街道をゆく 3 (朝日文庫 し 1-4)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022601735

感想・レビュー・書評

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  • 『肥薩のみち』が目当てで読んだ。北九州や熊本出身の人には面白い人が多いのに、旧薩摩藩であるはずの鹿児島出身者にはおよそいわゆる「薩摩隼人」のイメージとは似ても似つかない詰まらない人が多い、それが不思議だという大胆かつ大雑把な人物評が面白かった。
    もっとも、鹿児島出身者は他県人にはない、おそらく西郷隆盛もこのように微笑したであろうと思われる独特な微笑を持ち、筆者が人生の節目節目で出会った大切な人にも鹿児島出身者が多いとも書いている。だから尚更不思議に思えたのかもしれない。
    文章中に明るいユーモアが多く、読んでいて嬉しかった。須田画伯もまだ「須田さん」と気軽に呼ばれていて、面白エピソードを多数提供してくれている。

  • 肥薩のみちで肥後と薩摩の特殊性が面白かった。そして西南の役で、薩摩の反骨精神が失われたというのも興味ふかい。
    ヤマト政権初期にも抗った隼人の伝統も、廃藩置県によって途絶えたような気がした。
    陸奥と河内は微妙だった。

  • 陸奥、肥薩、河内みち。関西人の著者は奥州に憧憬の思いを持つ。古代大和政権の勢力拡大=稲作の流布であると定義し、元来南方植物であった稲を寒い地域で無理やり作らされ冷害に悩まされた陸奥人を憐れむ。肥薩は島津家や戊辰戦争、河内は地元だけにとりとめない。

  • 陸奥特に岩手県周辺の話をしながらの津軽と岩手の相克や
    お国柄、また肥薩の話にもでてくる大和朝廷成立と稲作の関連性
    などとても興味深かった。

  • 司馬遼太郎が日本各地を旅し、その土地の風習や歴史について大いに語る。「奥羽のみち」では、南部衆と津軽衆の反目の歴史の事を知った。津軽為信がちゃっかり秀吉に接近し、中央に認められ南部より立場が強くなったことで南部衆が津軽衆を恨むことになったという。 司馬氏は小説を書くときは必ずその土地を訪れ、その場所でしか感じられないことを吸収するという。そんな筆者の紀行文が面白くないわけがない。表題の「奥羽のみち」のほか、「肥薩のみち」「河内のみち」も収められ、歴史に興味がある人には一読をおすすめします。(*文庫本で登録していますが、実際に読んだのはハードカバーです。ハードカバーのほうが須田剋太氏の挿絵が多いのでオススメです)

  • 八戸に旅立つ直前に東京駅で購入。具体的な行き先は本の内容とは違ったのですが、旅先で多少なりとも土地の歴史に思いを馳せることができました。

著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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