斎藤家の核弾頭 (朝日文庫 し 22-1)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (514ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022642189

感想・レビュー・書評

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  • 何故にこれだけ技術が進化してるのに、200階建てのマンションとか平気で作ってるのに、引っ越しも勝手に全部やってくれるのに(それは今でも金払えばできるか)、海とか臭いままなのか。
    要するに環境保護とかに手間暇かけなければ、もっとすごい技術革新が起きたってことか。なるほどー。
    ってまぁ小説だけど。

    と言うわけで、SFっぽいかと思いきやなんだかドタバタと変なキャラがいっぱいで、頭が良いかと思いきやただのエロオヤジな主人公やら巨大化する赤ちゃんやら、ワイワイやってて飽きなかった。
    あんま哲学してないSFは気楽で良いやね。

  • 2075年東京。日本の民主主義が崩壊して、「国家主義カースト制」により人は、ランク付けされてた。旧文京区弥生町に2階建ての一軒家に住んでいたのが斉藤家。周りを100階建て以上の高層ビルに囲まれた家には、母親の美和子・夫である総一郎・舅・姑・舅の母・そして5人の子供達と暮らしてた。夫は、元裁判官で特Aのランクで、裁判の完全コンピューター化で職を失っていた。末っ子は、遺伝子トラブルにより二ヶ月で60キロを越えた巨大児育児に追われてる美和子のお腹には、新たに子を宿していた。政府の策略により、長年住んでいた家を追われ、東京湾を埋め尽くして作った浮き島東京ベイシティに住む事に・・。
    政府は、東京湾に地下資源があることを見つけると、ベイシティの住民に転移命令を出す。転移先は、毒により汚染された地だった。理不尽な転移命令に抵抗して、近隣住民と共に残る事に・・。電力の供給のストップにより、彼らが作ったのは古い時代の原子炉。そして、政府と戦うために核爆弾も・・・・。

    篠田節子による、SF近未来小説であります。珍しくコミカルな作品でもあります。なかなか面白い作品です。斉藤家は、どうなるのでしょう?美和子の母性が光る作品です。

  • 近未来の日本の話。容易に想像できそうなほどリアルな近未来図が怖くてたまらない。国民がランクで分けられて管理される世の中。特Aランクからいきなりランクを落とされて、いきなり転居させられて、そんな斉藤家と国家政府との戦い。最初、斎藤家の主にかんなりムカつきます。でも面白かったー!

著者プロフィール

篠田節子 (しのだ・せつこ)
1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。97年『ゴサインタン‐神の座‐』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞を受賞。ほかの著書に『夏の災厄』『弥勒』『田舎のポルシェ』『失われた岬』、エッセイ『介護のうしろから「がん」が来た!』など多数。20年紫綬褒章受章。

「2022年 『セカンドチャンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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