内通者 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 252
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022648372

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】身内の死に苦しむ千葉県警捜査二課の結城孝道は、千葉県土木課と房総建設会社の汚職事件を追っていた。内偵の発端は、建設会社の社員からの告発だった。金銭授受と思われる現場の撮影にも成功。しかし事件は思わぬ方向へ迷走を始める──。

感想・レビュー・書評

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  • 身内の死に苦しむ千葉県警捜査二課の結城孝道は、千葉県土木課と房総建設会社の汚職事件を追っていた。内偵の発端は、建設会社の社員からの告発だった。金銭授受と思われる現場の撮影にも成功。しかし事件は思わぬ方向へ迷走を始める──。

  • 娘を愛し、唯一の存在として慈しむ父の愛情がよく書かれています。

    千葉県警捜査二課係長・結城孝道(たかみち)警部は、房総建設の椎名のタレコミで房総建設と千葉県土木部の部長との汚職を捜査中に、情報提供者の椎名に嵌められる。もがき苦しむ父親の物語です。

    10才の男の子と、生まれたばかりの女の子を残して、妻を殺し自殺した事件が発生した。結城警部は、妻の美貴が子供が出来ない体質だったので事件のことを知って。女の子・若葉を引き取り特別養子縁組を組んで我が子として慈しみ育てる。
    男の子・椎名は、施設に入り、犯罪者の子として虐められ、施設を逃げ出し、万引きをしと悪い仲間と付き合う。そんな時に房総建設の先代の社長に拾われて出世するが。先代の社長が亡くなると、息子の社長に冷遇されて一日窓のない個室に追いやられる。
    そこで、なぜ妹は養子にして、自分は養子にしてくれなかったのかと逆恨みして、結城を、若葉を苦しめて。とうとう若葉を誘拐して…。

    【読後】
    椎名は、結城に近づくために、会社の内部情報をタレコミ。そこから近づいていくサスペンスです。若葉のサッパリした性格と、力強さが物語を暗くせずよいです。展開が早く、次はどうなるのか気になり音読時間が増えて行きましたが。途中で舌を噛んだりしてあんがい日数がかかってしまいました。
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    【音読】
    2022年4月27日から5月24日まで、大活字本を音読で読みました。この大活字本の底本は、2017年2月に朝日文庫から発行された「内通者」です。本の登録は、朝日文庫で行います。㈳埼玉福祉会発行の大活字本は、上中下巻の3冊からなっています。
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    内通者
    2019.11㈳埼玉福祉会発行。字の大きさは…大活字本。
    2022.04.27~05.24音読で読了。★★★☆☆
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    2023.01.14レイアウトを修正。

  • 千葉県警捜査二課。汚職事件。養子。

  • 津波被害対策の護岸工事の費用は200億にも上るという。久々の巨額汚職事件に興奮を隠せない二課の刑事たち。突然、新聞に抜かれ、思いもしない罠にはまってしまう。なぜ?誰が?どうして?
    自分に起きていることが他人事のように思えるのは・・・。

  • 評価は2。

    内容(BOOKデーターベース)
    千葉県警捜査二課の結城孝道は、千葉県土木局と建設会社の汚職事件を追っていた。捜査の発端となったのは建設会社の窓際社員による内部告発だった。彼の情報により決定的な証拠もつかみ逮捕直前までいくが…。一方、結城の家族にも不幸が襲う。一体これは偶然なのか?

    主人公の結城初め娘の態度に始終イライラしっぱなしだった。肝心な話をせずに何を望んでいるんだ?
    更には、彼らの知り合いや友人に対する思いも私の考えとは異りすぎて全く同調出来ず。
    読了までにフェードアウトしそうであった。

  • 千葉県警捜査二課の結城孝道は、千葉県土木局と建設会社の汚職事件を追っていた。捜査の発端となったのは建設会社の窓際社員による内部告発だった。彼の情報により決定的な証拠もつかみ逮捕直前までいくが…。一方、結城の家族にも不幸が襲う。一体これは偶然なのか?

    ミステリというよりも家族小説としての側面が強い。その分印象に残る作品。「ラスト・コード」以来か。

  • 警察小説というよりも家族小説の趣き。
    著者には、妻が死別した刑事が主人公の作品は『アナザーフェイス』シリーズがあるが、アナザーが父と息子との関係に対し、こちらは父と娘という一筋縄ではいかない(?)関係。
    そんな父と娘が、汚職事件にシンクロし、もう一つの事件が発生する。
    ともかく、娘に対する父親の気持ち及び行動に頁を費やされており、それが新たに起こる事件を示唆している。

    事件解決後、最後に明かされる娘の希望職種。その職種に就いた娘と、彼女の父親とを主人公にした続編をぜひ読んでみたい。

  • 久々の堂場瞬一 展開の早さは相変わらずサクサク読める。他のシリーズとは違い今作は主人公の家庭の話が軸なのが新鮮でした

  • ある汚職事件の捜査のため、主人公は部下と供に情報提供者と接触することになり、家庭では妻が急に病で倒れ、一人娘の身辺に異変が起こり、なにはともあれストーリーに中だるみがありません。警察もので捜査二課は個人的にあまり馴染みがなかったので、興味津々で読み進めました。情報提供者と主人公との繋がりに犯人の恨みの感情の深さに驚かされました。大学生の娘と父親の微妙なやりとりにも妙に頷け、彼女の今後にエールを送りたくなりました。

  • 予想を裏切らず、望んだ通り、さらっと読み終わり。可もなく不可もなくの狙い通り。親子ものも書くのね。

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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