報道されない中東の真実 動乱のシリア・アラブ世界の地殻変動

著者 :
  • 朝日新聞出版
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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023312920

作品紹介・あらすじ

【社会科学/社会科学総記】シリア問題を契機として、アラブ諸国は合従連衡と離反を繰り返してうごめいている。欧米・日本メディアが報道しない、中東の”真実”とは何か、展望は開けるのか。激変している中東各国の現状を前シリア大使が取材・解説。

感想・レビュー・書評

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  • 本は読むペースより買うペースの方が圧倒的に速い。本来なら、
    読める分量だけ購入すればいいのだが、ノンフィクションは
    見掛けた時に買っておかないと、次に出会えるのは古書店の
    棚だったりする。

    古書店で再会出来ればいい方だ。物によっては何年も探求書
    リストに載せっぱなしの作品もある。

    何年も経って読んでも色褪せない作品もあれば、出版当時に
    読まないと内容と現実がいささか乖離してしまっている作品
    もある。

    本書がそうだった。2011年3月の民衆蜂起から始まったシリア
    動乱のレポートなのだが、出版されたのは今年の夏。

    そう、シリア情勢は現在、アサド政権vs反政府武装勢力という
    よりも、イスラム国vs外国勢力になってしまっている。

    ニュースでシリアのアサド大統領を見る度に、「この人は本当
    にそんなに悪い人なのか」と疑問を持っていた。勿論、中東の
    情勢に詳しいわけではないのだが、どうにも報道が言うような
    「悪人」には見えなかったんだよね。

    例えばそれは砂漠の狂犬・リビアのカダフィ大佐や、イラクの
    サダム・フセインについてもそうなのだけれど、欧米のメディア
    の解釈をそのまま垂れ流す日本の報道には常に懐疑的だった
    からかもしれない。

    著者は元シリア大使だけあって、アサド政権中枢の人物にも
    取材をし、実際に自身がシリア滞在中に見聞した事柄を
    踏まえて中立な立場でシリア情勢をレポートしている。

    眼からうろこですよ。ポロポロと落ちる。日本のメディアが
    どれだけ欧米視点で中東を報道しているかも分かるわ。

    アメリカは「リビアの夢よ、もう一度」でアサド大統領を
    簡単に排除できると思っていたようだ。国連安保理決議
    では中国とロシアに反対されて武力行使は断念した。

    尚、第1章「民衆蜂起」は中東やイスラムに対する知識が少ない
    のでかなり辛かったが、第2章以降で反体制派や宗教・宗派、
    関係諸国の思惑等を解説している。

    同じイスラム圏であろうとも一枚岩ではない。そこには宗派の
    対立からの衝突もある。そのいい例がシリアに対するカタール
    だ。

    金の力に任せて中東情勢をひっくり返そうとするカタール。
    こんな酷い国だったのかよっ。そして、アルジャジーラの
    偏向報道に絶望した。シクシク。

  • お勉強がてら読みました。
    ちょっと後半になると予備知識ない私には、ついてけなくなってきたけど。現場を知る人の声、貴重。
    この方の本、他にも読んでみようー

  • 中東各国の現状を元シリア大使が取材・解説ということだが、一般的な報道による、アサド政権は民衆を抑圧する「悪」とか、中東問題=シーアとスンニー派の宗教対立であるといった見方から、もう数歩進んで大きく複雑に掘り下げられており、アラブ諸国・欧米・反体制派の思惑は何なのか等が綿密な解説で述べられていく。
    ただ予備知識のない我等素人には人名・組織名をはじめ余りにもたくさんの名称や歴史の羅列が続き、全体像の理解には遠く及ばないし、読了にも苦痛を感じたというのが正直なところである。
    相関図や時系列の解説図等があれば、なお筆者の言う真実により迫れるのかもしれない。

  • シリア政府はいいがかりだとばかりに否定するが、減z内のシリアには反体制派と称しながら、実は盗賊集団に過ぎないのがたくさんいる。
    シリアのアサド政権がシーア派ではなく、世俗国家。

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