新型格差社会 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022951205

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすい。理解しやすい。生きる力を若い人はつけて欲しい。

  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001190606

  • リモートワークについての考察は良いかと思うが、格差という言葉に全てつなげるのは??とも。。

  • 漠然と、気付いていたことが明文化されており、答え合わせが出来た感。

  •  著者の著作(研究)はこれまでいくつか読んできた。この令和初めのコロナ禍で社会の格差が先鋭化したという。素人ながらにも格差の有り様は別次元のステージに入ったのではないかと感じている。
     著者は、「1家族格差 2教育格差 3仕事格差 4地域格差 5消費格差」の5つのカテゴリーにおける格差やその有り様の変化を解説している。もはや「自助努力」「自己責任」といった新自由主義の考え方では、格差の是正は難しいと説く。
     いま世界的に気候温暖化に対する取組を初めとして、SDGs(Sustainable Development Goals)の機運が高まるなか、大航海時代から現在に至るまで地球上の列強諸国が歩んできた反省すべき点を糧とし、さらなるパラダイムシフトが必要なんだと思う。新しい世代にその萌芽があるのではないだろうか。

  • 6月新着
    東京大学医学図書館の所蔵情報
    http://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2003562933

  •  
    ── 山田 昌弘《新型格差社会 20210413 朝日新書》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4022951206
     
     Yamada, Masahiro 社会学 19571130 東京 /中央大学文学部教授
    /コピーライター/家族社会学・感情社会学・ジェンダー論。
     
    …… 東京学芸大学の助教授だった1999年(平成11年)、成人後や学卒
    後も親と同居し続ける未婚者を“パラサイト・シングル”と命名し話題
    に。一躍その名を知られるようになる。近年では新書『「婚活」時代』
    の中で、白河 桃子と共に「婚活」という造語を考案・提唱し、流行さ
    せた。流行語大賞の時に授与された記念の盾は今も研究室で大切に保管
    されている。またチョコレート好きでも知られ、毎日食べるほどである。
     
    20210504
    https://news.yahoo.co.jp/articles/e1100e287c29ffbf013f3bb94cbec54d2f9d1e83?source=rss
     
    …… 都市部で中学受験をする家庭が増えている。社会学者の山田 昌弘
    氏は「日本では教育格差が進行している。中学受験をできるかどうかで
    その後の人生ルートがある程度決まってしまう」と指摘する――。
     
     ※本稿は、山田 昌弘《新型格差社会 朝日新書》の一部を再編集した
    ものです。
    >>
    ■コミュニケーション力が過剰に求められる現在
     
     他人と円滑に意思疎通をするコミュニケーション力を重視する傾向は、
    あらゆる企業の採用で広がっています。
     
     30年程前までは、公務員試験ではペーパーテストさえ合格すれば、面
    接はほぼフリーパスでした。しかし最近は、ペーパーテストの成績の比
    率が下がり、面接の印象が良くなければ合格できなくなりました。多く
    の企業も採用で重視する項目に「コミュニケーション力」を挙げており、
    「真面目にコツコツ努力することが得意、でも人と喋るのが苦手」な学
    生は、就職活動で自分をアピールできず、何十社受けても一社も内定が
    出ないことが珍しくないのです。
     
     学生もそのことを自覚していますが、コミュニケーション力には性格
    も関係するため、一朝一夕にはなかなか変えられません。コミュ力重視
    の就職活動に無理やり自分を適応させることに疲れ果て、就活をやめて
    しまい家に引きこもってしまう学生もいます。最近は就活指導を専門と
    する塾もあちこちにでき、そうした場では面接指導なども行っています。
    膨大なデータが蓄積されていて、何々省採用向けの面接、銀行採用向け
    の面接など、採用先に合わせた面接指導もしています。当然のように安
    くない受講料がかかります。
     
    ■子どもの興味関心は、親の教養に左右される
     
     社会の動向に通じている人の中には、「今後の社会を生きていくため
    にはコミュニケーション力が必要だ」と早くから気づき、インターナシ
    ョナルスクールや先進的な教育を行っている学校に子どもを通わせてい
    る親も少なくありません。以前、ある公立の科学館に講演に行ったので
    すが、そこで行われていた子ども向けの科学教室では、小学生になった
    ばかりの児童の取り組みを母親たちが参観していました。きっとその親
    たちは、自分の子どもがサイエンスに興味を持つことを願って、その教
    室に申し込んだはずです。科学実験をしている子どもたちを熱心に見て
    いる母親の姿に驚いたものです。ちなみに費用はほとんどかかりません。
     
     子どもの知的な興味や関心は、親自身の教養に対する関心に大きく左
    右されます。家に大きな本棚があって、そこにたくさんの本がある家庭
    に育った子どもと、まったく読書をしない親のもとに育った子どもでは、
    知的好奇心に大きな格差が自然に生まれてしまうのです。OECD(経済協
    力開発機構)の調査でも、自宅にある本の冊数と子どもの学習成績の間
    には相関があるという結果が出ています。
    <<
    https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1620096675/
     
    (20210504)
     

  • p61 子どものかけられるお金 1994年と2018年では後者が3-5万減っている

    p67 1975年の国公立授業料 3.6万 1986年 25万
    2020年 文系 53万 理系 80万

    p78 小4くらいの時点で毎月5万の受講料がかかる中学受験専門塾に通えるかどうかで、その後の人生ルートがある程度きまってしまう。 親の所得が子ども世代に影響し、格差が再生産されている状況

    p85 学校で学んだことを一切忘れてしまったときに、なお残っているもの、それこそ教育だ アインシュタイン

    p123 生まれ故郷の土地に、ライフステージに応じた場がない 生活の糧を得るための仕事の場、自分のこどもを通わせたい教育の場、地域のコミュニティを感じられる場、日用品を不便なく購入できる場、いざというときかかれる医療の場

    p125 代替が難しいのが教育と医療

    p137 大きな2つの変化 移動の自由、通信手段の自由

    p140 一生この土地にいるつもりはないという人々が多数派になったとき、地域コミュニティの維持は難しくなる

    地域のトラブルは近所付き合いの中で解決してきたものが、いまや一足飛びに区役所や町役場にクレームが押し寄せる

    p143 住宅すごろくゲームが成り立たなくなった地域コミュニティでは、従来型の地元意識と新しい移住者のコミュニティ意識の希薄さの間に大きな溝が発生している

    p149 教育と年収、地価は密接に結びついている

    p150 ボランティアや地域活動というのは、助ける余裕がある人と助けを必要とする人の両者がいて成り立つ

    p151 イギリスのかつてのコミュニティ開発の失敗
    ロンドン郊外 コミュニティ活性化地域 貧困から抜け出し、就職して経済的余裕ができた人、つまり自ら助ける余裕がある人になれた瞬間、その人々はその地域から次々と脱出していった

    p152 自己責任論がつくる階級社会 貧富の格差が長期化、固定化、鮮烈化している

    p156 マイホームあってのパラサイトシングル

    p159 2000年頃に成人し、非正規雇用で人生をスタートし、そのまま不安定な生活を続けていた世代が、2021年現在、子を持つ親の年齢になっている

    p163 本書では、その格差が長期化、固定化され、かつ世代を超えて受け継がれ、階級社会化することを問題視したいのです

    家族消費から個人消費へ

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著者プロフィール

大阪府出身。京都大学法学部卒。華々しい英雄伝が好きですが、裏話的なテーマも、人物の個性をあぶり出してくれるので、割と嗜みます。著書に『世界ナンバー2列伝』(社会評論社)など。

「2016年 『童貞の世界史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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