王妃エレアノール: 十二世紀ルネッサンスの華 (朝日選書 494)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022595942

作品紹介・あらすじ

王よりも広大な領土を有し、誇り高く奔放な美貌の女公爵エレアノール。その生涯を彩る十字軍の狂熱、宮廷の華麗。

感想・レビュー・書評

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  • (9月読了)
    塩野七生女史の『十字軍物語』でリチャード獅子心王のファンになった私、幽閉されたデュルンシュタイン城や、ウイーンにある身代金で栄えたという得意げなレリーフも見てきました。
    この本を読むと「レオポルト、なんて卑劣な!」と思います。得意げなウィーンの気持ち、わからない。

    エレアノール(フランス語のオイル語。南フランスのオック語ではアリエノール)はリチャード獅子心王のお母さま。この迫力といったら、リチャード獅子心王を超えているかも。

    15歳でルイ七世に嫁ぎフランス王妃に。25歳で夫とともに第二次十字軍遠征。帰国して離婚。わずか二か月後にヘンリー二世と再婚。まもなくイングランド王妃になります。
    夫の浮気が本気になったところで息子たちを味方につけます。彼らは父に反旗を翻し、フランス王である彼女の元夫の庇護を求めるのです。
    そして夫に15年間幽閉させられる。

    「こんなに情熱的で気性の激しい傲慢な女性だったエレアノールがそんなに長いこと閉じ込められたら、精神的に病んでしまうのでは?」と思ったら、とんでもない。

    >孤独と静寂のなかで、王妃が研ぎ澄まされた感性と強靭な精神力を養っていたことは、誰の目にも明らかだった。また、年を経て円熟した思慮深さが、王妃の強烈な個性にもやさしさを与えるようになっていった。
    年老いた王妃の美しさに、心打たれない者はいなかった。若き日の王妃には冷ややかだった年代記者も、囚われの王妃には深く心を動かされている。年代記者たちは、王妃をこう褒め讃えている。
    「美しく誠実で、感情がこまやか。謙譲の美徳に満ち満ちた美しい言葉で語る王妃」

    その後も彼女は活躍をつづけ、なんと83歳まで生きます。

    石井美樹子さんは神奈川大学の教授で、「32歳のとき一人娘とともに渡英」だそうです。←なんか気になる。
    すっごく面白かったので、彼女の他の本も読んでみたいです。

  • あー、「燈心草」って、イグサのことだったのねー!ジョン・クロウリー『エンジン・サマー』に出てくる〈喋る燈心草〉って、んじゃ、〈喋るイグサ〉だったのか。

  • 2n

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著者プロフィール

英国ケンブリッジ大学で中世英文学・演劇を研究。文学博士。神奈川大学名誉教授。著素に『マリー・アントワネットの宮廷画家』『図説ヨーロッパの王妃』『図説イギリスの王室』『エリザベス』など多数。

「2014年 『マリー・アントワネット ファッションで世界を変えた女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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