本当は日本が大好きな中国人 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022736161

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学評論随筆その他】反日デモ、抗日ドラマ……。こうした連日のメディアの情報は「中国人はみんな反日だ」というイメージを私たちに植えつける。しかし、実際は「中国人は実は日本が大好き」だった。数々の具体例で既成概念をひっくり返す画期的中国人論!

感想・レビュー・書評

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  • 文字通り、日本のことが好きな中国の話。

    政治的な話はあまりなく、主に日本の文化史の話で読みやすかった。

  • 香港に住んで、スタッフに大陸出身者も抱えて仕事してるから、普通に日本に住んでるよりは中国人について知ってる方だとは思う。けど、日本人同士だって世代が違えば判らないように、今の中国の若い子が考えてることなんて判ったようで判ってない。最近発売になる中国本と言えば、叩くか阿るかばかりのなかで、まあこの本は割とストレートに今の中国人の日本への想いを伝えているんじゃないかな、と思う。日本にいて、普段中国に接することが無くて、漠然と中国人にネガティブな感情持ってる人は、取っつきやすいし読んだらいいんじゃないかな。大体、中国人は日本について良く知ってるのに、日本人は中国に興味がないから、情報量に差がある。これは徹底的に事実だと思う。そうするとネガティブな感情って蔓延しやすい。
    余談だが僕の部下には中国大陸出身の若い子が4人いる。みんな20代で独身で、まあ正直何考えてるのか良くわかんない(苦笑)。でも、日本人の下で働くのも全然嫌そうじゃないし、日本に出張って言うと行きたそうにしてる。彼らがどんなこと考えてるのか、改めて話してみようとも思ったよ。(^^;

  • 「日本的なもの」が日本人の創造以上に中国の人々に影響を与えているという事実が、福島氏の実体験やインタビューなどからあぶり出されている。蒼井そらや日本のアニメなどが中国で人気なのはよく知られた話ではあるが、そうした分かりやすいものではなくとも、日本的な生活スタイルや文学作品に至るまで、中国人の意識せざるところで確実な影響を与えているのが興味深い。
    よくある礼賛本とは一線を画した、日本がどのように中国に影響を与えているかというのとが筆者の長年の中国での知見から説得力をもって示されている。良書。

  • ルポとしてはとても優秀で、現代中国風俗の中での日本文化なるもののポジションがよくわかる、よく纏まっていて、大変読みやすい本。

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    ネット記事で中国人が「銀河英雄伝説」が好きであると書いてあると聞き、読み始めた。
    この本を読んで感じたことはかつて日本が中国から文化を取り組んだように中国も日本から文化を取り組んでいるのだと言うことを強く感じた。
    経済的にも日本と中国は強く結びついているのだから、今後もうまく付き合えるようになればいいけどな。

  • youtubeでUPされている著者出演ラジオ番組のコメントで、「福島さんは本当に勉強している」というコメントを見たことがあるが、本書を読了し、そのコメントに同意した。
    今まで読んできた著者の本の内容は、昔から言われている中国の社会問題について述べられたものであった。(うまく説明できないが)
    本作は中国最先端の流行について多く述べられている。もしも著者が今までの自分の実績(知識)にあぐらをかいていたのでは到底書けない内容である。
    著者は絶えることなく中国を追い続けているのだろう。敬服する。

  • 福島さんの本を読むのは今度が初めてである。(正直ぼくは福島さんはずっと男性だと思っていた)福島さんは奈良の女で(というとぼくの中には一種のイメージがある)、大阪大学文学部を出たあと産経新聞に入り、上海の復旦大に留学させてもらったあと、香港支局長や中国総局特派員までしている。そのあと退社してフリーになるのだが、その書き方は現場主義で、自分が見たものとそうでないものをはっきりわける。わかりやすい。また、女性ならではの取材方法、書き方がはしばしに見える。正直、この書き方は男ならしないなあと思うところがいくつかあった。とても女性を意識させられる本である。本書はそのタイトルからわかるように、中国人が日本の、日本人のどこが好きかを書いたもので、「モテル日本人」「日本人のライフスタイルへのあこがれ」「日本文学の影響」「サブカルチャーの影響」「中国の近代史に与えた日本の影響」などの章からなる。読めば、なんだ中国人は日本のことをこんなに評価しているのかと自信を持たせてくれる本である。実際、生の中国人と接していると、中国の反日は幻かと思えるところがある。中国はいやだ、中国人は嫌いだと言っている日本人にぜひ読ませたい本である。福島さんはこうしたテーマを書くために一つ一つの作品に当たり、人にインタビューしている。まさに現場主義の強みに満ちあふれた本である。

  • このような本で、中国では銀英伝が大人気。ファンサークルもあるという話を知るのは意外だった。こんな話ばかりではなく、日本のソフトパワーが中国ではどのように受け入れられているかのレポート

  • 日本のサブカルがここまで中国人に影響を与えてるのかと驚いた。必読。

  • インバウンドのセミナーがあり、中国人が大挙している実情の中、彼らが日本のことをどう思っているのかと。ドラえもん、高倉健、蒼井そら、村上春樹などの中国で人気のある人物?を通して、また、現地で人気のジャスコや、お土産に買われていく南部鉄瓶を通して、中国人の日本観を説く。

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著者プロフィール

ジャーナリスト、中国ウォッチャー、文筆家。
1967年、奈良市生まれ。大阪大学文学部卒業後、1991年、産経新聞社に入社。上海復旦大学に業務留学後、香港支局長、中国総局(北京)駐在記者、政治部記者などを経て2009年に退社。以降はフリージャーナリストとして月刊誌、週刊誌に寄稿。ラジオ、テレビでのコメンテーターも務める。
著書に、『習近平 最後の戦い』(徳間書店)、『台湾に何が起きているのか』『ウイグル人に何が起きているのか』(以上、PHP新書)、『習近平王朝の危険な野望』(さくら舎)、『孔子を捨てた国』(飛鳥新社)など多数。
ウェブマガジン「福島香織の中国趣聞(チャイナゴシップス)」を連載中。

「2023年 『習近平「独裁新時代」崩壊のカウントダウン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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