作品紹介・あらすじ
ぼく、ちいさいあかいしょうぼうしゃがほしいんだ。ぼくのしょうぼうしゃは、かじをけすだけじゃないんだよ。どろんこのぞうをあらってあげたり、おはなばたけに水をまいたり、はしごをのばせば、きりんとはなしもできるんだ。
感想・レビュー・書評
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語り手の"ぼく"が、"ちいさい あかい しょうぼうしゃ"の持ち主になったら、どんなことをしたいかを語るお話です。
火事に出動するのはもちろん、お花にお水をあげたり、泥だらけのぞうさんを洗ってあげたり、火を吹く竜に対抗したり、きりんさんと触れ合ったり、大仏様の耳掃除をしてあげたり…子どもらしさとユーモアたっぷりの夢が描かれています。
水彩とクレヨンを合わせて使ったようなタッチのイラストで、消防車や他の車、動物たちは、そこそこ細かくリアルに描かれています。火事の火元が魚を炭火焼きしていた犬の犬小屋だったり、クロネコ印の"急急便"のトラックが走っていたり、コミカルな要素も散りばめられていて、イラストを眺めるだけでもなかなか楽しめます。"ぼく"が夢を語るにつれて、イラストの消防車のはしごがどんどん高く伸びていき、途中から絵本を縦にして読むことになる表現も面白くて好きです。
文章は、ひらがなとカタカナが使われていますが、カタカナにふりがなが振ってあるので、ひらがなしか読めなくても一人で読めます。
文章量も見開き1ページに2~3行を基本としているので、文字の読み始めにはちょうどいいかもしれません。
我が家では、息子が一人称の"ぼく"という言葉を覚えた一冊です。
【参考】読み聞かせ:2歳0ヶ月
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僕が消防車に乗り、あんなことやこんなこと、途中絵本が縦になり、高さの表現が良いです。
〇未就学児~
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2歳11か月 消防車に興味があるみたい、火を消すシーンが一番好き。
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2歳1ヶ月
消防車の話。
消防車に乗って、泥だらけの上を洗ってあげたり、お花にお水をあげたりと夢のあるお話。
読んでいて、
温かい気持ちになる。
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ぼくがほしいのは、小さな赤い消防車。火事があったら、急いで駆けつけすばやく消す。でせそれだけではない。どろんこのぞうがいたら洗ってあげるし、火をふくりゅうだんてちゃんとしのげる。はしこを伸ばせはきりんと話せるし、木にひっかかったヘリコプターも助けられる。たいぶつさまの耳掃除だってできるし、他にもできることはたくさんあるのだ。さいごは、野原で虹を作る。(32ページ)
※保育士が★★★★
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消防車好きの娘も大喜び、とても温かいストーリーでした。
著者プロフィール
1957年、福岡県に生まれる。東京学芸大学在学中に童話集『星とトランペット』でデビュー。「黒ねこサンゴロウ」シリーズで路傍の石幼少年文学賞を、『ひらけ! なんきんまめ』で産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞。『なまえのないねこ』で講談社絵本賞など6つの賞を受賞。主な作品に「のりものえほん」シリーズ、『まじょのむすめワンナ・ビー』『トリケラトプスのなんでもないいちにち』『しゃっくりくーちゃん』『ねえだっこして』『にげろ! どろねこちゃん』『なんでもモッテルさん』などがある。静岡県在住。
「2022年 『三日月島のテール 行くぜっ! 海の宅配便(全5巻)』 で使われていた紹介文から引用しています。」
竹下文子の作品