くまのビーディーくん (世界の絵本)

  • 偕成社
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本棚登録 : 370
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (46ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784032022308

感想・レビュー・書評

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  • 「わかった!次(の展開は)こうなるんでしょ!」という小2娘の予想をことごとく裏切る展開!
    モノトーンの絵が、温かみのある表情をとてもひきたたせてくれる1冊。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    くまのビーディーくんは、セイヤーくんが持っているゼンマイ仕掛けのおもちゃです。

    ある日ビーディーくんは、本でくまがほらあなに住むことを知ります。
    丘の上を見てみると、ビーディーくんにぴったりのほらあなが見えました。

    ビーディーくんは、そのほらあなで過ごしてみることにしたのですが…

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    本文は全43ページと、とても多いのですが、1ページあたりの文章量は2行なので、サクサク読み進められました。
    読み聞かせの場合は10分強くらいで読み終わります。

    表紙こそ、黄色カラーの色がついていますが、本文中はすべて白黒の版画のような挿絵です。
    でも、カラフルなカラーのないモノトーン挿絵であることで、ビーディーくんの瞳のやさしさがとても際立ち、絵だけ見ていてもすごく和みます。
    特にラストページのビーディーくんは、表情と瞳を見るだけで、ビーディーくんがそのとき感じている暖かで幸せな気持ちがとても伝わってきて、ほっこりしました。

    ほらあなで過ごすビーディーくんは、居心地の悪さを改善するために、家からいろんなものを運んできます。
    小2の娘は「わかった!これを持ってくるんでしょ?!」とアレコレ予想をするのですが、これが全然当たりませんでした。びっくり!
    ても、その予想が外れるところもかえって娘はおもしろかったようです。

    「ゆうかん」「おあつらえむき」「めっぽう」「いやに」などの、なかなか意味がすぐわからない言葉もあり、娘と一緒に辞書をひいて楽しみました。
    幼児~小学校低学年にとってもオススメな絵本です。

  •  図書館の読み聞かせ講座で初めてこの絵本を知り、涙がこぼれた。
     ぜんまいじかけのぬいぐるみのビーディくんが、セイヤーくんと暮らす家を出るとそこには…
     ぬいぐるみのビーディくんと、持ち主のセイヤーくんの温かい友情と信頼関係…こんな関係に憧れます。

  • くまのビーディーくんはゼンマイで動くくまです。セイヤーくんのおもちゃです。二人はよくかくれんぼをしてあそびました。ある冬の日、セイヤーくんが出かけたので、ビーディーくんは本を見て一人あそび。本でくまはほら穴にすむと知り、家から見えるほら穴へ引っ越すのですが、そこはなかなか住み心地が良くならなくて…。
    ビーディーくんの動ける感じが凄く不思議に現実と入交っていて、くまのコールテンくん同様、たまらなくお話の世界に引き込まれます。白黒の絵も全然古びておらず、図工、版画の時間の参考にもなりそう。1954年の本でコールテン君の前身というところでしょうか。

  • 大切なものはなんだったかな。
    セイヤーくんと一緒にいるビーディーくんの佇まいが本当に愛らしい。
    木版画の線がなんとも言えず暖かい絵本。

    • workmaさん
      skip-cooさん
      木版画の白黒の世界なのに、温かさを感じる絵本ですよね。自分もこの絵本が大好きです
      skip-cooさん
      木版画の白黒の世界なのに、温かさを感じる絵本ですよね。自分もこの絵本が大好きです
      2022/02/27
  • 2018.3.15
    こういうお話大好き。「冒険したい」と「おうちがいちばん」みたいな。どんどん外にいけばいい。でもホームはちゃんとある。信じられる人がちゃんといる。子ども時代ってその根っこを作る時期なのかもね。

  • 全世界が泣いた!みたいな過剰なドラマティックさはありませんが、ついつい読んでしまう、大好きな絵本です。

    ー以下ネタバレー

    おもちゃのくまのビーディくんが、持ち主の少年の留守中、自我に目覚めて快適な生活について試行錯誤する様が人間らしくて可愛らしいです。

    おもちゃのくまとしての尊厳は、子どもの尊厳に通じる部分もあり、家族(持ち主の少年)の大切さなど、深い味わいがありますが、とにかく優しいあたたかい世界観なので、何か辛いことがあった時にほっこりできる本にもなるかも。

    黒と黄色しか使っていないのに、版画(?)の味わい深い絵柄も素敵で大好きな一冊です。
    長年、版を重ねて今でも一般書店に並ぶほど愛されていて、とても嬉しいです。

    (幼稚園時代、毎月、園での集団購入のようなシステムで届いた本だと思います)

  • なかなかのいいお話でした。クマの人形の気持ちがすなおにあたたかい。

  • #くまのコールテン くん で知られている
    #ドンフリーマン の作品、

    #くまのビーディーくん
    #松岡享子  訳
    #偕成社

    をご紹介します。

    3-4歳のお子さんが急速に広がる世界の中、不安と勇気とがまぜこぜのそんな時期にそっと本棚に置いて欲しい本かもしれません。今まで知らなかった自分の気持ち、まだまだ上手に言葉にはできない、そんな時に読んでもらうことで安心したり、一歩前に踏み出せたりしそうですよ!
    .
    ゼンマイじかけのくまのビーディーくん、仲良しのセイヤーくんが留守の間に家出をします。何故って…勇敢なくまはほらあなに住む〜ということを知ったからです。
    .
    やっとみつけたほらあなに「なにかがたりないぞ〜」と感じるビーディーくんは、

    ライト
    新聞
    ……
    次から次へとほらあなに物を持ち込みます。でも…まだ何かたりないぞ〜??
    .
    僕は一人で寝られる…だから枕?
    暗くったってもう怖くない…だからライト?
    パパがいつも読んでるから…だから新聞?
    そんなふうに思うと、本当に自立しようとする子供達の姿そのものですね〜。
    .
    でもビーディーくんはゼンマイじかけ、時々カタンと止まり、コロンと仰向けになってしまいます。そんな時に誰がネジを巻いてくれるの?そう、セイヤーくんです。セイヤーくんのいない生活はありえないのです。
    .
    「君はネジをまかなくちゃだめだってことわかんないのかい?」
    「そのネジをまくぼくがいなければ」
    そして
    「だったらセイヤーくんはだれがいなくちゃだめなの?」
    「きまってるじゃないか、きみだよビーディー!」
    .
    ここで誰かに必要とされることの大切さをきっと感じでくれるでしょう。何か足りない〜?と思っていたビーディーくんの答えはきっとこれですね!
    .
    成長をしていく中、自分が安心できる人や場所がなくてはならない、回りに依存しなければならない弱さもありつつ、そして自分も誰かに必要とされる存在でなければいけないことを感じ取ることのできる素敵なストーリーだと思います。
    .
    絵本の醍醐味はそこに共感できるものがあり、自然と自分と向き合うチャンスをつくってくれるもの、それを大好きなお母さんの声で聞くからこそほっとするのではないでしょうか?
    .
    最後にてとまえあし、まえあしとてをしっかりつないで……とあります。なんだか二人の強い絆と、幸せオーラが読み手にもパワーを分けてくれているようです。

    • Kidsroom遊さん
      本当にそうですね!
      久しぶりにまた読みたくなりました〜!ありがとうございます!
      本当にそうですね!
      久しぶりにまた読みたくなりました〜!ありがとうございます!
      2021/03/14
    • workmaさん
      コメントありがとうございます♪ 
       小学校の低学年に読み聞かせしていて…
      途中泣きそうになりつつ…声が震えないように気をつけて…読み終わりま...
      コメントありがとうございます♪ 
       小学校の低学年に読み聞かせしていて…
      途中泣きそうになりつつ…声が震えないように気をつけて…読み終わりました… 

      図書館の読み聞かせ講座で教わった本、宝物になりました。
      2021/03/14
    • 2021/03/14
  • とても印象に残ったようで、くまのぬいぐるみをみたりすると、「ビーディーくんだ」と言うようになった。
    味わいのある絵と、よい印象の話で、好きな本です。

  • 色はあんまりないんだけど、ひきつけられる本の1つ

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著者プロフィール

ドン・フリーマン 1908年、アメリカ・カリフォルニア州生まれ。高校卒業後、サンディエゴ美術学院に入り、21歳でトランペットとスケッチブックを持って、北米横断の旅に出る。ニューヨークでジャズトランペッターとして生計をたてながら、アート・スチューデンツ・リーグで絵を学ぶ。1951年、息子のために妻リディアと共作した絵本を出版。以降、絵本作家として、代表作の『くまのコールテンくん』(偕成社)をはじめ、『とんでとんでサンフランシスコ』(BL出版)『ダンデライオン』(福音館書店)など多くの絵本をのこした。1978年没。

「2019年 『やぎのグッドウィン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ドン・フリーマンの作品

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