- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022731838
作品紹介・あらすじ
ODA(政府開発援助)は借款等を合わせば1兆円レベル。なぜ、こんな巨額な援助が必要なのか。どうして自衛隊は海外に出て活動しなければならないのか。あなたの疑問に答える「国際援助」入門。
感想・レビュー・書評
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今更ながら必読であった。
JICA、JBICの再編前なので少し内容は古いものの。
国際協力を考える基礎(外交、意義、政府や組織、予算や財政)のほか、ODAの枠組みやDACリストと援助基準、世銀など国際機関とのせめぎ合いにも言及。ODAのみならずJBICの融資(25%未満のOOF)といった枠組みを概観。国際援助の大義についても色々と述べられている。もっと早く出会いたかった。
また、なんなら、インドネシアのウォノギリダムやビリビリダム話も登場したのには驚いた。
インフラ分野の協力の重要性についても、これらのダム案件にも触れながら語られており、バランスのよさに好感(p88)。
その際、ゼネコンや商社やコンサルといったセクターの役割や国際機関における日本人の重要性の指摘にも好感。
環境社会配慮の必要性にも言及はしつつも、共産党的な一面的な批判にも距離をおく。
終盤では、メディアの目線や視座が多く、若干ジャーナリズム風の論調もみられるしやや冗長ではあるものの、やはりバランス感覚もちらつかせる。
なお、中国との関係についても考えさせられる。OECDのDACの枠外でやっている時点で、争うこと自体どうなのか、とも実感した。
よく練られた内容で充実しており、やや古い新書ながら、インフラ輸出に携わる者にとっては必読かと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
国際援助の構造を知りたい方には良書。
何もない日本、だからこそ国際援助は不可欠。他国との関係が悪化して輸入が止まったらいまの暮らしは維持できない。 -
読んで余計ODAの意味が分からなくなった
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情報量は多く、個別的にはまとまっている。
しかし項目ごとの独立性を重視しすぎたためか、全体を通したメッセージが理解しづらく頭に入ってこない。
また表現や論理にノイズが多い印象。あまり学者が書いたものとは思えず、ジャーナリストの経験談のよう。
国際協力の教科書としては頼りないが、導入のために触れてみる程度には良いかもしれない。
第3部の自衛隊の部分はわりと頭に入ってきやすかった印象。殆ど最後の10%分くらいだったけど。 -
タイトルの勢いに見合う説得力に欠ける。考えを共有するからこそ、もっと強い裏付けを期待していたのだが。推薦してるだけあって「ODA」との重複も。
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国際協力にはどんなあり方があるのか知りたかっただけなので、
途中の経済的側面の話は飛ばした。 -
ODAに関しての概要。
「日本の支援によって、途上国は本当に豊かになるのか」
「途上国が経済発展するのは本当に幸せなことなのか」
という疑問について考える。
政府、国際機関、NGO、民間企業と、
色々アクターがいてそれぞれの主張する国際協力の形がある。
問題は、これらアクターが協力できていないこと。
あと、マスコミの力はよくも悪くも大きい。
ひとつの失敗案件だけを取り上げてODAそのものを批判するのは間違ってる。
しかし、総体的な数値のみを取り上げて個別の案件を無視するのも違う。
論文書いてるときも思ったけど、定量的な分析と定性的な分析、
どちらに偏り過ぎるのも良くない。