私に似た人 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022648488

感想・レビュー・書評

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  • 社会に抵抗し周辺の何人かを巻きこむ『小口テロ』が頻繁に起き始めた頃。ネットで、加害者を励まし社会に抗議するレジスタントになれと唆した者がいる。その『トベ』が増殖している。被害者側、社会への怒りが募った側、励ます側、摘発する側など様々な立場の10人。

    自分と無関係な人には冷淡な日本人、弱者を無視し続けてきた社会に、命をかけてその存在を示す。ここにどれだけのリアリティを感じられるかで、恐い話/荒唐無稽な話、が変わるのかな。

  • 最後が何となくしっくりこなかった。
    だから星一つ減らしたけど、重く興味深い話だった。
    今、現実に希望も持てないような貧困層の人がいるのかどうか、生まれてからずっと同じ層の人としか出会わないのかあまり実感として湧かないけど、確かにそんなニュースは聞いたりする。
    怒りは強大なエネルギーを持って、正義として行動を起こす原動力になるけど、冷静に周りを見て、その後のことと影響を及ぼすであろう関係者のことを想像することが、大切だなと思った。

  • 流石です。

  • 図書館にて題名が気になって手に取った一冊。
    日本各地で起こる小規模なテロを様々な人の観点から語る構成。登場人物とは思想も境遇も違うのに、一人ひとりにどこか共感してしまう節があって少し恐ろしかった。

  • 人をテロに走らせる感情や背景は理解でき、考えさせられた。ただ、ネット上の言動だけでというのは無理があるような。

  • これはミステリーではありません。

  • 全体的にどんよりしていて悲しくなる世界観。
    だけれども作者の文章が上手いのでさくっと読み進めることができる。
    色々考えさせられることがあった作品。

  • ちょっと飽きたかな。
    もともと、短編少し苦手なので、繋がるとは思っていても、少し退屈だったかな。貫井さんだから最後まで読んだけど。小口テロ、これからの日本を見るようなテーマは考えさせられるものでした。

  • 舞台は小口テロが頻発し問題となっている日本。自らの境遇を嘆く若者、日本人そして日本国に対する怒りと失望を露わにする会社員、自らは比較的恵まれた生活を送りつつも弱者に対するシンパシーを持ち、弱者の救済について何か出来ないかと考える者等、何らかの闇を抱える男女が登場する物語です。それら男女の物語に共通するキーパンソンはネット上で若者を教唆していると疑われている”トベ”。“トベ”はいったい何者なのか?そもそも実在する人物なのか?貫井さんの作品らしく、もう一寸ひねって欲しかったかな。

  • うーむ。なんとも。
    難しいね。

著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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