乱反射 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.91
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本棚登録 : 3792
感想 : 359
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  • Amazon.co.jp ・本 (600ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022646385

感想・レビュー・書評

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  • 乱反射ってタイトルが最後まで読むと秀逸に聞こえる。バタフライエフェクト的な物語。
    誰かのささいな勝手やルール違反が積み重なって一つの悲劇を生む。
    勝手も、悪意のあるものないもの様々。
    個人的には安達や克子のような勝手に付き合わざるを得なかった人には同情するなぁ。

    2021.8.9
    96

  • まさに乱反射。バタフライ効果。
    それぞれの人の小さなモラル違反が重大な結果を招く話。

    前半では関連性のなさそうな話が、中盤で一気に繋がり、物語は加速し、一気に読んでしまった。

    それぞれのモラル違反は些細な物であるが、その背景が細やかに描写されている。

    登場人物は卑屈で自分勝手な考えを持つ者が多い。最近は良い人しか出てこないような平和な小説をよく読んでいたので、なかなかの落差であったが、誰もが少しはこのような一面を併せ持っていると思う。

  • 過去読。
    自分好みのストーリーな筈なんだけど、いまいち盛り上がりに欠けた。

  • 愚行録からの貫井さん2作目。
    なるほど、こういう感じか、、!確かにこれは癖になるかも。長いのに一気に読んでしまった。

    「風が吹けば桶屋が儲かる」の説明に使えそうなぐらい一つ一つの出来事の繋がりがすごい。

    欲を言えば最初のゴミがどこか遠いところで繋がってたらなー…って思ったけど、加山夫妻に追い討ちをかけることになるか。

    本の中には書いてなくても、「これぐらい」と思ってやっているマナー違反って自分もきっと沢山あるわ…。
    その行為が直接的に結果に結びつく訳ではないとしても、やっぱり守らなければいけないルールやマナーってあるな。「これぐらい」って思うのは人それぞれの価値観によるけど、それをある程度均一化するためにもあるのだし。


    個人的には犬のフンを放置してたお爺さんが1番嫌だったなあ…。いくつになっても自分をの非を素直に認められる人間でありたいです。
    真っ向から注意してくれたギャル(?)、カッコいい。

    責任から逃れようとするアルバイトの医者も嫌だったけど、仕事において責任を負いたくないのは自分も一緒かも。自分に与えられた業務をとりあえずこなす、いかにもサラリーマンという働き方。医者だからどうこうじゃなくて医者も1人の人間なんだよな、と思う。

    他にも自分にブーメランとして返ってくるようなことを、登場人物が他者に感じているようなシーンが何回かあって流石だなと思ってしまった。これも一種の愚行録。

  • だいぶ長編なのに一気に読んで、気づいたら明け方5時になってたくらい没頭した。

    「みんな少しずつ身勝手で、だから少しずつしか責任がなくて、それで自分は悪くないと言い張るんだよ。」
    っていうセリフが刺さって胸が痛い。誰しも自分は悪くないって信じたいから、すぐに責任転嫁したり理不尽に逆上したりしちゃうのかな。やりきれない気持ちでいっぱいになった。

  • こんなにもたくさんの人の些細な事が重なって人が死んでしまうっていう構想はすごい。もしかしたら自分もそういうまぁいいっかっていう怠慢なことが誰かの悲しいできことに繋がってたらとすごく考えさせられた。

  • じわじわ事故に迫ってくる感じぞくぞくするはずなのに全然はまらず

  • 自分のすることに責任を持ち、色んな面から考えて行動しようと思った

  • 最後の加山の気づきが衝撃だったのと、
    三隅の妻から言われた一言が痛快だった。

  •  ある幼児の死亡事故。不運な事故の原因を作ったのは数人のちょっとした非常識な行動の積み重ねだった。 事故の起きる前の時間からそれぞれの人物の事情を追っていくと、本人たちはささいなマナー違反だと思い込んでいる。結果として死亡事故につながった事を知った後にも、自分には責任なんてないと主張。やがて被害者自身もそのよう行動をとっていた自身に気づく。面白かった

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著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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