村上朝日堂はいかにして鍛えられたか

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 358
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022571328

感想・レビュー・書評

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  • 作品がこの思考からきているのかととても面白く読みました。真面目だけれどはみ出る事も仕方ないよねという考え方が好きです。
    また、世間に物申す語り口、考えて議論して良くして行こうという静かな主張の仕方が参考になる。海外の文学賞受賞の時の卵スピーチを思い出しました。
    そして何より文章が読みやすい。偉そうに聞こえたらすみませんですが、断トツ読み心地が良いのです。
    もしかするとハルキストになる日も近いかもしれないぞ。

  • 小説以外の彼は好き。
    そして挿絵の方も好きよ。
    で、著者は猫大好きでムッツリさん(笑)

    ちなみにこの中にムッツリ施設の業界誌がでてきますが
    ちゃんとあります。季刊にこそなってしまいましたが
    ちゃんと存在しますぞ!!

    でも時代が時代だったため
    ある施設がなかったのは残念かな。
    いいネーミングだったから先生に取り上げてほしかったな!!

  •  村上春樹、三冊目のトライだけど、やっぱアカン。この人の文体はぼくには合わない。もうトライは止める。

  • もちろん作家としてこのエッセーを書いたわけだけど、村上春樹が作家のガードを緩めて書いた、生々しっぽさをさらけだした作品だと思う。

  • 28/321

  • <閲覧スタッフより>
    大手前大学 交流文化研究所主催 文芸講演会
    村上春樹と『阪神間文化』の周辺-私がめぐりあった作家たち-
    講師:ノンフィクション作家 小玉武 先生

    文芸講演会記念 特集展示本
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    所在記号:914.6||ムハ
    資料番号:10139444
    --------------------------------------

  • ■書名

    書名:村上朝日堂はいかにして鍛えられたか
    著者:村上 春樹

    ■概要

    裸で家事をする主婦は正しいのか?あなたの空中浮遊の夢はどのタ
    イプ?読者から多数の反響を呼んだ「通信」シリーズを筆頭に、
    「真昼の回転鮨にしかけられた恐怖の落とし穴」「宇宙人には知ら
    れたくない言葉」から、苦情の手紙の書き方、学校の体罰の問題ま
    で、世紀末の日本を綴ったエッセイを水丸画伯のイラストがサポー
    トする、名コンビ「村上朝日堂」シリーズ最新作。
    (From amazon)

    ■感想

    図書館から頂いた一冊です。

    村上春樹さんのエッセイです。
    1997年なので、もう、17年ぐらい前の本ですが、今読んでも面白い
    ものは面白いです。

    小説家とはずいぶん違う、村上春樹の文章です。

    小説はどちらかと言えば、直接伝えず、間接的に物事を伝える文章
    ですが、エッセイは、読み手に伝わりやすい文章を心がけているのか
    非常に伝わりやすいです。
    (文章が読むやすいのは過去のレビューでも散々書いているので、
    しつこいですね・・・)

    内容も、村上さんの趣味や正確に特化したものばかりですが、一般
    論としても楽しく読めます。

    村上春樹だけど、肩肘張らずに読める本です。

    ■自分がこの作品のPOPを作るとしたら?(最大5行)

    小説家ではない、村上春樹さんがここに!
    小説しか読んだことないのであれば、こちらも読んで確かめて!
    軽い話で楽しめますよ~

    ■気になった点

    ・体罰が熱心さのひとつの手段として独り歩きを始めた時から、それは
     世間的権威に裏付けされたただの卑小な暴力に変わってしまうのだ。

    ・新聞を取らなくても全く不自由しない。

    ・何事もなく平穏無事に生きていくことは、なかなか簡単な事では
     ない。

    ・傷つかないようになるためには、嫌な事があっても見ないふりを
     すること。聞かないふりをすること。

  • 2014.07.04

  • 数年ぶりの村上朝日堂。中身がかなりパワーアップしたような気がします。文体もやや柔らかくなってます。

  • 村上さんのエッセイをよみなおしています。

    ユルさ加減が絶妙です。

    水丸さんの絵の趣が
    最近になってわかった気がします

  • くっだらねーなーwwだけどアンダーグラウンドと並行して書くことで精神的バランスをとっていた、というあとがきなんだか言い訳なんだかで納得。
    もし村上さんをお見かけしても話しかけない、ということは、気を付けていきたいと思いました。しかし全国の全裸家事主婦よ‥‥

  •  15年前に、村上春樹は、原発について言及していたことを知る。
    私の本棚にもあって、やはり読んでいたのだが、記憶になかった。
    原発に触れている文書を読み直してみて、いろいろ感じることがあった。
    以下は、その部分の抜粋。

     世の中に「これからの二十一世紀、日本の進むべき道がよくわからない。見えてこない」と発言する人々がいるけれど、そうだろうか? 僕は思うのだけれど、現在我々の抱えている最重要課題のひとつは、エネルギ一間題の解決ー具体的に言えば、石油発電、ガソリン・エンジン、とくに原子力発電に代わる安全でクリーンな新しいエネルギー源を開発実現化することである。もちろんこれは生半可な目標ではない。時間もかかるし、金もかかるだろう。しかし日本がまともな国家として時代をまっとうする道は、極端にいえば「もうこれくらいしかないんじゃないか」と、五年間近く日本を離れて暮らしているあいだに、実感としてつくづく僕は思った。
     日本はたしかに二十世紀後半、製品輸出を根幹とした資本主義国家として急速な成長を遂げた。しかしそのあいだに我々が、いったいどのような「時代を画するテクノロジー」を生み出しただろうか? トヨタ・カローラを生んだ、ソニー・ウォークマンを生んだ、電気パン焼き器も作った、カラオケもある・・・、えーと、それから他に何があったっけ? 何かあるかもしれないけど、僕にはこれ以上思い出せない。
     そう考えてみると、もし仮に二十一世紀に入って、日本がこのまま繁栄の盛りを越えてしまうとしたら、それはあまりにも寒々しく空しいのではあるまいか。後世の歴史家に後ろ指をさされても、ちょっと文句を言えないんじゃないか。
     反核運動ももちろんそれは大事だろう。フランス・ワインの不買運動も結構。でも技術的に原子力を廃絶できるシステムを作りあげることに成功すれば、日本という国家の重みが現実的に、歴史的にがらっと大きく違ってくるはずだ。「いろいろあったけど、日本はその時代やっぱりひとつ地球、人類のために役に立つ大きなことをしたんだな」ということになる。それはまた唯一の被爆国としての日本の、国家的な悲願になりうるはずだ。
     僕はしがない文科系のヒトなので、そういうことを技術的にはとても手伝ってはあげられないけれど、もしそのような大がかりな研究に多額の資金がいるというのなら、そのための特別な税金を払ってもいいとさえ思っている。一人の国民として、それくらいの犠牲を払う覚悟はなくもない。しかしそのような納得できる長期的な国家ヴィジョンを掲げて、国民に支援協力を訴えかける覚悟と力量のある政治家が日本に近いうちに出てくるかというと、これはどうも絶望的にならざるをえない。悲しいことだけれど。
     所詮僕らは「ウォークマン程度の国」に住んでいるということなのだろうか。決してウォークマンを非難しているわけじやないですが。

     「ウォークマンを悪く言うわけじゃないですが」と題されたエッセイの後半部分の引用です。
     村上春樹がこう書いてから15年が経過した。
     ウォークマンはスマートフォンに席を奪われ、フクシマでは原発事故が起こり、長期的なビジョンを掲げる政治家は不在のまま、日本は混迷を深めるばかり。
     どうやら、日本は、「ウォークマン程度の国」から、「ウォークマン以下の国」になってしまったようだ。私にできることは一体どんなことなのだろうと、考えさせられてしまって、重い気分になってしまった。

  • はるきち(私は勝手に村上春樹をこう読んでいる)の普段気になっていること、ちょっと興味関心があること、はるきちの頭の中からふと掘り起こされてきたこと、そんなことが等身大に、気軽な文体で書いてあるので、気楽に読めます。
    はるきちのエッセイは他のエッセイによくあるような、他のものによたよたと寄りかかっている生活を想起させるものではなくて、自立して、自分の頭で物事に向かっている感じがして、そこがとてもすっきりとしていて好きなところです。くだらなくて面白いところももちろんとてもよいところです。

  • 今迄の朝日堂よりも進化した感じでとても面白く読みました。
    笑っちゃうことばかりではなく、「死」とか「苦悩」とか
    そういったものがとても心に残りました。

  • 村上春樹が安西水丸といっしょに週刊朝日に連載していたエッセイ集けっこう、作家のなまの声がきけてよかったどんな辞書を使っているかとか、全裸主婦のはなしとかもろもろ

  • くだらない。
    ひねくれてる。

    でもこいつらがあの名作たちを支えているんだなあと思うと捨てたもんじゃない。毎日のメモみたいなものでも売りものになるんですね。

  • 小説もさることながらエッセイもなかなか面白い。ラブホテルの業界専門誌、チェックしたい…

  • 決して、「小さいけれど確実な幸せ」な感じだけでは多分ない短編集その4。

  • 裸で家事をする主婦は正しいのか?あなたの空中浮遊の夢はどのタイプ?読者から多数の反響を呼んだ「通信」シリーズを筆頭に、「真昼の回転鮨にしかけられた恐怖の落とし穴」「宇宙人には知られたくない言葉」から、苦情の手紙の書き方、学校の体罰の問題まで、世紀末の日本を綴ったエッセイを水丸画伯のイラストがサポートする、名コンビ「村上朝日堂」シリーズ最新作。 --This text refers to the 文庫 edition.

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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