街道をゆく 16 (朝日文庫 し 1-17)

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.58
  • (4)
  • (6)
  • (14)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 128
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022601865

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 西塔から東塔への車道を老体に鞭打って激走した記憶も新鮮なうちに本書に手を伸ばすことに。

    一時帰国の合間にまったくもって外からの後押しをもらって訪ねたこの天上の地、故郷に近いだけにもう少し自分なりの解釈というか理解度があってもよさそうなものではあったがほぼゼロであったことを認めざるを得ない。大学時代に北山側から上って坂本に降りた経験はたしかに貴重ながらも、その地を踏むことによってすれ違うことのできる様々な形での神聖さといったようなものを、当時の自分は受け取れるような知性と感受性は持ちあわせておらず、ただ踏破したことにだけ驚きと喜びを感じていた。

    そんな状態でシバさんがどんな歩き方をするのだろうと興味津々で追ってみると、やはりというかまたしてもこの人の頭の中にある宇宙のスケールの大きさを三次元的なものだけではなく時空も超える形で思い知らされるのである。この方の感じ取るものを自分のようなものが感じられるようになるにはそれこそこの山中にてひたすら歩く苦行でも敢行しない限り無理なのではないかと。

    「お遍路」の対極は奇しくもふるさとの裏山からたどっていけるものだったのだということを再認識させてくれたこの本書に対し、改めて敬意を表さずにはいられない。

  • 比叡山のイメージが若干修正された感じ、また最澄の記録が結構はっきり残っていることにも驚き。
    でも高野山といい、山岳に拠点を設けたのは、それまでに存在していた原始信仰の影響もあるんでしょうかな?
    高野山も叡山も天気があまり良くない時に行ったなぁ、天気が良い時、かつ、リタイア後に再訪問しようかしら。

  • 2013.06.26 読了

  • 「街道をゆく」シリーズにはまるきっかけになった一冊です。比叡山の空気のように文章が清冽で、シリーズ中でも完成度の高さは随一だと思っています。叡山に行きたくなる紀行です。(mixiソーシャルライブラリーから転記・修正)

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

司馬遼太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×