソードというと盛遠やねぇ、私的には吉川本の”新平家物語”のあの件が好きなんですが、餓狼伝の臭いするのもいいかとおもわんこともないです。おもろいです。

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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