- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784023309463
感想・レビュー・書評
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ひとつの単純化した切り口で見えてくるものもある、という前置きを正しく受けて読むと有効。
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ちょっと軽めの本をと思って読み始めてから気づいたが、そういえば自分はワンピースもガンダムも読んでない/観てない。
前半は、ワンピース、ガンダムに代表させた世代論。後半は、(たぶんこっちが本当は書きたいんだと思うんだが)、日本の財政状況・経済状況を元にした近未来シュミレーション。
前半は分かりやすさを優先させるあまり単純化され現象の説明だけで話の向かう先がよく見えず、後半は後半で細かい論証が省かれているのでフィクションの色合いが強くワンピースとガンダムはどこ行っちゃったのという感じで、両者がうまくかみ合っていずバランスが悪い印象。 -
著者の鈴木さんは経営コンサルタントで、本書は日経BPのサイトに連載していた「鈴木貴博のビジネスを考える日」を基にして書かれた本です。
本書の題名に使われている「ワンピース世代」と「ガンダム世代」と言う言葉ですが、それぞれのアニメ・マンガに10代の事に接し、人格形成に大きな影響を受けた世代の事を指します。
つまり、具体的には「ワンピース世代」とは現時点で20代、「ガンダム世代」は40代と言う事ですが、
2つの世代を比較する事によりジェネレーションギャップを浮かび上がらせるだけでなく、今後、大きな不利益を受けるであろう若者世代と老人世代との(故ドラッカーが主張した)世代階級対立が起こる可能性を指摘し、彼らの板挟みになる「ガンダム世代」の苦悩等について書かれた内容となっています。
所属している組織を重視する「ガンダム世代」とは対照的に友人・仲間との関係を重視する「ワンピース世代」の有り様を指摘すると共に、組織への忠誠心に薄い「ワンピース世代」へ戸惑いを覚える「ガンダム世代」の様子が描き出されており、それらを基に
「現在社会では従来の常識が判断基準たり得なくなっている」
と主張しており、「ワンピース世代」の不満を権威で押しつぶす事の危険性を指摘し、「ガンダム世代」に彼らの不満をくみ取るように提言している点が興味深い内容でした。
若干感覚的な文章で筆が滑った感じもしないでもありませんが、気軽にサクサクと読める文章ですので、普段余り読書をしない方にもおすすめではないでしょうか。 -
タイトルだけで借りてみた本。それぞれの漫画、アニメが絶頂期のころに青年期を迎えた世代がどのような世代か分析し、未来を予測する内容。
ブログはこちら。
http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/3970184.html -
ただ、タイトルに惹かれて手に取った作品。
ガンダム世代=タテ社会、ワンピース世代=ヨコ社会
↑なるほど、と思った。
確実にワンピース世代にはまる自分。ガンダム世代との違いは何かなんとなく分かった。
現代社会を、ガンダム世代とワンピース世代の視点から見つめているのは面白い切り口だと思う。
ただ、ビジネス問題は難しくてよく呑み込めなかった部分も多々あった。
でも、今後の日本を考えるうえで多少参考になる本なのかもしれない。 -
私の属する「ガンダム世代」(およそ40代)と、ONE PIECE世代(およそ20代)の価値観の差をベースにしながら、日本の将来を憂えるという構成。「これからの日本社会を舵取りするガンダム世代は、状況に苦悩することはあれど、状況を解決する力は持っていない」とまで言い切られると、反発したくなるところだが、痛いところを突かれた部分も多い。ちょっとタイトルに引きずられ過ぎた構成が惜しい。
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本書の内容を簡単に言うと世代論です。
ただ、本書のユニークなところは、ただの世代論ではなく、それぞれの世代について、その世代が最も影響を受けている「アニメ(漫画)」を基に考察しているところ。
その切り口がとても新鮮でしたが、内容は非常に納得させられるものでした。
本書では、現在の45歳から55歳の上級管理職世代を「ガンダム世代」と定義しています。(著者もガンダム世代にあたる)
そんなガンダム世代が全く理解できない世代が、20歳から30歳の「ワンピース世代」。
このガンダム世代とワンピース世代は、そもそも価値観が大きく異なります。
それぞれの世代の特徴を簡単にまとめると以下。
【ガンダム世代】
「組織への従属」と「人類のニュータイプへの進化への憧れ」を持つ。
【ワンピース世代】
価値観は「自由」と「仲間」。そして「自分で正しいと思うことを判断する」という行動規範をもつ。
ガンダム世代は組織は理不尽なものと理解しつつも、そこに所属することをよしとしている。
一方、ワンピース世代は組織への所属よりも仲間への所属をよしとしている。
この価値観の差が、社会に対する所属感や責任感の差を生み出し、ガンダム世代の理解を苦しめると言います。
確かにそうだと思います。
僕は本書で言う「ワンピース世代」にあたるわけですが、僕も今の会社に一生勤めることは想像できません。
僕たちの世代は、物心ついた時には、バブルは崩壊し、阪神大震災、9.11、と暗い現実を思春期に経験。
その後社会人になってからはリーマンショックから続く現在の不況。
つまり、明るい日本を見ていないのです。
だから、一つの会社にずっと勤めていて、幸せになれるとは思えないのです。
つまり、僕たちのような「ワンピース世代」を作ったのは、社会であり、言ってしまえば、「ガンダム世代」なのです。
著者はこう言っています。
「ガンダム世代がワンピース世代の若者に雇用機会を始めとする様々なチャンスを平等に与えられない以上、いつか若者の仲間を社会が傷つけ、仲間を守るために若者が社会に立ち向かう日が来ることだろう。そして、何とかそれらのパワーを権力で押さえ込まずに、解決の道を見つけてあげられないと、われわれガンダム世代も含めて未来は暗いものになるだろう。」
日本の未来のためにそれぞれの世代がやれることはまだまだたくさんあるはずです。
そのためには、まず、お互いの特徴を理解すること。
そして、それぞれの価値観を持ったままでも、日本を良い国にしていくという方向性だけ合わせられればいいのではないでしょうか。 -
タイトルに魅せられて、大阪までの新幹線往復の間に一気に読み切りました。中年管理職のサラリーマンにお勧めです。未来を予言しては外す著書が多い鈴木貴博だが、ズバッと切り込む分析は爽快で読んでいて気持ちがいい。ハイリコメンドです。