予言するアメリカ 事件と映画にみる超大国の未来 (朝日新書)

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  • 朝日新聞出版
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022737267

感想・レビュー・書評

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  • 映画を通してアメリカ社会の変遷を考えるとのテーマでいいのかな?

    1997年公開の「タイタニック」から、2017年公開の「ワンダー・
    ウーマン」までを、それぞれの時代のアメリカの政治や世相に
    照らし合わせて著者が解説をしている。

    共和党と民主党の2大政党制が生きているアメリカ政治を理解していない
    と分かり難い部分もあるかと感じたが、映画作品自体の解説はこじつけ
    部分も含めてなかなか面白かった。

    西部劇の流れを汲む分かりやすい「正義」から、アンチ・ヒーローを
    主役に据えた作品、圧倒的なヒーロー礼賛ではなくその闇の部分を
    描く作品と、ハリウッドも社会の変化と共に映画作品自体を変化させ
    ている。

    なんて小難しいことを考えながら見てはいないんだけどね、私は。

    でも、著者が指摘しているように1998年公開の「マーシャル・ロー」
    は9.11後のアメリカを予言したような作品であるというのには納得。

    所詮、映画や本というのは絶対的な理解の仕方があるわけじゃないので、
    著者の解説もひとつの映画の捉え方と考えるのがいいのかもしれない。

    アメリカ在住の著者だけあって、各作品の公開時のアメリカ人の劇場
    での反応は興味深かったな。政治的スタンスで作品に対しての討論が
    その場で起きるなんて日本じゃきっとないもの。

  • 内容ですが、
    はじめに
     アメリカは「正義」や「理想」を捨てたのか
     非アメリカ化するアメリカ
     揺らぐ「正義」の概念
    「アメリカらしさ」を映す鏡としてのハリウッド映画
    第1章 動揺を始めたアメリカの「正義」
    第2章 戦時を通じた「正義」の変容
    第3章 ハリウッドの描き出す孤独
    第4章 ポスト・ダークナイト・シンドローム
    第5章 ハリウッドにおける「日本」、その変化
    第6章 ミレニアル世代はアメリカを変えていく
    おわりに
    ということです。
    著者の見立てですが、トランプ時代に突入する中で、アメリカの現在、過去、未来を俯瞰するのは難しくなった。
    対立軸の変容というストーリー、アメリカが劣化しているという判断なども確かであろう。
    だが、近未来のアメリカを「予言」するのは実に難しい。
    しかしながら、著者は、過去17年間にわたって、ハリウッドに親しみつつ、ハリウッドを俯瞰的に見る作業を着実に行ってきたのである。
    その中から言えることは、トランプが勝ったのではなく、ヒラリー的なるものの敗北をもたらしたアメリカの現在、特にその絶対数が増加するミレニアル世代の動向を注視していくことの重要性を著者は示唆している。
    米国に住み、ずっとハリウッド映画を見、分析してきた著者の手法には説得力がある。
    いずれにしても、時代・時代に発せられる様々な「情報」を精緻に読み解き、一定の仮説を立てる作業、恐れ入りました(笑)。

  • ダークナイト早くみないと。

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プロフィール

1959年東京生まれ。東京大学文学部、コロンビア大学大学院(修士)卒。 著書に『911 セプテンバーイレブンス』『メジャーリーグの愛され方』『「関係の空気」「場の空気」』『アメリカは本当に「貧困大国」なのか?』『チェンジはどこへ消えたか~オーラをなくしたオバマの試練』。訳書に『チャター』がある。 最新作は『場違いな人~「空気」と「目線」に悩まないコミュニケーション』(大和書房)。村上龍のメルマガJMMに「USAレポート」を寄稿。ニューズウイーク日本版でコラム連載。NHKBS『クールジャパン』の準レギュラー。

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