謎の母

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.08
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022572202

作品紹介・あらすじ

太宰って、何だろう?あの年の六月、太宰の死の陰に、一人の十五歳の少女がいた。-半世紀の間、息を潜めた『隠れ太宰』だった作者が、いま彼と、祖国の死に熱い涙を注ぐ衝撃の問題小説。

感想・レビュー・書評

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  • 謎の母とは、ピエタ像。
    男を抱きかかえる聖母像…、それを太宰と自分に置き換えるのが、久世光彦…。
    やっぱぶっ飛んでるな…。

  • 面白かったです。
    太宰治が出てくる版「女生徒」みたい。
    朽木さんめっちゃ太宰治…乱歩の小説の時も思いましたが、久世さんの文豪の描写は、こんな人だったんだろうなと思わせられる現実感があります。
    朽木さんかなりダメなのですがやっぱり周りの人は放って置けないんだろうなこういう人と思います。主人公のさくらも、朽木さんの方がかなり年上なのに母親の気持ちになっていて。
    謎の母、さくらのことなのか、さくらの母のことなのか、それとも朽木さんと心中したサチ子さんのことなのか…考えが膨らみます。
    さくらが思っていることをずらずらと並べているので、ですます調とである調は混じっているし、思考も飛び飛びだし…でも普段心で考えている事っていざ書き出すとこうなる。
    終わった戦争の影も感じつつ、別れも飲み込み、生きていく人たちでした。

  • 読み終わた感想としては、一言で言えば、意味不明ですね。
    あとから知ったのですが、小説の中の朽木という作家は、太宰治がモデルなんだそうです。
    とはいえ、それを知ったところで、意味不明なことには変わらない。
    実の母の話なども含めて、話がいろいろなところで、中途半端な印象で、結局なんだったんだ、という感じです。
    面白かったか、面白くなかったかといえば、全く面白くなかった。
    ただし、太宰治に興味のある方なら、読んでも納得できるのかもしれません。

  • 最初の文章から、なんだかふわりと心掴まれた。

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著者プロフィール

久世光彦

一九三五(昭和十)年、東京生まれ。東京大学文学部美術史学科卒。TBSを経て、テレビ番組制作会社を設立、ドラマの演出を手がける。九三年『蝶とヒットラー』でドゥマゴ文学賞、九四年『一九三四年冬――乱歩』で山本周五郎賞、九七年『聖なる春』で芸術選奨文部大臣賞、二〇〇〇年『蕭々館日録』で泉鏡花賞を受賞。一九九八年紫綬褒章受章。他の著書に『早く昔になればいい』『卑弥呼』『謎の母』『曠吉の恋――昭和人情馬鹿物語』など多数。二〇〇六年(平成十八)三月、死去。

「2022年 『蕭々館日録 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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