コンビニだけが、なぜ強い? (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.22
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本棚登録 : 158
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022734372

作品紹介・あらすじ

「美味しい」「便利」は、もはや当たり前の時代。「小売」から「サービスステーション」への道をひた走る、セブン‐イレブン、ローソン、ファミリーマートが行ってきたこととは?もはや社会的インフラの役割を担うまでに成長を遂げたコンビニの「秘策」を徹底取材。3社トップのインタビューも掲載。

感想・レビュー・書評

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  • 3社3用。
    やっぱりセブンなんだなー、
    いろいろと注目はしているものの、
    散逸的傾向にあり、あまりハロハロしているところが、
    お勧めできない。
    1社に前提したほうがよい。

  • 現代のコンビニ事情を紹介する一冊。セブン・ローソン・ファミマの三大コンビニが取り上げられている。基本的には本部のお話。

    基本的に良い側面だけが書かれている。震災の影響が話題として上がっていたが、震災の影響を受けたオーナーに対して、各コンビニがどのように対応したのか、という比較表を作ってくれると個人的には面白かったのだが、まあその辺は触れない方がよい話題なのかもしれない。

    さて、読んでみて、改めてセブンは強いなと感じた。鈴木会長の意志が組織下部にまできちんと滝落ちしている。

    しかし、今後はどうなるかはわからない。売上金額の大きさでセブンを上回ることはないのかもしれないが、独自色を打ち出す小売り形態で、それぞれが独自に売り上げを作る、ということは考えられるだろう。そして、独自色を打ち出しきれないところは、どこかに吸収される、という流れも容易に考えられる。それぐらい、各社が売り上げを作るために必死に動いている。他者の動向に追随する、なんてところは皆無で、いかによりよいモノを提供できるか、という視点はみな共通している。

    特にローソンは非常に面白い。今後、もっと面白い動きが期待できそうな気がする。

    オーナーに関しては、一国一城の主、というよりは、もっと実際のオーナースタイル、つまり複数店舗経営するマジな「経営者」がもっと増えてくるだろう。基本的に、それが良いスタイルだと思う。そこそこの立地で複数店経営していれば、他店の出店リスクにもある程度対応できる。他にもメリットは考えられるが、あまり本筋には関係ないので書くのをやめておく。

    正直、これまでコンビニという業態(およびその契約書)はいびつだったと言っていいだろう。基本的にオーナーが弱者、という位置づけだった。「名ばかり管理職」という言葉があるが、「名ばかり経営者」と表現するにぴったりな仕事だったと思う。

    不況の中でもコンビニ本部が売り上げを伸ばしてきたという歴史はそのいびつなゆがみによってもたらされている部分は大きい(だって、その裏でお店を閉めてしまったり、赤字で経営しているオーナーの存在があるのだから)。

    しかし、それも徐々に変化してきている、という気配はする。

    モノを置いておけば売れる時代はとうに過ぎた。「コンビニ」という理由だけで売れる可能性も低くなっている。

    商売というのは、人が基本だ。オーナー(あるいは店長)が商売に意欲的でないと、良い店は作れない。良い店が作れないと良いスタッフを集められない。そうなると、売り上げはあがらない。

    AタイプではなくCタイプ契約がメインになっていく昨今、コンビニ本社は「商売上手」なオーナーを引き寄せ、また育成していく仕組みを持っておく必要があるだろう。

    紹介エントリー:
    <a href=\"http://rashita.jugem.jp/?eid=1989\">『コンビニだけが、なぜ強い?』を読みました</a>(コンビニBlog)

  • セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、CVSの3強の特色やトップの考えなどが書かれています。
    この本が書かれたのは、2012年。
    そこからわずか5年の間にもCVSは絶えず変化を続けていて、そのスピードは眼を見張るばかりです。
    コーヒーにドーナツなど、この5年の間に市場のシェアを奪い続けて、消費者に取ってより身近になるべく成長を続けています。
    これからもCVSのスピード感と発想の着眼点に目が離せません。

  • 2012年刊行。フリーライターによるコンビニの現状説明本。セブン、ローソン、ファミマを中心に、業態の発展理由と各々の特徴、強みを、関係者・トップの生の声をも踏まえて解説する。明暗の、明を見たいというのであれば参考になるかも。特に、ファミマの海外展開については興味深いところ(ただし、暗の開示、批判的目線はほぼない)。

  •  セブンイレブン、ローソン、ファミリマートの3社の戦略について書かれています。コンビニ業界に興味のある方にはぜひ読んでもらいたい一冊です。コンビニの強さのポイントが明らかにされており、身近なコンビニだからこそ気づけなかったところにも、この本を読み、気づくことができます。同じコンビニという名前でも、この3社の経営方針は異なり、変化し続けています。そして、それぞれのコンビニのテーマにも注目してほしいです。

  • 2015年7月9日読了。コンビニ上位3社(セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート)の取材結果から見えるそれぞれの戦略の違い。成長を続けるコンビニ業界だが、「他社のやることを何でも真似する」という業態はすでに一巡しており、トップダウンで「近くて便利」のコンセプト・ドミナント出店戦略を徹底するセブン、「チャレンジ」「現場主義」を重要視して変化を続けるローソン、国内では「親しみやすさ」を強調・アジア各国への展開に積極的なファミマ、というように各社が「独自性」「お客様に選ばれるコンビニ」を目指してしのぎを削っているということがよく分かった。ネットショッピングは脅威とはいえ、それでもリアル店舗の需要がある限り、コンビニの需要はなくなりはしないということか。この3社以外の中堅コンビニはどうやって競争していくのか・飲み込まれてなくなる運命なのか、気になるところ。

  • セブンイレブンについてだけは多くの書籍で取り上げられているが、他のチェーンについて表面だけではなくここまで掘り下げたものは初めて見た。
    コンビニはどこも同じ土俵の同じ路線で体力勝負しているのかと思ったが、戦略は大きく異なることが少し分かった気がする。
    特にファミマのいろんな意味での「本気度」に興味を持った。

  • セブンイレブン
    「近くて便利な店」
     1.トップのリーダーシップ
        理念を貫き社員に伝え続ける。
     2.商品力
        おいしくないものは売らない。
        家庭と同じようにつくる。
     3.オペレーション力=伝達力
        会議で情報共有。
        POSは検証のために使用。
        社会の変化に応じて変わり続ける。
      
    ファミリーマート
    「らしさ活動」
     ターゲットを絞った戦略
    「日本も世界も」
     1988年の台湾をスタートに、いち早い海外展開。
      現地企業との合弁。
      この10年で台湾、韓国中心に海外店舗数5倍。
      日本を越えた。

    ローソン
    「イノベーション」
     Ponta4000万人データ分析によるブランド戦略
     客層の拡大のための特定店舗
     独資で中国展開

    コンビニの強さの理由
     ①半歩先を行く「変化対応力」
     ②他社を巻き込んで緊張感をもって作る「商品力」
     ③しくみの「効率性」
     ④エンタメコラボなどの「娯楽性」
     ⑤減少する金融機関、郵便局、交番、役場、ガソリンスタンドの役割を担う「公共性」

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:673.86//Y92

  • コンビニを見る目が変わると思う。セブン、ローソン、ファミマのそれぞれの戦略、施策について、どういう考えで至っているかについて、現場の声、トップの声を交えて説く。特に、7-11については、学生の頃より注目していたので、(関連の仕事をしていた、店で働いていた訳ではない)、その変化などにもついて、追っかけていたが、他のチェーンもそれなりの考えがあって変化している。彼らの行く先は同じではないと思った。

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著者プロフィール

コンビニジャーナリスト。関西大学社会学部卒業。2000年代前半からコンビニの取材に携わり、ビジネスやライフ雑誌、ネットニュースなど多数のメディアでコンビニ情報を発信中。そのマニアぶりから、テレビ・ラジオ番組に出演し、コンビニのヒット商品について解説をすることも。著書に『セブン‐イレブンおでん部会─ヒット商品開発の裏側』『セブン‐イレブン 金の法則─ヒット商品は「ど真ん中」をねらえ』 (ともに朝日新書)など多数。

「2019年 『コンビニ おいしい進化史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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